どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第2回「兎と狼」

こちらは3ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
『どうする家康』感想あらすじレビュー第2回「兎と狼」
をクリックお願いします。

 


どうする鎌倉殿頼り

ネット広告は、ユーザーの履歴行動から選び、画面に表示されます。

ゆえに今年であれば『どうする家康』のVOD宣伝が大きく出てくるはずですが、U-NEXTあたりは未だに『鎌倉殿の13人』が前面に押し出されてきた印象があります。

私の検索履歴からすれば、どうしたって今年は家康の方が多いのに、なぜか鎌倉がプッシュされる。

歴史雑誌でもまだ鎌倉時代関連の記事が出ていますし、流行り廃りの激しいネットメディアですらこんな調子です。

◆『鎌倉殿』の「公暁」が自分を「コウギョウ」と呼んだとき、深い深い感動に襲われた理由(→link

◆ NHK「どうする家康」鎌倉殿ネタ?源頼朝の名前に視聴者反応「勘弁してくれ」「ろくなことない」(→link

これは大河ドラマとしては異例のことです。

東京オリンピックが目前であっても、2020年には2019年大河ドラマ『いだてん』の話題は出ませんでした。

まだ1月とはいえ、VODにおける昨年と今年の大河需要が何やら妙な感じがします。

 


どうする関連番組

2018年下半期朝の連続テレビ小説は『まんぷく』でした。

日清食品が世界に誇るカップヌードルの開発秘話がベースになったドラマですが、この放映時、おかしなことが起きています。

そもそもチキンラーメンという食べ物は、主人公の夫が一から開発したものではなく、台湾の伝統食品を日本向けにパッケージ化して売る商品の特許を買い取っただけでした。

しかしドラマでは日清食品の言い分をそのままに主人公夫妻が開発したとして流したのです。

それを告発する記事がネットニュースだけでなく、週刊誌にも掲載されましたが、NHKの関連番組では訂正せずそのまま流していたのです。

ドラマの創作にあわせて史実を捻じ曲げることがあってよいものでしょうか。

『鎌倉殿の13人』と比較しますと、例えば源実朝北条泰時に恋をしている設定はあくまで劇中のみで完結し、関連番組では扱いません。それが当然かと思います。

それがどうにも今年はおかしい。

関連番組を見ていると、ドラマが用いている古い通説をそのまま補強するようなことを流しています。

大河ドラマにあわせ、関連番組まで同調させるとさすがに問題ありだと思います。

明後日1月18日に放送される歴史探偵では「北の関ヶ原」こと【慶長出羽合戦】が描かれますが、放送前の告知文に「徳川家康」の名前が出ても「最上義光」が出てこない状況って何なんですかね……。

◆歴史探偵 「北の関ヶ原 直江兼続伊達政宗」(→link

上杉家の名将・直江兼続と伊達政宗が激突した東北の関ヶ原。戦いのさなか、上杉と伊達が手を結び、徳川家康を攻撃する幻の計画が練られていた。愛の武将・直江兼続の戦い!

『どうする家康』に最上義光は出ないようですから、仕方ないってことでしょうか。

こうなるとスタッフも「もがみよしみつ」って呼んでいそうで悲しくなります。それともはなから知らないのか。

 


どうするアクションシーン

先週のレビューで私は「アクションシーンに現代的な動きが入っているため違和感がある」と記しました。

しかし、それが良いという視聴者もいるようです。

◆【どうする家康】「家康」松本潤、「今川氏真」溝端淳平との瀬名争いでSTFさく裂「プロレス技じゃん!」の声(→link

そういえば、信長役の岡田准一さんも格闘技に長けているためか、家康との相撲シーンにそんな動きが見られた気もします。

もう、いっそのことド派手にプロレス技を仕掛けていったらどうでしょう!

怪我だけはくれぐれもご注意を。

 

どうする敬老精神と教養

前回放送で、心が痛かったのがイッセー尾形さんでした。

老将の鳥居忠吉を演じていて、歯が抜けているため、何を言っているかわからない。

別にそれだけなら問題ありませんが、笑い者にされてしまうような様子がイジメのようで辛かったものです。

忠義の武将に対してあまりに失礼ではないでしょうか?

そう感じていたら、作り手は真逆のようで“ネット爆笑”を取れたことを誇るような記事があり、さらに心痛を感じてしまいました。

◆「どうする家康」イッセー尾形 無二の表現力と“入れ歯実験”ネット爆笑 鳥居忠吉“言語不明瞭”の舞台裏(→link

記事の中でこう答えられています。

「一体、歯がどのくらい抜けるとしゃべりにくくなるか、イッセーさんと一緒に何度か実験をしました(笑)」

「(笑)」ってなんだかなぁ……。

確かに「やい、じじい!」と若武者が老将に食って掛かるシーンは『鎌倉殿の13人』でもあり、三浦義村が高齢になったときにやり返されたのは小気味よいと思いましたが、本作の場合は違いますよね。

華流時代劇では、年長者への無礼な言動は、儒教の敬老精神に照らしあわせて最悪の愚行であるため、そんなシーンは出てきません。

仮にそんな場面があるとすれば、人格低劣な小悪党を描くときになります。

それが『どうする家康』では、何度も実験をしてまでも表現したい、ウケ狙いの小道具にされている。

これを軽薄と言わずして何というのか。

突如、思いついたように『論語』を唱えられても、作品としてどうにもチグハグなのはそのせいでしょう。

暗記で試験は乗り切るけど、本質的には聡明でない――そんな人を見ているような、嫌なリアリティだけはあるんですけどね。

※続きは【次のページへ】をclick!


次のページへ >



-どうする家康感想あらすじ

×