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【西郷さんのタマ】
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胴体だけの遺体に腫れた睾丸
奮闘むなしく西南戦争の敗北を避けられなくなった西郷。
その首は、別府晋介が介錯し、首は埋められました(後にきちんと埋葬されます参照)。
では、どうやって西郷の死を物理的に確認したのか?
と申しますと、胴体だけの遺体にある「睾丸の腫れ」から判断されたのです。
実際は「右肩の傷」や体型なども考慮されましたが、肥大化したタマの存在感も大きかったことでしょう。
明治天皇にも気に入られており、その後西郷は明治22年に名誉を回復しております。
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一方、彼のタマを煩わせたバンクロフト糸状虫は、昭和53年の感染を最後に日本からは撲滅されました。
大河ドラマ『西郷どん』で触れられませんでしたけどね。
まぁ、当たり前か。
北斎の絵にも登場しているだと!?
ここからは完全な蛇足で……。
12世紀に書かれた『異本病草紙』には、象皮病のように下肢が腫れた女性の絵と、陰嚢が腫れ上がった男が描かれています。
おそらくやフィラリア症でしょう。
更には、同病状を絵にした世界的画家もおりまして。
葛飾北斎です。
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文化9年(1812年)、北斎は三島で、膨らんだタマタマを見世物にしていた男の様子を絵にしております。
数十Kgはありそうな「おいなりさん」を布で吊り上げ、駕籠よろしく2人の男で担ぐ、なんともシュールなこの絵。
おそらくやバンクロフト糸状虫感染による陰嚢水腫でありましょう。
日本が誇る北斎が描写していたなんて、なんとも興味深い話ではないですか。
ぎょう虫検査がなくなった学校でも、こうした話を教えれば、生徒たちの知的好奇心も刺激されると思うんですけどね。
そうなったら「ぎょう虫ドリル」も売れるかも?なんてね。
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文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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