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肖像画にも猫大好き リシュリュー
時代はぐっと下りまして、17世紀のフランスにも愛猫家がいました。
「三銃士」の悪役として有名な宰相兼枢機卿のリシュリューです。
この人の場合は逸話より何より、猫と一緒に描かれた肖像画の多さが猫好きっぷりを表しているでしょう。
ツイッターでも話題になるぐらいですね。
リシュリューの肖像画、やたら猫が…と思ったら猫好きで沢山飼ってたらしい。各々名前をつけ、そのうちの一匹の名前がルシフェルとか本当か?立場的にその名前は大丈夫なのか。真相を求め取材班は17世紀のフランスに飛んだが灰色の枢機卿ことジョゼフ神父へのインタビューを最後に全員が消息を絶った… pic.twitter.com/B7sX5tKiOP
— Legionarius (@Legionarius_) 2018年3月7日
肖像画は権力の象徴ですから、そこに猫も描かれているということは、本当に猫がその場にいた・もしくはわざわざ猫を一緒に描かせたことになります。
14匹の愛猫にはきちんと名前もついていましたが、中には「ルシフェル」というソレ聖職者的にいいのかとツッコみたくなるような子もいたとか。
あのチャーチルさんも!
さらに時代を飛ばして。
首相というよりは「ドン」と言ったほうが似つかわしい風貌のウィンストン・チャーチルも、顔に似合わず大の猫好きだったことが知られています。
イギリス紳士らしく皮肉めいた言葉も残していますが、代々「ジョック」と名付けた猫を飼っていたこと、遺言の中に「私の死後も、ジョックが何不自由なく暮らせるようにしてくれ」という一言があるだけでも可愛がりようがわかるというものです。
ちなみに皮肉のほうはこんな感じです↓
"I like pigs.
Dogs look up to us.
Cats look down on us.
Pigs treat us as equals. "
【意訳】私は豚が好きだ。犬は我々を見上げるし、猫は見下す。豚だけは対等でいてくれるからだ
彼は、猫や犬、豚に限らず基本的に動物が好きだったようです。
これはイギリス紳士の嗜み・ブラックジョークというものでしょう。
「犬は人につき、猫は家につく」
このように古今東西、愛されてきた猫。
ただし、犬と比べると活躍の場は限られています。
ねずみを追い払うことから、お経や本などの書物やお酒を守るための番犬ならぬ番猫として働いていたケースが多いようで、他の例としては、スコットランドのウイスキーキャットなんかもおりますね。
ドイツワインのラベルにはよく黒猫が描かれていますが、その理由は
「黒猫が飛び乗った樽のワインがおいしい」
「黒猫という名前の村で造られたワインが始まり」
などなど、これが定説!というのは決まっていないようです。
「犬は人につき、猫は家につく」と言われるのも、もしかしたらこうした仕事場の違いからきたのかもしれません。
意味としては「引越しなどの際、犬は置いていっても(人に懐いているので)ついてくるが、猫は家が気に入っているので人のことは忘れて昔の家で暮らす」というものです。
以上、猫に膝の上を占領された長月がお送りしました♪
ぬくくて重い幸せよ。
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長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
猫に関する名言・至言(→link)
ネコ/wikipedia
ネコの文化/wikipedia