敗者に弁明の機会はなく、事実は伏せられ、都合の良いところばかりが大きく喧伝される――。
後に100万石オーバーの大大名になった前田家にとって、突かれると痛いのが【賤ヶ岳の戦い】でしょう。
柴田勝家vs豊臣秀吉で知られるこの一戦。当初はどちらも動けないほど膠着しておりました。
両軍が琵琶湖に沿って構築した砦群が強力であり、互いに攻め込めずにいたのです。
それを突破したのが【鬼玄蕃】として知られる佐久間盛政であり、一時は柴田方の有利になるかと思いきや、その後の混戦を制して勝利したのはご存知秀吉です。
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大事な場面で動いた利家。それは柴田方から見れば大いなる裏切りでしかない【戦線離脱】でした。
なぜ利家はそんな選択をしたのか……マンガ「日本史ブギウギ」第170話スタート!
逆調略
◆若い頃から織田信長の躍進を支えてきた二人。
前田家の娘(豪姫)を秀吉の養女に入れるなど、家ぐるみで親密な付き合いがありました。
北陸で勝家と共に働いていた利家にとって、柴田vs羽柴の争いが起きるなど悪夢でしかなかったでしょうね。
ともかく利家は秀吉につくことに決めます……。
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利家板挟み
◆利家の戦線離脱によって柴田軍は一気に崩壊。
柴田勝家の本陣も兵たちが逃げ出し、わずかな供を引き連れ妻・お市の方がいた北ノ庄城へ戻ったとされます。
その途中、利家と面会し「裏切ったことは気にしてない……」だなんて、いかにも男泣きさせる話が伝わっております。まぁ史実ではないんですけど……漫画ということで。
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三姉妹
◆信長を裏切り後に滅ぼされた浅井長政。
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その娘たち浅井三姉妹は、母・お市の方と共に二度目の落城です。
母お市は勝家と共に北ノ庄城で自害となりますが、娘たちは後に天下を動かします。
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男系は権力闘争によって滅びることも珍しくありませんが、基本的に女系の血は受け継がれていくことが多いものですよね。
三姉妹から秀忠へと繋がれたことは最終的に勝利かもしれません(徳川家光が実子かどうか疑問視される向きもありますが)
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