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【禁闕の変】
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すぐに討伐は実行され 三種の神器は?
天皇の証であり日本最高の秘宝を奪われ、朝廷や幕府が黙っているわけがありません。
すぐさま追討の命令が出され、管領・畠山持国の追討軍が出発すると、比叡山でも協力を申し出ました。
延暦寺にしても、犯人を匿うリスクを取る必要はありません。
かくして、この件は瞬時に解決へ――神器が盗まれて3日の内に、首謀者たちが捕まったり討死したのです。
事が事だけに処分が決まるのも早く、生き残った者のうち日野資親を含めた50人程度が事件から5日後の9月28日に処刑されました。
流罪になった人もいましたが、配流先へ送られる途中に殺された人もいます。よくある話ですね。
もちろん神器も帰ってきました。
天叢雲剣は、なぜか清水寺で見つかり、宮中に戻されています。
いっそのこと伊勢神宮か熱田神宮で見つかれば神の存在を確信できたかもしれませんね。“なぜか”の時点で空恐ろしいですけれども。
直接見ると祟られる
天叢雲剣には、本物と写し(レプリカ)があります。
本物は熱田神宮で安置され、「直接見ると祟られる」という恐ろしい伝説まであります。
なんでも江戸時代に外箱を交換しようとした際、刀身を盗み見た神官が急病で何人も亡くなったのだとか。
皇室に安置されていたのは写しの方であり、最初の写しは安徳天皇と共に瀬戸内海へ沈んで発見できなかったため、それ以降は伊勢神宮から献上された剣を代わりにしています。
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つまり禁闕の変のときに盗まれたのも、この伊勢神宮から来た剣だったわけです。
伊勢神宮の主祭神といえば、天照大神。
さらに神道の大祓詞の中に出てくる「瀬織津姫(せおりつひめ)」という神が天照大神の荒御魂(あらみたま=神の荒々しい面)とみなされることもあり、水神・祓い清めの神ともいわれています。
そして伊勢神宮出身の剣が見つかったのが”清水”寺という……。
瀬織津姫は神道にたびたび登場する「正体不明の神」の一柱ですし、ただの偶然といえばそれまでなのですが、なんだかちょっと肝が冷えますね。
ちなみに、現代の皇室に安置されているのも、この禁闕の変で帰ってきた方の剣です。
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八尺瓊勾玉は10年以上奪われたままだった
八尺瓊勾玉は禁闕の変から10年以上もの間、旧南朝方に奪われたままでした。
こちらは嘉吉の乱で没落した赤松氏の家臣たちが、お家再興を許してもらうため、必死で奪い返して宮中へ戻しています(長禄の変)。
実際、神器の一つを取り戻した功績は高く評価され、赤松氏は御家再興を許されました。
まぁ、浦上氏に追われて再び没落したり、豊臣秀吉にすくい上げてもらって大名に返り咲いたり、紆余曲折の末、最終的に嫡流は滅びてしまいました。
なお、分家の龍野赤松氏には、「天空の城」こと竹田城の最後の城主(赤松広秀・斎村政広)がいます。
こうした思わぬところで繋がるのも、歴史の面白いところですね。
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長月 七紀・記
【参考】
森茂暁『闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉 (角川ソフィア文庫)』(→amazon)
国史大辞典
世界大百科事典