血洗島の渋沢家では、藍の葉作りが始まりました。
丁寧な描写で工程が描かれていきます。
今週も褌姿になって、一生懸命作業をする栄一。藍色の衣装も綺麗です。
発酵から百日が経過すると「すくも」ができあがる。そしてそのすくもを液状にすると、あの綺麗な藍色の材料となるのだとか。
伝統産業の美しさ。埼玉県の魅力を伝えようというところでしょうか。
喜作と栄一の会話では、『イソップ物語』が『伊曾保物語』として伝わっているとわかります。
商人たちも、海外文学に接することができた。
栄一は、なんと江戸に連れて行ってもらえるのだとか。
家康タイム「お気に入りの外国人」&ペリートーク
「こんばんは、徳川家康です」
今週も始まりました。流行語になっちゃう勢いですが……。
◆ 「こんばんは、徳川家康です」北大路欣也の前説が大受け「斬新」「ノリが水曜どうでしょう」(→link)
今週はお気に入りの外国人の説明です。
一人目はマルコ・ポーロ。『東方見聞録』でおなじみです。
二人目はウィリアム・アダムス。リーフデ号で日本に来た方ですね。
Amazonプライム『MAGI』がシーズン2以降もあれば、より詳しく学べそうな人物です。
3人目はラナルド・マクドナルド。
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マクドナルドは、まだ日本が鎖国(制限外交)をやってるときに受け入れられた珍しいパターンですね。
そして運命の外国人ペリーの登場です。
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巷では早くも「(顔が)ソックリ!」と話題になっているペリーが、いろいろと説明してくれます。
ちょっと補足しますと、幕府は「南北戦争もあってしばらくアメリカは来ないかも……」とちょっとガードが緩かったんですね。
『八重の桜』の初回オープニングは、南北戦争からでした。
女子教育の意義を大河で学ぶ
舞台は尾高邸へ。
惇忠が『論語』「里仁」を学んでいます。
君子は言に訥にして、行いに敏ならんと欲す。
妹の千代がその意味を聞いてくると、周囲は女子だからいらないと返答。そのことに千代は反発します。
同じ千代でも、朝ドラ『おちょやん』とは大違い。あのドラマでは酷い家族構成ですが、こちらはみんな優しくて安心です。
千代の願いを聞き入れ、ためになる言葉を教えてくれるようになりました。
なんでもこれは、無口でペラペラ喋ってばかりだとよろしくないという意味だそうです。千代はすっかり理解して「それでは栄一はだめだろう」と言います。
思わず、くしゃみをしてしまう栄一。さすがにこの演出は……。
◆ 橋本愛 NHK大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢栄一の妻役「テレビの前でおなごたちが泡を吹く」(→link)
江戸は商いの街
そんな栄一は江戸へ向かいます。
「父さま、江戸は今日が祭りか」
そう言ってしまうほど賑やかな江戸の街。100万人近い人口がいたとナレーションで説明されます。VFXとセットも駆使しておりますね。
栄一は感激しています。
「父さま、俺はうれしい。この街は商いでできてる」
いきなり商業都市だと見抜いて、なんでもしゃべってしまう栄一。
するとそこで平岡円四郎とその妻と運命的な出会いを果たします。
今回の出会いは一瞬だけで、江戸武士・円四郎の興味を掻き立てるようなシーンですね。
このあと、父と子は神田紺屋町へ。商いの仕組みが説明されます。
そして江戸の城には公方様がいると説明され、場面は慶喜パートに移ります。
家慶が水戸の親子を嫌った理由
慶喜は心優しい人物なのでしょうか。
病床にいる徳川家慶のことを気遣い、
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カナリアを持ってきます。海外産の鳥を飼育するほど海外との交易もある。そんな演出でしょうか。
水戸の父子が、将軍・家慶に嫌われた理由も明かされました。
嫉妬です。
世の中には、将軍よりも斉昭の方が優れた君主であると陰口を叩くものがいたとか。それゆえ斉昭が嫌いだったそうです。
徳川斉昭とは傑物なのでしょう。
「尊攘」と大きく習字を描くあたりから、大物感を漂わせています。
そんな家慶も、慶喜の顔を見ると憎しみが安らぐとか。
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慶喜がチャーミング設定なんですね。草彅剛さんにぴったりかもしれません。
◆ 【「青天を衝け」楽しむためのキーパーソン】徳川慶喜 自転車や写真が好きな趣味人として余生を過ごした最後の将軍(→link)
◆ 草なぎ剛は難しい役も必ず物にする、大河ドラマで示した「別次元の存在感」 (→link)
国難に一丸となって立ち向かう日本人
そして三ヶ月後。黒船来航です。
無茶苦茶でっかい船がきた!
当時の人々が右往左往してしまうのは、清の悪夢があったから。日本を同じ目に遭わせてはいけません。
「心を一つにして戦わんと」
そう誓います。一丸となったからこそ、日本は植民地化されずに近代へ歩むことができた。と、そういうことでしょうか。
こんな国難の折、斉昭が作り献上した大砲が大評判です。
そしてそれを見た民たちが狂喜乱舞していると語る阿部正弘。
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この国難はやはり慶喜しかいない――そんな中、12代将軍・家慶が亡くなります。
家祥(のちの徳川家定)では頼りない。
ペリーの対応をするには……と、処分は解かれ、斉昭は海防参与となります。
斉昭も藤田東湖も「快なり』と大喜びで興奮。
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武蔵国では、若者たちも彼らなりに国の行く末を案じています。
すると、囚人であった高島秋帆が解放されて護送されてゆきます。
冤罪だったそうです。きっと幕政ではこんな理不尽な囚人がいたのでしょう。
そんな彼に栄一はおそれず声をかけます。
何か思うところはあったのか、お互い覚えていました。
このままでは国が終わると焦燥感を募らせる栄一と、それに応じる秋帆。秋帆は栄一のおかげで生き延びたそうです。
BGMがよい場面を盛り上げます。
栄一はかくして、国を守ることに目覚めたのでした。
人の役に立ちたい!
しかし、なんと藍が虫にやられてしまいます。
「こうなったら買ってくるしかない!」
「自分も行く!」
父にそう訴えても子供扱いされて悔しい栄一。
一方で、当てにされては困る人物もいます。慶喜です。
松平慶永が「将軍になって欲しい」と望まれているそうですが、父上の傀儡は嫌だとキッパリ。建議も破り捨ててしまいます。
こんなに聡明そうなのにどこか冷たい。そんな慶喜です。秀逸なキャラクター像ですね。
一方、人の役に立ちたい栄一は、母に頼んでやっと藍の買い出し許可を得ます。
すぐさま問題を見抜き、相場よりも高い金で買いつけ、さらに来年以降につなぐ。栄一の商才が光る場面。
伏線ですね。これには父も納得するのでした。
MVP:藍を作るみなさん
埼玉には藍というすばらしい産業があるとわかります。
郷土歴史館で産業ビデオを見ているようなシーンもありました。
総評
日曜の夜は、爽やかでいたい。
月曜日から辛い一週間が始まり、ましてやコロナ禍の時代です。
軽くて安心できる夜を過ごすには、どうするか?といった時代のニーズを見据えたドラマですね!
と、総評はさておき、以下、いささか本作に対して辛辣な言葉が続きます。
青天を衝けファンの皆様はおそれながら、ここでお引取りください。
本作に「なんか、違和感あるなんだよねー」と感じている方は、その正体を探ってみてください。
では。
どこか懐かしい展開 そう、これはRPGだ!
このドラマは、昔なつかしのRPGではないでしょうか。
あるいは、そういうものをモチーフとした転生もの漫画のようで、ノスタルジーに溢れています。
想定視聴者層の分析は後述するとして……まず、エキストラ。江戸の街をウロウロするエキストラは、やたらと笑顔で動き回っていて、RPGぽい。
そんな街での偶然の出会い。運命の出会いを道端で果たしても、RPGならば問題ない。
圧倒的な説明セリフ。
「江戸かー」
「ははー江戸だデェ」
「江戸かー」
こういうセリフも、RPGならばむしろあり。栄一はじめ、いちいち「あれが公方様の住む城だ」みたいなことを言いますが、これまたRPGだと思えばよいのです。
タップしているだけでナントカなる――そんなチョロさがたまらない!
そしてなんと言っても、栄一と慶喜【伝説の勇者】っぷりですよ。
秋帆は栄一を思えば生き延びることができる。
慶喜はもうみんなが期待している。
どんだけ非現実的なことが続くのか……とアタマを抱えそうになったらこう思えばいい。
「勇者の血統だと思えばアリだ!」
しかしレベルアップも雑と言いましょうか。
比べちゃいけないとはいえ前作『麒麟がくる』のように人物たちが熟考している感もないまま、いきなり「藍玉買い付けて商才発揮だぁ!」となります。途中を全部すっ飛ばしているのもなんだかRPGっぽい。
いや、RPGでもないか。学生時代に、成績優秀だった方が作っているドラマなんだろうと思います。
教科書をサッと覚えて、試験突破!
試行錯誤しないでも勉強ができちゃう――器用で、わきまえていて、コミュ障でもなく、陽キャな秀才が考えた「賢い人物像」ですね。
『麒麟がくる』に出てきた連中みたいな、コミュ障あるいは陰キャは世間で需要がないのかもしれません。
いくら漢籍を使っても、衣装に五行説を取り入れても、世間的にはほとんど反応もなかったようですし。
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論語読みの論語知らず?
そうかと思えば『青天を衝け』では『論語』も出てくるし、諸葛孔明も出てくる。流石です。
「論語読みの論語知らず」なんて意地悪なことを言ってはいけませんね。
『パリピ孔明』も話題の時代に諸葛孔明を出してくるなんて。
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役者の年齢はどうでもよい
高島秋帆の年齢なんてどうでもよい。
幕臣再評価をするドラマなのですから、若いイケメンにしても問題ない。
『麒麟がくる』の織田信長だってあんなに若かった!
いや、それ以前に30そこそこで【大政奉還】となるクライマックスを迎えた慶喜を演じる方の年齢は……だから、そういうことはどうでもよいのです!
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VFX、メイク、結髪が……
江戸の街は、セットとVFXを駆使しているとわかり……いや、VFXは「使っている!」とモロバレで見えると、よろしくないのですが……。
オープニングの船だけで予算オーバー気味なんてことがないように願っています。
メイク、結髪、衣装、小道具……何か安っぽいような。Illustratorで作った感が見えるような……。
いや、そんなことないですよね。だって大河ドラマですしね。
◆NHK大河ドラマ『花燃ゆ』に日本語学者がツッコミ「幕末の書物にパソコンの明朝体フォント?」(→link)
勝負は兵家の常
さて、『青天を衝け』は“大河ファンも納得の成功作”評価が固まりつつあるようです。
◆ モデルプレス - 吉沢亮主演、大河ドラマ「青天を衝け」初回総合視聴率26.3%で計測史上過去最高を記録(→link)
◆ 8年ぶり大台「青天を衝け」大河ファンも納得の演出(→link)
◆好スタート『青天を衝け』は「視聴率の鬼門・明治時代」を乗り切れるか、その目算(→link)
いや、その明治人視点が「神!」大河じゃなかったんでしたっけ?
まあ、その話はやめておきましょう。
意識高い人ならきっとわかるんでしょう。
私は物を言うわけでもないし、SDGsなんて難しいことわかりません。
「今回の武者は予想が外れたな」と指摘される方もおりましょう。
しかし私の見方は変わっておらず、その後に察知した不穏な点も取り上げてみましょう。
ニュースサイトやSNSから、ユーザーが褒めているポイントを分析しますと……。
子役がかわいい。
イケメン。
明るい。
そういった雰囲気を褒める声が多く、確固たる根拠は感じられません。
そこでふと湧いてきた、恐ろしい疑念がこれです。
根っからの大河ファン(2009、2011、2015、2018、2019の悪夢)も耐えた猛者が、鑑賞や感想を書くことをやめてしまったのでは? そういう感想サイトもあるようです。
感想のみならず、ニュースも見てみますと……。
信憑性は薄い話にせよ、この手の目玉キャスト待望論が、早くも序盤から出てくるのはどうなのでしょう?
そしてこの手の憶測は不吉でもあります。
◆のん(能年玲奈)、『いだてん』出演はあり得る!レプロが抱く“不信感”の理由(→link)
そして次。
◆大河『青天を衝け』の「ナレーション多すぎ問題」に、賛否が大噴出している…!(→link)
ナレーションのせいで集中できないのか?
そうではないでしょう。もっと本質に迫らないと。
要は、つまらないんですよ。
しかし、記事ではそうと言い切れないから、無意識のうちに外堀から埋めようとしている。
人は、面白い作品であれば夢中になります。とてもそんな熱量は感じられない。
全体的にノイズが多いことも一因なのでしょう。メリハリのないシャウトは、視聴者の集中力を削ぎます。
根本を考えてみましょう。
過剰でくどく感じるのは、本作の脚本演出、作りそのものがこなれていないことがある。
何よりこのドラマは【視聴者が歴史に興味がない】という前提を持っています。脚本家もプロデューサーも「歴史に興味がない」という旨のことを発言してしまっている。
「私がこの程度なんだし、見る側もきっとそうだろう……」
そんな意識をどうしたって感じます。それでも成功した『あさが来た』の体験があるからこそ、自信過剰に陥り、空転しているのかもしれない。
どれだけ実績のある人でも、過去の栄光を忘れて、がむしゃらに取り組んだほうが、良い作品ができると思いませんか?
そして思い出してほしいのは、大ベテランの池端俊策さんが手掛けた『麒麟がくる』でも、脚本家をチーム体制にしており、協力がクレジットされていたことです。
大河のような長丁場を脚本家一人で乗り切るのは無理がある。いっそチーム体制だと明かした方が痛くもない腹を探られることもない。
日本ドラマ界の慣習だか何だかわかりませんが、白々しい体制はもうやめるべき――以前から私はそう申してきました。
今年の脚本家は単独制のようです。
実際のところはわかりませんが、ともかくクレジットではそうなっている。
オーバーワークに陥って脚本が遅れているのではないか?
何か行き詰まっていないか?
そんな私の杞憂を一蹴しそうな、“隙のない”という評価もあります。
◆“隙のない”大河ドラマ『青天を衝け』 全方位を取り込み「近代史はヒットしない」の定説を覆せるか?(→link)
上記の記事では『麒麟がくる』の合戦シーンについて、次の通りに語っていました。
大河ドラマといえばその醍醐味は“合戦”だ。
※中略
(麒麟がくるでも)戦国時代ならではの、槍(やり)や刀、弓矢で落とし穴や投石、火の付いた米俵を転がしたりと、原始的な戦いが繰り広げられ「これぞ大河って感じ」と視聴者を熱狂させていた。
だがコロナ禍の影響もあったのだろうか。同作の合戦シーンを魅せる時間は一気に減少。
山場である、藤吉郎や徳川家康、光秀らが撤退時の最後尾で決死の覚悟で戦うシーンはわずか数分であり、がっかりする視聴者のコメントが多数。
「やはり密を回避するために戦シーンが描けないのだろうか」
「9000の兵のはずなのに実感がない」
とトーンダウンをしていた。
迫力があり盛り上がる戦シーンも、世の情勢との兼ね合いでつくっていくことになる。コロナが長引く以上、これは大河ドラマが抱える課題となりそうだ。
これは合戦の定義によると思います。
『麒麟がくる』は、むしろ『孫子』はじめ兵法のセオリー通りで見ていて気持ちが良いほど。
どのへんが?というと、心理戦と物資調達あっての勝利だと描いていたことです。
コロナのせいで合戦が減ったとは言い切れないでしょう。
世界的に見て、歴史作品は、派手な合戦よりも心理戦なり調達戦が重要視されます。心理戦と言っても根性論で勝利するものではありません。
本場の予算が潤沢にある中国ですら『三国志』もので【赤壁の戦い】を描かないのですから、時代の推移は明らかでしょう。
そういうトレンドに作り手が追いつこうとしても、見る側がついていけないという状況に不穏なものも感じます。
手放しで褒めるメディアは、おそらく海外の潮流をまるで追えてないなぁと思うのです。
他山の石を求めて
どれだけツマラン作品でも、私の考察だけでは危うい。
こういう時は「他山の石」を求めて、大河記事を定期的に掲載しているメディアを探しましょう。
やはりゲンダイさんですかね。
まず、バイアスを取り除いた上でご覧いただきたいのですが……。
ゲンダイさんは昨年、染谷将太さんの信長を叩いたものの、好評となると路線変更しました。
『八重の桜』は2010年代でも成功枠で、特に低迷していません。むしろ低迷幕末大河薩長同盟『花年ゆ』&『西郷どん』と共通点を探した方がよいでしょう。
『八重の桜』は国際エミー賞ノミネートを果たした成功枠ですし、綾瀬はるかさんはアクション路線へと演技の幅を広げました。
それを「はるかちゃんは癒し系じゃないとなあ……」なんておっしゃるのはゲンダイさんぐらいでは?
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そして叩く動機にせよ、若いイケメンなんて謳われたらそりゃ攻撃欲刺激されますもんね。
まず叩く前提があり、理由を探しています。ゆえに考慮の枠外としてよいでしょう。
と思ったら、これはどういうことなのか?
◆ NHK大河「青天を衝け」はヒット狙いの仕掛けがてんこ盛り(→link)
毎度毎度、登場する
「芸能誌記者」
「テレビ誌記者」
「NHK関係者」
「ドラマ通ライター」
「ビジネス誌編集デスク」
といった人物は【実際には取材していないこともある】と『ねほりんぱぽりん』で明かされていましたっけ。
同記事では、以下のように視聴率を見込んでいると指摘しています。
「渋沢が創業したり、経営に関与した企業は約500社もあって、現在のトップ企業のほとんどが何らかの関わりがあります。
『来週の大河にうちの会社が登場する』と言われたら、社員はみんな見るでしょう。
番組最後の『青天を衝け紀行』で、東京電力が渋沢栄一像を清掃している様子が流れましたが、東電グループは関連業界も入れれば、何十万人もの従業員、取引先がいます」
東京電力と言えば3.11からもうすぐ10年。
今なお続く廃炉作業を思えば複雑な心中になってしまいますが、ともかく『青天を衝け』は「コロナの時代に明るいドラマ」だそうです。
水戸天狗党をどう描くんですかね?
ゲンダイさんですら褒めるとは……ここはさらなる深みを求めたいところです。
『花燃ゆ』のリベンジなるか?
見えてきました……。
思えばこのドラマは、花どころか何か草が燃えた2015年のリベンジ枠であるのでしょう。
脚本家だって2015年朝ドラからの続投です。
◆大河ドラマ「青天を衝け」好スタートの背景に40代以上の女性視聴者(→link)
視聴者層分析もできてきました。
ゲンダイさんも、20代、30代、40代女性を狙っていると分析していましたね。
となると、こういう記事の狙い見えてくる。
◆ 「青天を衝け」大河名物!?吉沢亮のふんどし姿に反響 「大河恒例の裸」「大河のふんどしタイム」(→link)
吉沢亮(27)がふんどし姿になる場面があり、ネットでは「麒麟には無かった大河恒例の裸!」などといった声が上がった。
※中略
この姿にネットでは「いい体です」「これはサービスなのか?」「大河名物・主役の生ケツを見せるのが帰ってきた」「歩き読みはいけません」「今年も無事に大河のふんどしタイム」「幕末版、歩きスマホ」といった声が相次いだ。
こういうしょうもないサービスを回避した『麒麟がくる』は、本当に賢かった。
以下のように、無理にしょうもない記事を出すメディアもいますがが。
◆ 麒麟がくる:「まんぷく」“おいで砲”彷彿 ハセヒロ“早う入れ砲”炸裂に「破壊力さすが」「色気すごすぎ」(→link)
そのメディアは、こういう記事を出しまして。
◆ 青天を衝け:“渋沢栄一”吉沢亮が本格登場 半裸&ふんどし姿にファン興奮「そんなご褒美」「鼻血出そう」(→link)
記事の熱量も並々ならぬものがございます。
姉のなか(村川絵梨さん)に着物を脱がされ、半裸状態の栄一やふんどし姿で着物を洗う栄一が画面に映し出され、SNSでは
「吉沢亮の半裸だなんてそんなご褒美」
「お亮の腹筋見て死んだ。まさかあんな姿を見れるとは」
「吉沢亮の半裸&ふんどし姿。鼻血出そう」
「吉沢亮の尻が見れるのは青天を衝けだけ」
「吉沢亮のお尻なんてえっちすぎますぅ!!」
とファンの興奮を誘った。
ちなみにあの栄一の年齢設定は13歳です。
下着姿の13歳を見て、このような感想が記事になる。って、どれほど危険極まりないことか。
未成年への性的虐待ですね。
仮に栄一が少女で、こういう記事が出たらどう思われます?
海外ではまずないでしょう。あれほど「ポリコレ無視でやりたい放題だー!(※こういう見方はただの誤解の気もしますが)」とされている『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBOだってしません。
原作で13歳だったデナーリスの年齢を引き上げる等、配慮をしています。
「え、演じる吉沢亮さんは未成年じゃないし!」
さすがにそんな言い訳は通用しません。
状況的に未成年がやんちゃをして、それを親がケアして、そこを覗き見して興奮するという状況であることは確か。
なぜ日本のフィクションは、こういうラッキースケベだの、ムフフだの、しょうもないシチュエーションばかりを展開するのでしょうか。
嘆かわしい話で、性的同意概念が根付かない理由も理解できます。
それに吉沢亮さんの気持ちを考えると、いたたまれないものもあるのです。
「地獄のようにウザいよ。嫌になるし、疲れた。私はそれをキャラクターのためにやったの。私の乳首をチェックするような男たちのためにやったんじゃない。冗談じゃない」
◆ 『ゲーム・オブ・スローンズ』エミリア・クラーク、“ヌードシーン”に「ファ*ク・ユー」(→link)
吉沢さんはエミリア・クラークのようには言えない。
そこがつらいところで、そんなもんハラスメントですよ。
私は、被害者の性別を問わずに、こういうセクハラじみた描写は批判してきましたし、そういうことを面白がる記事にも嫌悪感を示してきました。
そのせいで随分といろいろ言われましたが、スタンスは変わりません。
こういうことをいつまで続けるのでしょうか?
◆ 『まんぷく』で拷問される長谷川博己に萌える女子続出「興奮してすみません…」(→link)
あ、そうそう。『麒麟がくる』には褌がないというニュースを見た気がするけれども、足利義昭の着替えの場面があったじゃないですか。
つまり『麒麟がくる』視聴者層は褌を見ても騒がないということでは?
今後『青天を衝け』が何をアピールしようとも、序盤に13歳児の褌姿で話題をかっさらおうとあざといことをしたことだけは忘れないでおきたい。
そういう志で作られているドラマということでしょう。
おかげでいろいろと見えてきました。
「栄一さんのセリフで『抱いていいか』って。何だこれは! と思いました。テレビ前のおなごたちが泡を吹いて倒れるのではないか。キュンキュンを100%詰め込んだセリフだと思いました。
千代が後ろから抱きしめられるシーンは、バックハグに憧れるおなごにとって“キュン死に度”が高いと思います」
◆橋本愛「泡を吹いて倒れるのではないか」NHK大河「青天を衝け」吉沢亮との夫婦愛を告白(→link)
2015年『花燃ゆ』も、こういう少女漫画か乙女ゲー(※しかもちょっと古いやつ)のノリを取り入れていた。
2018年『西郷どん』は相撲推し。男の尻でアピールでした。
受信料を使って、そんなしょうもない地獄絵巻は止めてくれ~。
全く意味がわかりませんが、何か呪術的な意味でもあるのかもしれません。
バックハグにあこがれるおなご……ってのも、令和のおなごは“性的同意”を重視するのが新しいと思いますよ。
なお、“キュン死”はもう死語に入りかけているそうです。
◆「性的同意」の定義とは? 同意年齢や性暴力について専門家が解説(→link)
先週、幕末史専門の研究者が辞退したのかなんて書いて、悪かったとは思います。
どんな考証がつこうとも、その意見をドラマ内に取り入れるかどうかが問題。
歴史の描き方ではなく、褌尻だの、キュン死狙いだのしていたら、悲惨な結果となるのは避けられないでしょう。
あるいはそういうノリがどこまで通じるのか、世間の流れを見極めるのもまた一興かもしれません。
ちなみに2015年との共通点を探しておきました。
◆『青天を衝け』、黒船ペリー役はモーリー・ロバートソン!ネット驚き「似合い過ぎ」(→link)
『花燃ゆ』といえば闇鍋キャスト。
演技のプロとはちょっと違う枠が話題をさらいました。
「大河に出ちゃった記念!」でしか人集まらなかったんですかね?
『麒麟がくる』の宣教師役にそういうウケ狙いキャストはありましたか?
本作はどうして家康があんな説明するのか、ナレーションが親切すぎるといった批判があるのも前述の通り。
これもどういうコンセプトであるか推察することは難しくありません。
“広告代理店のノリ“が根底にあると感じます。
広告代理店のノリでいこう
「典型的な視聴者は、50歳の専業主婦で高卒だと思え」
「偏差値40の人にも理解できるものじゃなきゃダメ。この会社にいる時点で普通ではないと自覚しろ。世間にはおそるべき量のおそるべきバカがいる。そしてそれが日本の『普通の人』だ」
こういうノリです。それは本作の魅力アピール記事からも推察できます。
◆ 好発進! 大河ドラマ『青天を衝け』の魅力とは? 8つの重要ポイントを解説 (1)(→link)
広告代理店のリゾート広告のようです。
「優雅なオープニング」
「緑と青、明るい自然が眼福」
「女性や子供の心も捉える演出」
「さわやかな朝を求めて」
そんなノリがどこまで通じるのか?
私としましては、イケメン大河の先はもうないと思います。
本作出演者の女性ファンの平均年齢はいくつでしょうか?
先にあげた記事の通り、40代女性が際立っている……しかも流動性が高い。メディアはぼかしていますが、そう若くないと推察できます。
本物の若い女性は、イケメン時代劇が見たければVODで韓流なり華流をみているはず。しかし、そういう読者層に読ませる記事でもないので、大して気にしていないのでしょう。
今後この手のキラキラ記事はいつまで続くのか?
数字が急落すれば、防御もできなくなってくるはず。
『孫子』曰く……
夫れ兵の形は水に象る。水の行は高きを避けて下きに趨く。
兵の形は水のようなものだ。水は高いところから低い方へ流れる。
これは人間心理ですな。
流れ次第であっさりと別の方向へ向かう。そういうもの。
聖火リレーランナー辞退が相次いでいますよね。ああいう事態を「流れが変わった状態」と言います。
『青天を衝け』は、今こそ数字的に好調な流れをしている。それがひっくり返るのではないか?と懸念する次第です。
歴史教育としてはむしろ有害というか、何かものすごい誤解をしている感想やネットニュースが出てきて、いろいろと焦燥感を覚えます。
このまま成功してよいものかどうか……。
◆2021年大河ドラマ『青天を衝け』青天どころか曇天、いや嵐か(→note)
◆『獅子の時代』が1980年、『青天を衝け』は2021年だという現実から逃げられない(→note)
◆歴史劇は心を攻むるを上と為す(→note)
ああ、そうだ。
幕末史の成功要因はダイヤモンド『危機と人類』(→amazon)をおすすめしておきます。
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だから徳川慶喜を将軍にしたらヤバい 父の暴走と共に過ごした幼少青年期
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【参考】
青天を衝け/公式サイト












