べらぼう感想あらすじレビュー

背景は喜多川歌麿『ポッピンを吹く娘』/wikipediaより引用

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『べらぼう』感想あらすじレビュー第26回三人の女 つよ・てい・喜多川千代女とは?

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米よ、どうか降ってこい!

太田南畝と蔦重が、米価のからくりを見ながら江戸の街を歩いてゆきます。

あるとこにゃ米があるってわかんだね。

米を持っている連中の売り惜しみが値を釣り上げていると、南畝も見抜いています。

二人は賑わう店で足を止めます。

町触に従い、真面目に定価販売をする店でした。これだけ混雑するということは、大方の米屋は町触には従っていないと悟る二人。すると、途中で米が品切れになり、怒った客が怒鳴り散らし始めました。

もう無茶苦茶だと語る南畝。初登場のとき、何事もない太平の世を愛でていましたが、その世が崩れたとき、人は自分が暮らしていたあの日々がどれほど素晴らしかったのか、思い知らされるのです。

蔦重は、自分たちにも米価を下げるようなことはできないか?と言います。

米に困ってちゃ本なんて買ってもらえない。自分たちだって苦しくなる。

すると南畝が突然歩みを止め、叫び出しました。

搗(つ)く音に 無限の米を降らせよや

ここに三俵 かしこに五俵

蔦重が戸惑っていると、さらに叫びます。

「言霊よ、こい! 米、こ〜い!」

これに応じ、江戸の民衆も叫び出す。そこで蔦重は何か閃いたようです。

 


米の不作をふまえて狂歌集を出そう

ていが熱心に作品の系図を作っていると、歌麿がやってきて思わずこう言います。

「これ、系図というより目録ですね」

このセリフは、実際に小道具さんが作ったものを見て、考証さんから言われた言葉を元にしているとか。

スタッフのみなさんが試行錯誤し、一生懸命作っていることがわかってつくづくよい作品ですね。

ていとみの吉はこれにショックを受けます。歌麿は作者と絵師で並べるよりも、内容でつなげたらどうかと提案。

ハッとするていの前で、作者は印にすればいいと筆を持ち、歌麿が筆を入れ始めます。

「やはり、とびきりの才なんですね、絵師さんというのは」

そう納得するてい。

「こんなのよくある工夫ですよ」

あっさりと返答する歌麿。

するとここでドヤドヤと、南畝たちが入ってきました。

蔦重が歌麿に「仕事だ!」と告げ、新顔の狂歌師である宿屋飯盛が挨拶してきます。

仕事とは、なんでも正月に狂歌集を出すようで、歌麿が流石に間に合わないと懸念すると、蔦重はどうにか間に合わせると強気。

米の値を下げるための狂歌集のようです。

正月にめでてえ!と歌を詠んで世に出す寸法だと、南畝がまとめると、「言霊だ!」と歌麿も納得。

蔦重は、自分たちは米一粒作れねえこの世の役立たずだと理解しています。それでもできることはないかと、天に向かって言霊を投げつけることでした。

しかし、歌だけではめでたさに欠ける。てなわけで、絵もぶつけ、黄表紙仕立ての狂歌集にするのだとか。

こう言われると歌麿もやるしかないと、決意を固めるのでした。

みの吉はその思いつきに感心し、ていもこう言います。

「本当によくあんなこと思いつきますよね」

目を泳がせてしまうていです。

そのころ江戸城では、米価高騰への意見が幕閣に届く由々しき事態となっておりました。

紀州徳川家・徳川治貞が囲い米について問いただしに来たのです。要は、備蓄米を市中に流せ、ってことですね。

米の停滞について責め立てられる意次には「足軽あがり」というおなじみの嫌味もついてきます。

意次は必ずや米価を下げるとしか返しようがありません。

そんな父の姿をじっと見ている意知でした。

 


田沼意知まで蔦重を仰ぎ見るようになった

狂歌集の仕事に取り組んでいると、歌麿が絵を直すようにと蔦重に指示されます。

どうやら絵が悪いのではなく、歌の内容と合わず、修正させられる様子。

狂歌師の入銀だと説明され、歌の都合で絵を描き直しさせられるのが納得できないのか、歌麿が不満そうな様子を見せます。

とはいえ、蔦重がいなくなると、ちょっと嬉しそうな笑みを見せているのですが……。

そこへ花雲助こと田沼意次がやってきました。

つよがすかさず髪の色を褒めながら近寄ると、蔦重は慌てて母親を引っ込めます。

意知は一体何の用事なのか?

すると蔦重に対し、米価を下げるにはどうすべきかと相談してきました。

米価上昇は商人によるものだと見抜き、商人たちに米価を下げさせる秘策を聞いてくるのです。

蔦重は、黄表紙仕立ての歳旦狂歌集を見せます。

言霊で値を下げる狂歌集に意知も一首載せないか?とセールス。

よく思いつくなぁ……と意知が呆れていると、そうでもしないと生きてこられなかったと答えます。

地本問屋にも仲間があり、そこで認められないと市中で本を流せない。

意知は「仲間があるゆえ本を流せぬ」という言葉に反応し始め、蔦重がさらに「仲間なんてぶっ潰れりゃいい、そうすりゃ本を勝手に売れる」と続けると、ハッとします。

「恩に着るぞ蔦重! この礼はそのうち! おっ、ありがた山だ!」

笑みを浮かべながら去ってゆく意知。

ていがやってきて一礼すると、今の方は相当偉いお武家様だと戸惑っています。狂歌をしているとそういう繋がりもできると、蔦重はさらりと認めるのでした。

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