大河の放送を待っていると、松本潤さんがNHKをアピールする動画が流れました。
いつまでこの広告が使えるのか。
そんなことを気にしていたら、今週は薄気味悪い“ロゴ”から始まりました。鉄砲を悪ふざけに使うセンスに脱力してしまいます。
回想が大好きな本作は、亀と信康の幼い頃を振り返ります。
亀が虫を嫌い、信康が虫の命を大事にする――その様子が棒読みで語られますが、あまりに陳腐な表現ではありませんか。まさに大人が考えたテンプレのような子どもです。
そして現在の瀬名へ。
小袖のままでヘアメークも変えていないので、時間経過が全く見えてこない。同じ役者ならば、いかに加齢を見せるか?というのはドラマの見せ所でもありましょう。
そして今回もオープンテラスで、家族会議兼軍議が始まった。
棒読みとギャンギャン声を出す家康と信康。チンピラのような井伊万千代はなぜここにいるのか。
『おんな城主 直虎』で、井伊直虎を熱演した柴崎さんは、今でもゆかりの地に呼ばれます。
『どうする家康』の放送中、『おんな城主 直虎』がSNSトレンドにあがっていました。
◆柴咲コウさん 浜松の棚田で田植え 大河「直虎」ロケ地、「愛着湧く場所」(→link)
この先、2023年の大河ドラマが懐かしく思い出されることはあるのでしょうか?
先週は、再放送されている『麒麟がくる』もSNSトレンドにあがっていて、それだけ印象深いドラマだったことがわかります。
『どうする家康』については、引き合いに出されることはあっても、再評価など……あるとすれば大河が終わりへ向かうときだったりして? そんな事態だけは絶対に回避して欲しいと切に願っています。
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どうする演技プラン
本作は演技プランがあるのでしょうか?
役者さんの力量の問題ではなく、制作陣の怠慢さを感じてしまいますが、今回の冒頭も厳しいものでした。
瀬名も、亀も、同じような眉の顰め方をしています。
ワンパターンであり、演じる方々が脚本に入り込めていないようにも見えました。
『麒麟がくる』のときは、主演の長谷川博己さんが演技プランを練るため、脚本の池端俊策さんに「続きはどうなるのか?」と相談していたとか。
そういう奥行きが何も感じられない。
今年は、役者さんのインタビューを読んでいると、本当に不安が尽きません。
というのも、脚本を読む段階で演技プランをしていると語る方がいます。事前に関連書を読むとか、伝承を知るとか、そういう積極的なアプローチはない。
制作サイドがやたらと「新しい人物像だから!」とプッシュするので、役者側の勉強する気を削いでいるのではないか?とすら思えてしまいます。
どうするナレーション
いつか慣れるだろう……と思っていた素っ頓狂なナレーションが、いつまで経っても聞き苦しいです。
あの癖の強い喋り方は講談師のオマージュだそうで、だったら本職の神田伯山さんに任せればよかったのではありませんか?
やはりその道のプロは、人を引き込む技術があるのでしょう。正月時代劇『いちげき』は素晴らしいものでした。
幕末の熱気を庶民目線で描いた正月時代劇『いちげき』が痛快傑作だ!
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本作については、以下の記事で語られているように寄り添ってもいないし、優しくもない。
◆「語り」のヒントは、収録直前に出会ったあの講談師だった!? 「時に寄り添いながら、時にやさしく話しかけるように――」寺島しのぶ(→link)
講談師と慈愛溢れる母という像が一致せず、むしろ小馬鹿にしているようにすら聞こえてしまいます。
改めて問いたい。
なぜ本職の講談師ではなく、彼女に依頼したのか。
松平信康役を彼女の息子が演じたら話題となるからでは?
適材適所というよりも、諸般の事情も透けて見え、どうにも興が削がれてしまいます。
どうする策
信長がドヤ顔で「我が策を見せるwww」と采配を突き出すところは、厨二病全開で目を覆いたくなりました。
ショットグラスでジンのようなものでも飲んでいそうな姿は、
「ワイングラスでワインは古いっしょw イマドキの若者はこうでなくちゃwww」
とでも言いたいとか? 今は「ソバーキュリアス」(敢えて飲酒しない)が最先端ですけどね。
まぁ、酔っ払いたいんですよね。そこは理解できます。
出来が悪すぎて、酒でも飲まなきゃやってられねぇ!ってことかな。
策というのもは、思いつきでなく、きちんと練り込んで出しこそ。
自分だけでなく何万人もの命がかかっている立場なのですから、苦悩に苦悩を重ねて絞り出した決断を策として欲しいものです。
あらすじ:おじさん構文バージョン
やっほー!( ✌︎'ω')✌︎
今日は、徳川・織田連合軍が、長篠城の西・設楽原で、武田軍と対峙スルンダ!^_^
でも信長チャンは、馬防柵を、作るばかりで、動こうとしないンダ_:(´ཀ`」 ∠):
イライラしたm家康チャンは、わずかな手勢で、武田の背後から夜襲をかけるって!^ - ^ ドキドキしちゃうね♪( ´▽`)
怖いなら、おじさんが、癒してあげる( T_T)\(^-^ )
どうする“伏線回収”
伏線回収――ドラマ関連のネットニュースに出てくるだけで、嫌になるこのフレーズを使ってみました。
ここはひとつ、私が伏線を読んでみせましょう。
お市に子連れ上洛をさせる無茶苦茶な展開をして、家康に茶々(淀の方)を抱かせる。
未だに真田の“さ”の字もないから、大坂の陣の実質総大将は淀の方だ!
秀吉の意思を継いだ悪女路線か。それとも犠牲者か?
どのみち同じパターンでしょう。
映画『レジェンド&バタフライ』とこのドラマは、帰蝶と瀬名のキャラづけがほぼ一致します。そんな女性像をひっくり返した人物像に落ち着くことでしょう。
そして気になるのがキャスティングです。
もう6月であり、さすがに石田三成が発表されても良いころでしょう。
ついでに言えば、なぜ瀬名と信康はまだ生きているのか。家康の長い生涯を考えれば、信長が退場していたって不思議ではありません。
三成のキャスティングがまだ決まっていないなら、もうアニメかペッパー君で良いでしょう。私は平和主義者なので、このドラマに関わる犠牲者が増えるところは見たくありません。
先週の金曜日、前回の鳥居強右衛門役を褒めちぎるネットニュースが一気に出ました。
彼は本業が役者ではなく、シンガーソングライターです。そのため歌まで入れた。
演じる側にとってはNHKの看板番組で露出があって、美味い話なのかもしれません。作品自体がいかなる内容であろうと、NHKが提灯を持ってくれるなら芸能人にとって損はない。
同様のことは『花燃ゆ』でもありましたが、本業が役者でない人をゲスト扱いで出すことでテコ入れしようとするんですね。
大河は腐っても鯛。出たら自慢になる。そういう記念と自己アピールによるキャストが増えるわけです。
当然ながら、ドラマの出来は落ちます。
しかしビジネスモデルとしては成立する。
ですので三成やその他のキャラについても、知名度を上げたい若手か、お遊び感覚か、そんな単発ゲストが続くと予測します。
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