どうする家康感想あらすじレビュー

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第4回「清須でどうする!」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第4回「清須でどうする!」
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どうする「遊女」

「側室=遊び女」というセリフが出てきましたね。

母親がああいうことを言うことにも違和感があります。相手は殿であるわけですし、どうにも感覚がおかしい。

ここでの「遊女」というのは、近世的な発想です。

都市ができて、男が余る。女を定住させて、性を売り買いするビジネスが定着する。

性を売り買いする女はいたと思いますが、あの言い方はどうにも江戸期以降の「遊女」のような使い方に思えなくもない。

「遊女」とは金銭で不特定多数と性的関係を持つということでは?

『鎌倉殿の13人』で、源義経の死後庇護を失った静御前が「遊女」になったということならばわかる。

しかし、特定の相手である氏真だけを、金銭を仲介せずに相手にすることを「遊女」ですか?「妾」ならばわかりますが。

当時の今川はそういう状態だったのでしょうか?

ちなみに『麒麟がくる』の伊呂波太夫は、そういうサービスを売り買いしていることがそれとなくわかる設定でした。

定住しないで芸を売り歩く。といっても、そこは美女なのだから……そんな含意があるわけです。

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どうする「性的合意」

伊呂波太夫は、妻を亡くした松永久秀から、後妻にならないか?と誘われます。

彼女はそれをキッパリと断り、久秀は寂しそうでありながらも、そんな気の強い相手にますます惚れているような粋な場面でした。

戦国の梟雄代表格とされる松永久秀でも、同意がなければ性的なことはしない。

NHKはコンプライアンスを考えていると思えたものです。

◆必ず知っておきたい「性的同意」の話。紅茶におきかえた動画を見てみよう(→link

いくら戦国時代だろうが、劇中で性的合意のない行為を描いたら問題視されます。

梟雄・松永久秀だってきちんとできているぞ! そういう意味で、実に素晴らしい配慮でした。

「そんなのめんどくさいし〜、強引に迫る方がいいじゃん!」なんて感覚は滅びつつありますから。

たびたび言及している超過激なHBO制作ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』ですら、性的同意を取らずに強引に行為に及ぶ場面は、批判が殺到しています。

NHKはその辺をわかった上で放送したのでしょうか。

確かに氏真と瀬名は未遂とはいえ、性的合意のないまま行為に及ぼうとしていた。

私が心配しているのは、演じた役者さんのことです。あんな性犯罪加害未遂の場面をよりにもよって大河で流されてしまう。その心のケアが心配です。

インティマシー・コーディネーターなんてどうせいないんでしょう?

◆インティマシーコーディネーターとは? 性的シーンの撮影で俳優を“守る”役割。日本でも起用始まる(→link

 

どうするコンプライアンス違反

あの一連の場面で、本作は炎上にさらされるのではないか?

そんな私の心配をよそに、本作の作り手はノリノリだったようで、今回放送の見どころとして「側室にされそうな瀬名!」と宣伝していました。

これぞまさしくセクハラ感覚でしょうよ。しかも昭和おっさんの発想だ。

当時は「歴史は難しいから楽しむのは男だけだ! エロ全開でいくぜー!」という感覚で、戦国大名が側室とイチャイチャするだけの作品が実に多かったんですね。

居酒屋に貼ってあった水着美女ポスターの感覚ですよ。

美男美女だし、側室にするかどうかなんて、物語のエッセンスとして解釈してくれるかもしれないと思っているのでしょうか。

 

どうする手紙での脅迫

『鎌倉殿の13人』はかなりグロテスクな大河ドラマでした。

今年は、瀬名の目の前で女を斬り捨てたり、信長がいつでもパワハラ全開だったり、いきなり藤吉郎が蹴られたり……なかなかバイオレンス三昧のようで、実際には非現実的すぎて「ふーん」としらけてしまいます。

痛みとか、物理的な法則とか。そういうことを考えずに、インパクトだけを重視しているからなのでしょう。

今週ならば血文字の手紙がそうです。

血というのは意外と文字にして書きにくいですし、実用的でもありません。漫画チックにもほどがあります。

手紙で効果的な脅迫ならば、人体欠損でしょう。切った指や耳を入れればいいだけのことです。

指はヤクザ映画のようだと思うかもしれませんけれども、ああいう指詰めは歴史が長い。戦国時代ならば大いににありえます。江戸時代の遊女は作り物の指を贈ったという話もありますね。

幕末期にも、人体を欠損させて屋敷に放り込むは定番の手法でした。

そういう発想に至らないところが、日頃歴史とあまり親しんでいないようで悲しくなるのです。

人体がダメならばペットという手段もあります。

『麒麟がくる』では、斎藤道三土岐頼芸の飼っている鷹を殺し、脅迫しています。映画『ゴッドファーザー』では競走馬殺害で脅迫させた場面を連想させました。

グロテスクにするにしても、もっとリアリティや工夫がないと!

 

どうするポリアンナ

ポリアンナとは?

パレアナは“よかった探し”が大好きな少女。日本ではアニメ版から「ポリアンナ」という読み方が有名。

転じて些細な点でもよかったところをみつけ、現実逃避する心理状態をさす「ポリアンナ症候群」の由来となった。

そんなポリアンナを探してみましょう。

◆「どうする家康」馬のCGのひどさに馬術指導者も「少し残念」 「松潤が馬に乗れない」説はデマ(→link

この記事は叩きのようで、奥歯に物が挟まったような物言いです。

何か事情でもあるのですか? いつもは切れ味が鋭いはずなのに。

他にも大量にあります。

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特筆すべきは以下の記事ですかね。

主演の松潤さんが桶狭間の戦いの舞台を自ら自転車で移動していたという話ですが……。

◆『どうする家康』で描かれる「戦国→平和」の物語。「ここまでやるか松本潤!?」 この熱量がすごい! 【どうする家康 満喫リポート】「待ちきれない」編(→link

A:桶狭間合戦の場面では、大高城(愛知県名古屋市)から岡崎城に逃げるまでの行程を松本さんがマウンテンバイクに乗りながら、ずいぶん長い距離移動していました。

この場面を見て正直「ここまでやるか」とびっくりしました。

桶狭間の関連史跡は私たちも取材をしたことがありますが、さすがにこんな周り方はしていない。

確かに自転車に乗り慣れていないと、36キロはすごい距離に思えるのでしょう。

しかし実際は、慣れていれば2時間かからないでしょう。長距離を走る自転車イベントは、50キロ以上はないと「ロングライド」に分類されません。徒歩にせよ、10~11時間ぐらいで歩ける距離ですね。

『鎌倉殿の13人』では関連番組として『チャリダー!』があり、あちらの方が距離が長かったと思われます。三浦半島を走る「ミウライチ」コースはおよそ80キロで設定。

山本耕史さんは鍛え方が半端ない。しかも猪野学さんの出演が発表される豪華な回でしたね。

◆チャリダー 「“鎌倉殿の13人”スペシャル」(→link

そして何が驚きかって、叩きからポリアンナに転じるメディアです。

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叩き専門の日刊ゲンダイまでこんな調子ですから、もう本当にテキトーだな、と。

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◆NHK大河ドラマ「どうする家康」も好調! 歴史作家・加来耕三氏に聞く徳川家康の楽しみ方(→link

叩きと持ち上げの記事を交互に投下して、PVのテストでも行っているのかもしれません。

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