どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第28回「本能寺の変」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第28回「本能寺の変」
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どうする回想で穴埋め

スカスカなドラマの特徴として「回想シーンが多い」ことが挙げられます。

本作はまさにそう。

マザーセナの自害とそれに慌てる神の君を流す意味はありますか?

いや、ありますよ! 聖女の死により、信仰を高めねばなりません! 信康? あれはまだカルマ値が高くない!

徳川家臣団がそういう教えを奉じるカルト集団に見えてしまいます。

本多忠勝は、なぜあんな目を見開いて、クワッとして、信長を討つとか言うのだろう。

まるで洗脳されているような目つきでおそろしい。役者の目力の強さがアダとなってしまい、非常に残念です。

井伊直政も、お小遣いとお菓子がもらえるから伝道活動についてくる子どもみたいに見えるし……。

 

どうする「焼け木杭」

ドラマに“偶然”は必要でしょう。現実だってそうした積み重ねと言えるかもしれない。

しかし、それにしたって限度があり、堺でお市の方に出くわしますか?

確かに「家康が堺に来ていると聞いたから」とお市の方に説明させていましたが、あんな風に街中で本多忠勝がわざとらしい二度見をするとは、まるでコントのような動きです。

しかも、あれだけしつこくマザーセナ妄想を描いておきながら、お市とあった瞬間に

「焼け木杭(ぼっくい)に火がつくかも」

とか家臣が言い出すって何事でしょう。

切り替えが早すぎるし、そもそも二人は「焼け木杭」というほどの間柄でしたか?

言い方が昭和レトロにもほどがあり、往年のスポーツ紙かよ!とツッコミたくなる。

今時の若者は確実に知らないでしょうから、敢えて説明させていただきますと「焼け木杭に火がつく」とは昔恋愛関係にあった両者が出会い、復縁する様を言います。

家康とお市はそもそも燃えていないでしょうよ。幼少期の初恋程度では「焼け木杭」とは言わない。

もっと湿っぽいムフフな状態にまで到達した二人だからこそ、消えたと思っていた火が再燃するわけで、こんなスポーツ新聞のエロ面みたいな言い回しが、とにかく聞いていられません。

きっと、あれだ。頭の中ではシュミーズを着用したエロ人妻像が残っているんだろうな。キャミソールではそそられないレトロさ。

朝ドラ『らんまん』では明治の流行語である「イチャコラ」を使っていて効果的でしたが、こちらは単に古臭いだけ。むしろよろめき人妻シュミーズを連想して気分が悪くなるだけでした。

それと、本作お得意のイチャイチャ場面も、家康はぬぼーっとしているようにしか見えませんでした。

お市がなんとなくいい感じの演技をしているのに、家康は何か別のことを考えていそうなほど虚な目に見える。

焼け木杭というよりも、バーベキュー場で投げ捨てられた炭程度と言いましょうか。

それが狙いだったんですかね。

わざとらしく義務感漂わせながら二人を覗いている家臣団も愚かすぎて見ちゃいられない。

 

どうするぼっち信長

信長のわけのわからないトラウマ思い出シーンは、一体なんなのでしょう。

悪趣味な真っ赤な服。

わざとらしい信秀。

何もかもがしんどくなってくる。

そもそも織田家の間取りがわかりません。あの天井から光が差し込む秘密基地はなんなのでしょう?

要するに、岡田准一さんと藤岡弘、さんが顔を近づけ、アクションをすればいいという発想の元に描かれたのでしょうね。

「友達を一人だけ持っていい」と語る信秀に、意味を見出そうとしてはいけません。戦国時代にそんな約束があってたまるか。

そんな、ぼっち信長にする理由は、家康とだけズッ友にしたいからだとしたら、どんだけくだらない描写だったんだ。

 

どうする史上最低の本能寺

いや、しかし、本能寺の変がまさかこれほど酷くなるとは想像できましたか?

・信長の寝室が使い回しセット

・甲冑を着た相手に刀で斬りかかる信長。日本刀は固いものにぶつかると容易に折れます。手にしている武器ライトセーバーじゃないんですよ

・信長の動きが江戸時代以降の殺陣

・あんなに傷を負っても槍を豪快に振り回す信長。リアリティがない

・さらに、リアリティのない吐血

・信長に顔を近づけられた相手が嫌そうな顔をしている。わざとらしいこのモブは松本潤さんが演じていた! で、だから何? 幻をみるほど家康に殺されたかったわけですか。だから何?

・「家康〜家康〜」と叫ぶ信長。『江』でヒロインの幻に語りかけていた信長以来の酷さ

・ペンキをぶちまけたような血糊

・どこかやる気がなく、ヘロヘロしているモブのみなさん

・鎧武者をまとめて串刺し

アクションシーンも酷いのに、家康が地蔵のような顔をして悩む場面が挟まるから、もう何が何やらわかりません。

声を潜めると、全く聞き取れないのはどうしたものか。

しかも目の前にはマザーセナの木彫り兎がある(※現在の価格換算で推定一体500万円・慈愛の国教団にとって重要な収入源です)。

この場面で、ボケーっと突っ立っている家臣団をどうにかしてください。ちゃんと所作指導をしてください。

ピアノのピロピロ音を背景に、あの木彫り兎を映されると本当に混乱してきて……気が遠くなりそう。

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ともかく大河史上最低の本能寺は達成できたと思います。

おめでとう……と言っていいですかね。

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