こんばんは、武者震之助です。
今回は中野直之が瀬戸方久を通して取り寄せたという、種子島(火縄銃)から話が始まります。
直之が丁寧に装填から説明しながら試し撃ちをしたのは、虎松がちょうど手習いを始めた龍潭寺でのことでした。
虎松や亥之助らが見守る中、敷地内に鳴り響く、鉄砲の轟音。これは妖術かと井伊直虎が驚くものの、すぐこれは役に立つ武器だと目を輝かせるのでした。
ところが、この火縄銃は一挺十貫という高価なものです。しかも本体だけではなく消耗品である火薬にも金がかかるというもの。プリンタとインクトナーみたいな関係ですかね。
ただでさえやりくりに苦労している井伊家が買うにはあまりに高すぎますし、金の話なら食いつく方久も今回は何故か乗り気ではありません。
直虎は鍛冶の里・井平で大量生産すればビジネスチャンスになると思いつきます。早速、鍛冶頭に相談したところ、なんだか出来そうだということがわかってきます。
今回は火縄銃の装填動作、そしてその構造をどう作るか、説明するのが親切です。他のドラマなら簡単に撃ってしまう火縄銃ですが、作るのも撃つのも楽ではないわけです。
この企みは、小野政次に迫られるとすぐ漏らしてしまう奥村六左衛門には内密にする――と直虎たちは口裏をあわせます。
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なんで龍潭寺で試し撃ちしちゃうかなぁ~
その頃、小野政次は策をめぐらせていました。
政次のもとに、虎松とともに手習いをしている甥・亥之助が変わったものを見つけたと火縄銃の弾を持ってきます。これで政次には伏せてきた火縄銃計画が漏洩してしまいました。
あーっ、もうっ! なんでよりにもよって龍潭寺で試し撃ちしたんだよ!
直虎は龍潭寺で手習いをする虎松(後の井伊直政)の様子を目にします。虎松は亥之助や中野直之の弟の直久と五目並べをしています。ところが周囲は彼に手加減をしているのでした。
これを見とがめた直虎は「それではだめだ、虎松相手に手加減するな!」と発破をかけます。
その結果、虎松は年長の他の子たちにボロ負けすることに。虎松が幼稚園ならば、他の子は小学校三年生くらいに見えます。そりゃ勝てませんよ。
精神的ショックを受けた虎松は、意気消沈して帰宅します。
昨年の真田大助も高梨内記に囲碁で何度も負かされていましたっけ。
非戦闘員にも撃てる!それゆえ非戦闘員の命も狙われる
先週から始まった綿花栽培も好調です。
綿花栽培は経験者が三河からも来ており、雑魚を砕いた肥料作りなどを皆に伝授します。
「この者たちを守りたい、戦となればよい道具を持たせたい!」
笑顔の直虎ですが、ここもさらりと中世的な怖いことを語っております。
直虎の前提は、非常時は民を動員するということです。
そんなときに強い武器を持たせたいというのも、一見やさしいようでこれがまた怖いのです。
直虎は、鉄砲の射程距離や威力以上に操作が比較的簡単であることを利点として考えています。
これは他の武将や大名も同じ考えです。火縄銃は、ある程度の熟練は必要とはいえ、弓ほど膂力や技量が必要とされるわけではないのです。
また装填から発射まで一人でやらなくてもよいのです。火薬と弾を詰めるまで、そこから射撃するまで、分担してもよいのです。
それまでは非戦闘員であった女性、子供、老人も、装填を手伝うことはできる。これが火縄銃のもたらした革命的な点です。
戦国時代も時代がくだるにつれて女性や子供が助命されにくくなっていきます。火縄銃が女子供をも戦闘員にする可能性をもたらした以上、無力だからと助命できなくなったわけです。
井伊の跡継ぎがピーピー泣くな!
さて、内政は絶好調。そんな中で直虎は、あることに気づきませんでした。
そう、それは虎松が自信を喪失していたのでした。
虎松は手習いで周囲に負け続け、ついにモチベーション燃え尽きです。ついには登校拒否状態となり、母であるしのは、寺から教師を派遣して欲しいと頼んできます。
しかし、直虎はそんなことではいかんとスパルタ教育を目指します。
仮病を使う虎松にしびれを切らした直虎は、自宅にまで踏み込み説教タイム。
「出てこい! 大将がさようなことでどうする! 何故泣く! びーびー泣くのではない、みっともない。そなたは井伊の跡継ぎ、さような体たらくでどうする!」
いやもうちょっと言いようがあるのでは……?
この直虎の態度に怒ったのは、しの。虎松に不満があるなら自分で子を産んでみたらどうですか、人の子に文句ばかりつけて、と禁句を連発するのでした。
直虎はなおも「それで悔しくはないのか!」と発破をかけますが、むしろ逆効果ではないでしょうか。
案の定、直虎は母の祐椿尼にも叱られる始末。
ここで直虎の乳母のたけが「直虎様が子を産むのはよいですね」と、よせばいいのに軽口を叩いて、直虎に怒られます。直虎の中では、あくまで井伊の跡継ぎは直親の子で、たとえ自分自身の子であろうと、そうでない子は認められないのです。
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