こちらは3ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【『どうする家康』感想あらすじレビュー第15回「姉川でどうする!」】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
どうする殺陣
なぜ大河は年によって、こうもアクションに差が出てしまうのか。
2020年と2022年は当たりで、今年は外れ。
隔年でジグザグしていて、不思議でしかありません。
主人公が渋沢栄一ならまだわかります。しかし今年は徳川家康ですよ?
どうする帰陣
戦場から帰ってきたはずの浅井長政がさして汚れもせず、ずかずかあるいてきて、娘を抱くお市の元へ向かう。
まるで昭和のホームドラマで、戦国大名の帰宅シーンがこんなお粗末でよいのでしょうか。
土埃ひとつ無いような、きれいな陣羽織でした。
どうするお市
どうせ、阿月が死んだことは、みんな忘れているだろうと思っていました。
瀬名だって、親のことも、田鶴のことも、ろくに思い出したりしませんからね。家康も氏真なんてもう忘却の彼方でしょう。
案の定、お市もそうでした。
怪しげなアイメイクで、今度はいきなり長政に向かって、兄・信長を裏切れと言い出す。
あんな芝居がかった阿月との感動物語が、一瞬で消え去るような冷血ぶりではありませんか。
お市が信長に送った“小豆袋”は史実と断定していいの?どうする家康
続きを見る
このドラマには、誰一人として、まっとうな情愛を持ち合わせている者がいるように思えなくなってきます。
どうするわけのわからない武田家
信玄の剃髪が、メイクをしていると見え見えで辛い……。
そして、いつまで片手で茶碗を持って茶を飲むのでしょう。
誰も見ていないところで「ワイルドだぜぇ~!」と振る舞っているようで、まるで知性が感じられません。
信玄は母方に似て学究肌で、家臣が「学問はもういい加減にしてください!」と言ったという話もあるほど。
それがこんな、脳みそまで筋肉みたいな人物にされてしまって……毎度のように、ジャラジャラと金塊を掴むのは、何なんですか?
そして千代の前で、下品な茶の飲み方をする。
英雄である武田信玄をそんな風に貶められて辛いのです。
千代にしても「いかにもあやしいメイクですぅ」という雰囲気でしんどい。わざとらしくて見ているのが恥ずかしくなってくる。
しかも毎回同じ衣装を使い回し、ニタニタしているだけで情報報告の一つもしないじゃないですか。
織田家臣団もミニマムですが、本作の武田家は田舎の草野球チーム以下の迫力。いや、これしかメンバーがいなければ野球はできませんね。
どうする築山殿とのイチャラブ
こんなスイーツ恋愛脳の大河って、実は史上初では?
ただし、テンプレ通りというか、どこぞの恋愛ゲームといった趣で、相手への理解も愛情も感じられません。
『麒麟がくる』での信長と帰蝶は、信長がすっかり甘えていて、帰蝶もそのことが幸せで……そういう甘ったるさが、もう見ちゃいられないと思ったのだけれども。
今年はなんなんだろう。築山殿がどこぞの店でハイボールを出してくるお姉さんみたいだわ。
劇中での時間も結構な年月が経過したはずなのに、主役夫妻の発声が相変わらず幼く、歳を重ねた夫婦に見えない。
おっさんが好きな「かわいこちゃん」でしかない築山殿が、古いセンスのままで描かれていて気の毒です。
日本でも、最近の作品は、若手女優の発声がかなり低くなってきます。
特有のキンキン声は有名でしたが、ようやく時代に追いついたのでしょう。
しかし今年の大河は、ナレーションも出演者も、キンキン声ばかり。一体いつの時代のセンスなのでしょう。
どうする隠しきれないミソジニー
家康に対して憎々しげな接客をしていた老婆。
商売人がそんなことしますかね。まるで老婆をギャグ要員として考えているようで『いじわるばあさん』の時代かと思いました。
そしてその直後、無意味に踊る女とスケベな目で見る連中を見せる。
ババアとかわいこちゃんの対比がウケるwwwと制作サイドが考えているようで、頭を抱えたくなりました。
※続きは【次のページへ】をclick!