『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』/wikipediaより引用

西郷どん感想あらすじ

『西郷どん』感想あらすじ第17回「西郷入水」

ゴールデンウィークも終わってしまいました。
皆様、リフレッシュはされましたでしょうか。

申し訳ございませんが、今週も酷評となってしまいますことをご了承ください。

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亡霊・斉彬に止められた自殺、その翌週に入水って……

さて。先週の亡霊を、私は「蓑虫みたい」と書きましたが……。

◆西郷どん:斉彬が亡霊となって早くも再登場 マント姿に漂う“ジェダイ感”(→link

ナルホドー、ジェダイ感かぁ。
スチームパンクっぽい格好だったこともありますし、そういうコスプレを楽しむドラマかもしれませんね。

これは是非、亡霊としてレギュラー化してもらわないと。
いっそのこと、もう眼帯して、伝説のあの大河主人公コスプレなんてのも……。

それにしても、亡霊になってまで登場した斉彬に励まされ、自殺を思いとどまったのに、その次の回で入水ってどういうつもりなんですかね。

入水は史実ですから変更できません。
要は、そういうタイミングで、亡霊を入れてしまうのがいかんのですよね。

 


桜田門や寺田屋は描かれない?

さて今週は……。
絶叫しながら捕まる橋本左内に
【安政の大獄】
というテロップがどーんと入ります。

実際には西郷どんと月照は同じルートで薩摩入りしたのではないのですが、そういうことに。
ここでも愉快な郷中フレンズの有村俊斎がヘラヘラしているため、イマイチ緊張感に欠けてしまう印象です。

このノリで「寺田屋騒動(寺田屋事件)」なんかもやるんですかねぇ。

それにしても、本作は有村をどうしたんでしょう?
有村はこのあと「桜田門外の変」がらみで弟2名が死ぬという大変な目に遭います。

まぁ、そういうことを言い始めたら、有馬新七も大山格之助も寺田屋騒動で凄まじい場面になりますけどね。
多くの方が有馬の顔を忘れていると思うので、イラストでご確認いただけましたら……。

増田修一朗さん演じる有馬新七

 


西郷の家が真っ先に調べられるのでは

雨が降る中、薩摩にたどり着く西郷どんと月照

緊迫感を出したいがためでしょうか。
先週に引き続き、今日もやたらと大雨演出です。梅雨ならまだしも、後に冬の海と出てくるように季節感がどうにも合わない。

実家へ戻ってきた西郷。
と、ここで
「おはん、どこまで相撲を取りにいっとった?」
婆様の人違いコントが繰り出されます。

いやぁ、しょうもないなぁ……。
こうした積み重ねが、緊張感を失わせるのです。
婆様が老化しているとか、そういう話を家族としている場合じゃないですよね。

月照は西郷家で匿うことにしました。

って、なんでやねん!
幕府が目をつけるとしたら、一橋派の一人として活躍していた西郷どんの家が、まず最初でしょうに。
ノーガード戦法ですか?

 

斉興に無能扱いされる久光

一方で島津斉興とお由羅も薩摩に戻っていました。

島津斉興(鹿賀丈史さん)

唐突な展開に驚いていると、ここで遡ること三ヶ月前に場面が飛びます。

久光は、病床の兄のもとで斉彬の子である哲丸を支えると誓いました。
しかし斉彬は、久光の子・茂久(のちの島津忠義)を世継ぎにすると指名。久光がその後見人をつとめる(=国父)という体制になるわけです。

それにしてもここで出てくる久光、いつまでイノセントベイベーな造形なんですかね。
父の斉興には、兄の遺志を継ぐと申し出て、簡単に笑い飛ばされています。

江戸城では、篤姫が天璋院となりました。

家茂は、
「お義母様は僕が嫌いなの? 僕が将軍になるの嫌だったんでしょ?」
とかなんとか言い出します。

そんなしょうもないホームドラマみたいな話どうでもよいのです。

井伊直弼が隣で意地悪しているんですけど、赤鬼なのに描写がユルイのではありませんか?
悪役設定しているのですから「安政の大獄」でもっとビシバシやっている姿が必要な気がします。

 


緊張感が欠如している理由が浮かび上がる

幾島は
「薩摩に戻ったら」
と天璋院に提案します。

一橋派の工作に失敗したとしみじみと語ります。
が、又吉さん演じる13代将軍・徳川家定に少し話しかけただけ、という。

しかし天璋院は、薩摩には帰れない、残ると言い出します。
「私の御家は、徳川じゃ」

やっと天璋院らしい台詞が出てきました。
ただ、どうにも過去大河『篤姫』の下位互換という印象が拭えないわけで。

幾島は天璋院の汚名を背負って京都に戻る、と言い出します。
今までもすもすコント、春画コントしかやってなかった幾島と涙の別れと言われても、さほど胸には刺さってきません。

幾島のキャラクターが不安定なのです。

数回前に、「政治工作なんてめんどくさい!」と言っていたと思うんですけど、それがいきなりしおらしく「政治的に負けたなら身を退く」だの「私が罪を背負う」だの言い出していまして。

思いつきで喋ってませんか……?

そんな疑念が晴れないので【わっぜ悲しか場面用BGM】を流して、涙を流されたところで、やっぱりコチラには伝わってこない。

そもそもこれは誰のドラマですか?
天璋院の侍女が辞める程度のことに、何分、時間を割いているんでしょう。

というか天璋院の場面が必要とも思えません。
むしろやるべきは、西郷どんの【バディ】である橋本左内の運命では?

【安政の大獄】どどーん!!!
とテロップは出ましたが、肝心の中身がよくわかりません。

最低でも吉田松陰の処刑はやるべきですし、ここまで一橋派が描かれたならば、その処断もやるべきなのです。

天璋院だって、側近くに仕えていた村岡局(ドラマ未登場)が罪を問われているわけで、幾島としょうもない会話をしている場合じゃないんです。

本作の緊張感がナゼ欠落しているのか?
要するに、こういうところをおざなりにしているからではないでしょうか。

 

マルチタスク処理が全くできない

さて、主役の西郷どんです。

薩摩のツリーハウスで座禅。
仙人じゃあるまいし、余裕の塊に見えてしまいます。

「優しい」設定の西郷も、ここに来てどんどん「冷たい人」という印象が増してきました。

こういうときにも、橋本左内はじめ一橋派の身の上を案じる場面をチラッとでも入れるべきでは?

冷たいというより、マルチタスク処理ができないほど無能なのかもしれません。

月照というタスクで手一杯で、左内にリソースを割けないんですよ。
西郷どんの頭はファミコンレベルの8bitなのかな。

そこへ大久保正助がやってきて、斉興が実権を握ったと言われます。

このへんもう無茶苦茶で腰が砕けそうなんですけど。
理由は後述します。

 


久光と接近した意味がないじゃん

大久保は、妻の父のツテを頼って、山田為久に話をしたいと言い出します。

こういうときでもコネ頼みなんだ、という。
やっぱりトンチンカンですよね。

なんのために大久保が久光と接近する描写をしていたんでしょうか?
こういう時こそ、その前振りを使うべきでは?

結局コネでは大久保の能力も浮かばれません。

しかも大久保の山田への態度が、小馬鹿にしたようで最悪な印象です。
それでも何か、山田は頼まれてやったようですが。

久茂が今後の方針を話していると、斉興がこれからは幕府に恭順しろと宣言します。

でも、斉興の言うことがさほど悪いとは思えないんですよね。
この時点では、まあ現実的ではないですか。
ドラマの斉彬の描き方がなんだかわけわかりませんでしたし。

 

西郷にも「日向送り」って、どういうこと?

西郷どんは、大久保らと今後について語っています。
潜んでいるんだから、大声で激昂するのはやめて、自重したほうが良さそうで。

ここで、西郷どんと月照が【日向送り】になったと決まります。
って、ワケがわからないよ!

【日向送り】というのは、表向きは
「薩摩では処理できないので、日向に行ってください」
と名目的には退去処分にして、国境で殺してしまうという処分です。

この処理が発動するのは、基本的に藩外の人間が薩摩に来た時です。

そもそも薩摩藩士を【日向送り】にはしません。
切腹を命じればよいだけです。

西郷どんが、史実通りの性格なら、藩からそう言われたら腹を切ると思いますけどね。

月照がその処分になったのは、藩士ではないからです。

幕末の薩摩藩は、自藩士でない場合は護送と見せかけて殺害というパターンがよくありますが、自分のところの藩士にはそんなややこしいことをしません。切腹を命じれば事足ります。
※田中河内之介がこのパターン

薩摩藩士ならば、主君から死罪と言われたのに逃げるようなことはまずしないでしょう。

もう無茶苦茶だよ!

展開が脳に入らず滑ってしまいます。
何をどうしたらこんなわけのわからんことになるのだろう。時代考証の先生方は、どう判断されたのですかね……。

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