麒麟がくる感想あらすじ

麒麟がくる第13回 感想あらすじ視聴率「帰蝶のはかりごと」

天文21年(1552年)――。

斎藤利政(斎藤道三)から発せられた「土岐頼芸と戦う宣言」に、光秀は苦悩しています。

 


心配する煕子と平然とした牧

部屋の中を歩き回る光秀。推理もの作品でもよくある行動であります。

何か物事を考えるとき、ウロウロしたり、散歩したり、ドライブしたり。世の中にはそういう人もいますよね。

光秀の新婚だの恋愛について普通はこうだのなんだの言われていますが、そもそも【普通】の定義は何かって話です。そこを盛り上げることに、本作スタッフは焦点をあてていないのでしょう。

新婚の煕子は心配しています。

閉じこもったまま、食事すら手をつけない。「うん」としか言わない。一方で母の牧は薙刀の稽古をしています。

◆牧からのアドバイス

気にせぬこと。3日以上続くようであれば、またそのときに思案いたしましょう。

幼い頃から育ててきて、そういう我が子のことを理解しているのでしょう。父親である牧の夫もそうであった可能性はある。

冷たいわけではなくて、対処は人それぞれということです。

煕子が無理矢理部屋に入ってイチャイチャしたら、気が散って悪化する可能性もある。人の対処はそれぞれやり方があり、個々人に合わるのが一番早道。相手を無理矢理テンプレートだのなんだのに押し込まないのが大切でしょう。

果たして光秀は打開策を見つけたようです。

 


戦はせぬが、この国を出て行ってもらう

光秀は、利政の前に来ています。

鉄砲の話があるそうです。

金がかかるだのなんだのの話なら、さっさと帰れ。そう言い切る蝮です。

無駄話が嫌なんですね。無駄無駄無駄。

光秀はここで、嘘だと明かします。そうでもないと話せないと前置きする。

ブラック上司だのなんだの言われる利政ですが、理不尽なイビリだの、俺を尊重しろオーラは実はそこまで強くもない。

じゃあ、光秀はどうして来たのか?

◆光秀が聞きたい!

土岐頼芸と本当に戦うつもりですか? なぜですか?

源氏の血を引く国の柱。戦えと命じられて喜ぶ者は僅か。困ります。迷います!

土岐様のために戦おうか迷っているんですよ

光秀なりに考えて来ましたね。

遠回しに、国の分裂を訴える。利政は、自分と戦うのかと言ってくる。

光秀は本音を言います。叔父の光安は殿につく。叔父と戦いたくない。

なじみの国衆も戦い、美濃には恨みが残る。むしろ分裂する。

そう聞くと、利政は扇をパチパチとして、我が子・高政はどちらにつくかと聞いて来ます。

「皆さほどにわしが嫌いか?」

光秀は嫌いとかそういう話ではないと逸らします。けれども、迫られて「どちらかと申せば嫌いでございます」と言いました。

利政は素直に認めるとおさまる。ただ怖いだけでなくて、対処を覚えればなんとかなるとは思うんですよね。高政の方がむしろ思いもよらぬ反応をしそうで、暴発気味だと思います。

光秀は、堺や京都の旅、鉄砲を学ぶ旅もお許しいただいたし、亡き父や叔父も重用していただいていると言います。そこは律儀です。

だからこそ弓を引けない。それなのに、どうして土岐様と戦うのかと聞くわけです。

 


芝居がかった暗殺騒動

ここで利政は認めます。

戦はせぬ。
戦はせぬが、この国を出て行ってもらう。

まぁ、そういうことだろうとは先週思いました。

あの暗殺騒動は作り物めいていた。

織田信秀の死によって、勢力図は変わる。もう、血筋だけのお守り札はさっさと捨てて、自らの足で歩かねばと言い切る。この策が何かと言うのです。

はい、ここでドラマとちょっと外れるんですけどね。こういうご時世なので、真面目にこう宣言します。

ドラマをこんなときに見ている場合かというのは、わかる。けれども、役立つドラマならよいことです。

今期朝ドラでは、こんな台詞がありました。

「やらずに後悔するより、やって後悔しろ」

これは、このご時世に絶対に言ってはならないものです。そういうノリで外出して結果がどうなるかという話。

今だけの話でもない。太平洋戦争経験者も、似たようなことを言っていたものです。

勇猛果敢な兵士ほど死ぬ。よく確かめもせずに何かを食べ、敵地へ突入し、浮かれ騒いで見つかってやられる――。

嫌な話ではありますね。「やらずに後悔するより、やって後悔しろ」みたいなノリですと、危機への対処能力が落ちます。

そこをふまえて、ドラマレビューを通して危機管理能力のことを考えますと……。

私は前述の通り、あの暗殺騒動は嘘でひっかかると書きました。

意地悪なことを考察します。

「伊右衛門vs綾鷹!」

「鷹を使うなんて、ペットボトルのお茶CMにかけているんだ。シャレてる」

そういうこと、書き込みする方もおられたようです。

土岐頼芸の鷹には史実的根拠があります。

土岐頼芸
道三に追われ信玄に拾われた土岐頼芸~美濃の戦国大名83年の生涯

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公共放送が民放の広告でウケを狙うなんて、世も末だと思いますが。まぁ、そういうどうしようもないNHKドラマが実際にありました。

別に伊達や酔狂で「CMネタを書くとは不覚!」と言っているわけじゃない。でも、そういうRTやいいね稼ぎをすることを考え投稿して、そのぶん集中力や洞察力が落ちることもある。必然的にドラマのポイントを見落とす。

このネタを使えばRTといいねが稼げる、快感を得られる。手癖って便利であり、反射的にそうしてしまっても仕方ないことです。生きるってそういうことではある。

でも、手癖になれると洞察力が落ちてしまいます。しかも、快感を伴う手癖は、中毒性がより高まる。SNSに慣れすぎて、長文の執筆や読解ができないとすれば、そこにも何らかのシステムが働いているのでしょう。

そう、システムです。

毎年、大河には「視聴率アップのために女優を脱がせる」報道が出る。

進歩のなさに呆れ果ててはいたのですが、説明はつく。退屈な感情を堪えていると、性的なご褒美があった場合、人はそれを求めて中毒性が出てくる。そういうご褒美システムに釣られて、テレビの前に座ってしまう。

人間を騙すのは、案外簡単かもしれない。でも、こんなご時世に騙されると危険。本人だけならまだしも、周囲や社会まで危険に陥れます。

おうちで踊ろう。それもそうだけど、智謀を脳内でくるくる回すことも大事。そう提案します。

広告映像や、ドラマの影響を受ける人は善良です。でも、善良なるがゆえに罠にかかる。そこは意識していきたいところです。

 

光秀よ、30挺の鉄砲隊を組め

種明かしをしたあと、利政は計画を話します。

信秀の死をふまえ、状況は変わっているのに、国衆はいまひとつ緊張感が足りない。

そのうえで、光秀から鉄砲を受け取り、京都では鉄砲を使った戦が始まっていると言います。将軍も鉄砲に備え、建築物を変えている。

これはなかなか重要なこと。

鉄砲は上から射撃することが効果的です。上からの守りが弱い城は、防御力が下がります。

鉄砲のみならず大砲も導入されたとはいえ、そのころはちょうど戦国末期でした。ゆえに、日本の城郭は大砲への防御が手薄になりました。そこをふまえて、光秀に鉄砲導入を任せたいというのです。

30挺で一組単位。ここも何かとポイントですね。

第1話を思い出すと、鉄砲の流入、分布が急速に進んでいます。

光秀はそれよりも土岐頼芸追放計画を気にしています。もう手は打ってあるそうです。どうせ、ろくでもないんでしょうけれども……。

 


鷹がすべて殺されております!

土岐頼芸の館では、鷹狩りの準備をしております。

空を見ればよい天気。今日は紛れもなく鷹狩り日和だとホクホクしています。

頼芸は上等の鷹を送ったこと、暗殺計画も知っているようにも思えない。やはりあれは謀略でしたか。

ここで近習が、鷹に異変があると慌てて行って来ます。

「すべて殺されています!」

頼芸が慌てて鷹の小屋に向かうと、あったのは鷹の死骸でした。

「やばせ、いぶき、ああ……!」

動物の殺害です。脅迫の定番です。

『ゴッドファーザー』では、死んだ馬の首がベッドに入れられている場面があります。こういう動物の死骸を脅迫に使うことは定番といえばそうです。利政からすれば、鷹の命程度どうでもよいのでしょう。

頼芸は怯え、叫び、鷹の羽が舞い散る中混乱しています。そこへ高政様(斎藤義龍)が来ていると告げられます。高政は、急ぎお目にかかりたいと張り切っております。

「お屋形様がご案じになることはない、必ず勝つ!」

高政がそう張り切っても、頼芸はパニックになって話が通じない。

厠で用を足してくると言い、馬の準備までさせる。

「馬じゃ、馬を引け! わしはここを出る!」

高政が愕然とする中、頼芸はあっさりと自ら逃げて行ったのでした。

しかし、彼が高政に植え付けた毒は消えていません。
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