臣下として初の摂政になる藤原良房。
その手腕は後の藤原道長などにも伝えられ、藤原氏の礎を作った人と言っても過言ではありません。
むろん、かなり際どいコトも怪しまれておりまして。
最たる例が「応天門の変」です。
真犯人が未だハッキリしない、何かとザワザワする事件。
その解決後の勢力図を見ると、どうしたって「良房の一人勝ちやん!」となるような流れであるワケですが……。
さて、事件はどのように推移していったのか?
日本史ブギウギ、第42話、スタート!
大納言
◆源信(みなもとのまこと)は、嵯峨天皇から臣籍降下して源氏姓を名乗っていた一族です。
このころ伴善男(とものよしお)は、にわかに政治力をつけ始めていて、ライバルとも言える存在でした。
しかし、です。いくら伴家が名門とはいえ、このころの最大勢力の一つ・藤原良房さんもいるわけで……。
応天門炎上
◆事件は早朝、突然始まりました。
平安京の大内裏(皇居)の中にある応天門が突然燃え始めたのです。
ここは天皇が朝政(早朝のオシゴト)をする非常に重要なところ。
何が何でも犯人をあぶり出して、危険分子は排除しておかなければなりません。
そこで、ここぞとばかりに、先に動いたのが伴善男でした……。
引導
◆伴善男にノセられ、兵を動かした藤原良相はここで失態。
良相は藤原基経と、FUJIWARAの頭領争いをしていたのでしたが、これを機に没落して参ります。
藤原氏とはいえ、怖いですね。権力争いに負けた者の悲しさよ。
吉祥丸の迷推理
◆真犯人は未だ謎とされている応天門の炎上事件。
天才・菅原道真さんの推理で出てきた大宅鷹取は、後に「◯◯が犯人だ」として、一気に情勢は傾いて参ります……。
ちなみに菅原道真さんは、幼名を阿呼(あこ) から 吉祥丸(きっしょうまる)へと改名した経緯がありまして。
【知っとくと平安時代が面白くなる! 貴族の王者・藤原四家】
・藤原武智麻呂→藤原南家 ※藤原仲麻呂(恵美押勝)
・藤原房前→藤原北家 ※藤原冬嗣・藤原良房・藤原時平・藤原道長
・藤原宇合→藤原式家 ※藤原百川・藤原種継・藤原薬子
・藤原麻呂→藤原京家 ※マイナー・藤原浜成
※次週へ続く
【過去作品はコチラから→日本史ブギウギ】
著者:アニィたかはし
武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)