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『どうする家康』感想あらすじレビュー第17回「三方ヶ原合戦」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第17回「三方ヶ原合戦」
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どうする井伊直政

先週も今週も、SNSでは『おんな城主直虎』がトレンドにあがる始末。

井伊直政が気持ち悪い柄の着物で登場し、しょうもないヘアメークをして、女連れで浜松城下に登場しました。

しかもまた「私は怪しい女ですぅ」スマイルを浮かべた千代までセットで出てきている。

なぜ井伊直政をここまで改悪するのでしょう。

戦見物に女を連れてくるって、人としてどうかしている。巻き込まれたらどうするのか。

彼女たちも暇ですか? 武田軍がやってくるのに、直政の追っかけをできるほど当時の女性は暇なのですか? 女を出すためならどんなくだらないシチュエーションでも使いますよね。

そもそも、この井伊直政が「遠江の民が恨んでいる!」と叫んだのも、わけがわかりません。

『おんな城主直虎』で描かれましたが、井伊谷は今川の圧政に苦しんでいた。

直政の父・井伊直親は今川に殺され、幼い虎松は逃亡生活を強いられるなどの苦労を重ねたのです。

むしろ徳川の支配を歓迎してもおかしくない。

それなのにこのドラマは何なのでしょうか?

単に『おんな城主 直虎』の逆張りした結果なのでしょうか?

「フィクションだから史実に添う必要が無い」とはその通りなのでしょうが、ここまでありえない設定してよいのですかね。

 


どうする信玄の視力

家康が籠城する浜松城の前にやってきた武田軍。

信玄が説明セリフで「家康は臆病だけど賢いの♩」と、勝頼にツンデレ解説する意味は一体なんなのでしょう。

あんな遠い距離でも「見えるよね」とか言ってて、独りよがり感が凄まじい。

Zoom会議でもしているつもりなのかな?

ところが、家康にしても「信玄、かかってこい!」とか叫んでしまうからズッコケてしまいます。

「かかってこい!」って、いい歳した大人のセリフとして相応しいですか。

何度も言いますが、本作の人物は『信長の野望』からステータス全数値マイナス50相応なほどに幼稚です。

弛緩したセリフが連続するから、どうしてもそうなってしまうのでしょう。

いつもいつも俳優陣が気の毒で仕方ありません。

 


どうする決断

今回は「打って出るかどうする!」とやりたかったのでしょう。

しかし、表面的になぞっただけで何も響くところがありません。

将が決断を下すとなれば、込み入った要素があります。その分析も必要です。戦国作品の大きな見どころとも言えるでしょう。

それを気持ちだけで適当に判断する。

つくづく頭を抱えたくなります。なぜ歴史にも、兵法にも興味がない人に、大河を発注したのか。本人も引き受けたのか。

 

どうするBGM

メインテーマを流すのは定番の技巧です。

それこそ『らんまん』では東京に向かう万太郎と竹雄の場面で流れました。感動しました。

それをこのドラマは三方ヶ原出陣で流す。

悲壮感も何もない。遠足にでも行くかのようでした。

 


どうする乗馬

思えば失笑の嵐となったVFX乗馬。

◆NHK総局長 「どうする家康」のCG乗馬シーンに理解求める「今は過程」(→link

その改善に挑んだ結果がコレだ!

・乗馬シーンを避ける理由が危険性考慮という説がSNSで展開されていましたが、バッチリ乗れるようで安心です!

・実際に乗っている場面とVFX合成の混合ぶりが不味い

・乗馬飲酒する愚か者がいるせいで、緊張感もリアリティも台無し

・無駄に長い。時間稼ぎがアリバイのようで何が何やら……

・乗馬できない説を覆したとはいえ、主演同士を比較しても『鎌倉殿の13人』のあとでは辛いものがあります

◆ 松本潤〝馬に乗れない説〟を打ち消した!「浜松まつり」で見事な乗馬を披露(→link

 

どうする雑な『孫子』

武田信玄と言えば『孫子』。

思い出したかのように今回の合戦で唐突に出してきました。

勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。『孫子』「形篇」

勝てるものは勝利を確信してから戦い、負けるものは戦ったあとに勝利を求める。

孫子はキャッチーなフレーズが多い。

といっても、その部分だけを切り取って使うのはよろしくない。

「兵は詭道なり!」

(戦争は騙し合いだ!)

こんな風に叫びながら、背後から切り掛かるようなやり方がダメな典型例ですね。

孫子は、大前提としてキャッチーなフレーズで切り出し、その理由や中身を吟味するものです。

『麒麟がくる』では、斎藤道三明智光秀が「敵を知り己を知れば百戦危うからず」を引用しながら語りました。

このあと、織田信秀との戦いにおいて、斎藤道三は巧みな戦術で勝利をおさめます。これは斉藤勢が強いだけでなく、織田勢が弛緩していたとわかる合戦でした。

そんな勝利を収めても、斎藤道三は浮かれない。

相手は豊かな経済力がある。立て直してまた攻めて来たらたまらない。

そう戦略を練り、娘の帰蝶織田信長に嫁がせることとします。

斎藤道三は敵のことをよく把握しているからこそ、そうした戦略を立てることができる。

そういう中身のある描写でした。

それと比較すると、この信玄は家康に関して何かBLゲーみたいなことを呟くだけ。わけがわかりません……。

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