どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第15回「姉川でどうする!」

今週は、阿月の死から。

死ぬ間際に彼女一人が訴えたところで、なぜ撤退すべきだと判断できたのか。

しかも息絶え絶えで、やっと短い言葉を発するだけ。あの程度のセリフで全軍を動かすような重大判断をできるとも思えません。

もしも自分が総大将だったら、そこで撤退を決断できるでしょうか。要は、阿月はウケ狙いのために死んだのでは?

金ヶ崎の退き口がどんな戦いだったかも不明でした。

『麒麟がくる』では、撤退戦に挑む秀吉の覚悟や、戦後処理でその厳しさが十分に伝わってきましたが、本作はおちゃらけナレーションで終了。

秀吉はゲスい。信長はパワハラ気質。家康は相変わらず弱々しい雑魚でしかない。

いったい三英傑とは何だったのでしょう。

『麒麟がくる』では、金ヶ崎で三英傑と光秀の個性をきっちり見られました。今年はこの四人が全員このまんまのキャラだと、なんとも悲しみが湧いてきます。

そんな明智光秀は突っ立ったまま、家康にまた出陣するよう脅してきました。

膝行(しっこう)のような所作指導ができていたら良かったのになぁ。家康も、特に確固たる意思も表明できず「そろそろ家に戻りたいカナ」みたいなことしか言えません。

そんな相手に顔を近づけ、パワハラで脅すしかできない信長、

「乱世を終わらせるのは、誰じゃ」

耳を噛む信長。このご時世に、何を考えているのでしょう。

そして魔法のアイテム「コンフェイト」も出てきます。出てきたところで意味がわからん……と思ったら、これで家康のやる気を引き出したようで。

数粒の金平糖で動く戦国大名が「はじめてのおつかい」と化しています。

 


あらすじ:おじさん構文バージョン

阿月チャン、死んじゃった_:(´ཀ`」 ∠): これで、泣かない奴とか、人の、心が、あるのカナwww

さて、そんな、カワイコちゃんの死から始まる15回^_^、

オイラは、中学の時、好きだった、陸上部の女の子を思い出してドキドキ( ´∀`) どうせなら、ブルマで、激走すれば、もっとムフフだったネ♪( ´▽`)

さて、そんな、神の君は、秀吉とともにに、命からがら、金ヶ崎で、撤退の激戦を、生き延びちゃったんだ( ´∀`)

瀬名チャンと、イチャイチャしたいのに、ブラック上司の、信長ってば、ドS攻めwww そんな信長から浅井・朝倉討伐の先陣を申し付けられちゃう!_:(´ཀ`」 ∠):

そんなとき、なんと、長政チャンから、「ともに信長を討ち取ろう」って呼びかける密書が!( ^ω^ )

姉川を挟んで、両軍が向き合って、たいへん!Σ('◉⌓◉’)家康チャンは、信長と、長政、どちらを選べばいいのォ〜〜〜!♪( ´▽`)

ドキドキしてたら、信長から、家康陣へ、銃弾が撃ち込まれちゃった( ´ ▽ ` )

ビックリダネ♪(´ε` )

 


どうするコンフェイト

コンフェイトがしつこいですね。

何か他に材料はないのでしょうか。ほぼ、これだけで歴史が動いている印象すらあります。

このドラマは一点突破しようとする傾向が強い。

『花燃ゆ』という大河がありました。

あれは吉田松陰の妹が“おにぎりを松下村塾生に作る”というコンセプトが突っ込まれました。

そこでこんな擁護が出てきたらどう思います? 実際には、私が見る限りはありませんでしたが。

「おにぎりは日本人にとって定番の携行食ですよ。幕末の萩におにぎりが存在しないとでも思っているんですか?w」

いや、そうでなくて、松下村塾はおにぎりよりもっと描くことがあるだろ!ということです。

有毒のフグを食べるかどうかという問答の方がまだしもマシ(実際、そういう議論をしていたそうです)。

そういう必要性の問題であり、

「コンフェイトは当時高級だったんですよw」

という趣旨の話ではありません。

本作からは、論点をずらして勝ち誇る、2000年代以来の「論破www」という手法が浮かんできます。

 


どうする織田の軍勢

軍議の場で、信長の横に秀吉がいて、ヘラヘラ話しているだけ。

そこで、ふと思ったのですが、このドラマって織田の家臣が少なくありませんか?

後にお市と関わる柴田勝家だけ出しとけばいい、あとは雑魚www という判断でしょうか。

本当にダメなソーシャルゲームのようだ。

2020年代にもなって、PC8801時代のゲームみたいなスカスカ感が漂っています。

 

どうする合戦

もう突っ込むのも嫌なのですが、本作は「レアカードさえ揃えれば勝てるんじゃねwww」というノリなんですよね。

兵糧の輸送とか。付け城を作るとか。戦の準備における重要な要素は全く出てこない。

合戦というより運動会ではありませんか。

どおりで戦死者のことを考えていないわけだ。

わざとらしく屍が転がっているけれど、それだけ。

誰かが死んで祟りが怖いとか。死体埋葬の手間がかかるとか。悲しいとか。

そういう感情表現が全くないから、戦の虚しさとか悲惨さが伝わってきません。

 


どうする乳母のいない戦国

お市が我が子を抱いて立ちっぱなしって、どんだけコスパ重視なのでしょう。

阿月が死んだから仕方ないって?

なぜ乳母がいない?

大名夫人が子を抱きっぱなしで突っ立ったままで夫と話すって、おかしくありませんか。

 

どうするセキュリティ意識

織田か浅井かどっちにつくか、大声で激論する家康と家臣団――今週もセキュリティ意識が全く感じられません。

『鎌倉殿の13人』では、武士に忠誠心という概念がまだまだ遠く、趨勢に靡きやすい坂東武者が描かれていた。

それではまずいと感じた源頼朝は「これからは忠義の時代だ!」として、主君を裏切った者を厳罰に処したものです。

戦国時代もまだまだ、そういう意識は薄い。

そこで人質ですね。土壇場で裏切らないよう繋ぎとめておくシステムがあり、破った場合には相応のペナルティがある。

信長は割と裏切られる局面が多かった人物ですが、それにしたって、このドラマほどセキュリティ意識がないと、そうなるだろうとしか言えない。

カフェでノートPCを全開させ顧客データを眺めているような会社員ばかりと申しましょうか。

このCMを連想します。

◆カフェで大事な仕事すな! 情シスがPCを閉じて回るBOSSのCMがIT業界に刺さる(→link

本作の舞台は、現代日本のカフェでなく、戦国日本の戦場ですからね。

緊迫感のない戦国時代を視聴者が求めているとも思えません。

この前の朝ドラでも、お好み焼き屋で会社の情報をベラベラ大声で話す連中が出てきて、朝から脱力感に襲われました。

で、その朝ドラが終わったと思ったら、こんなゆるんだ下着のゴムみたいな大河。

日本人にとっては大切であろう大河枠がこれでは哀しくなるばかりです。

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