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鷹匠に相談する家康 この方の正体は?
浜松では、未だ虎松の処遇を決めかねている家康が。
鷹匠のノブにそのことを相談してみると、ノブは虎松の智恵に感心ました。
小童にしてやられてなんだかなあと愚痴る家康に、ノブはやり返したらどうかと言います。
「黙れ、小童!」
と言う展開にはならないとは思いますが、果たして。
ちなみにこの頭の良い鷹匠は、本多正信の世を忍ぶ姿だとか。
そしていよいよ、虎松と亥之助が家康と対面を果たしました。
「そなたは、井伊の遺児であるそうじゃの。そしてそれなるは、小野の遺児」
常慶があわてて「松下の子と松下の縁者」と訂正します。
しかし、家康は「心のうちでは井伊として仕えたいのだと思うのだが」と続けるのでした。
直政を取られた松下家はショックで源太郎もぶっ倒れ
「実は心の奥底ではずっと、井伊の家名を立てることを夢みておりました」
あきらめかけていた夢がかなうなんて、と感動する虎松(演技かもしれませんが)。
常慶は焦って翻意を促すのですが、家康の決意は固いようです。
ここで康政が「まずは鷹狩りをしましょう」と割って入り、ひとまず話は終わります。
虎松は万千代、亥之助は万福と名乗るようにと家康は言います。家康の幼名・竹千代からとった大変光栄な名です。
やったぜ、大成功!
虎松、いや改め万千代、遂にやりとげました。
常慶は兄の源太郎にこの顛末を伝えます。
源太郎は呆然として、そのまま倒れてしまいました。可哀相過ぎるやろ。
松下家のことも知らず、万千代は広々とした小姓用の部屋に浮かれます。
万千代は家康の態度にちょっとひっかかりつつも、畳の上でゴロゴロしています。
旅館でくつろぐ修学旅行生みたいですね。
小姓だったハズが、蓋を開けてみれば草履番に
翌朝、錚々たる徳川家臣団に紹介される万千代。
井伊直親の遺児と名乗ったため、家臣団はざわつきますが、堂々たる態度に感心しています。
あの本多忠勝も喜んでいます。
そこで榊原康政が重々しい声で、万千代と万福に「これからは草履番だ」と告げられます。
そんな話は聞いていないと困惑する万千代。
「松下の家の子ならば小姓にするけど、今川に仕えて滅びた井伊家の子なら、草履版スタートだよ」
家臣たちががニヤニヤする中、忠勝はなんだか複雑そうな顔で、康政は冷静です。
そう迫られ、内心はともかくポーカーフェイスで耐える万千代。
一度受けたことを翻すなどできないと決意を固めます。
「井伊万千代、かくなる上は、日の本一の草履番をめざす覚悟にございます!!」
そう宣言するのでした。
「やられた……あの腐れ子狸がああああ!」
草履版は部屋も制服も汚く粗末なものでした。
あまりに粗末な制服を見て、鬼の形相になる万千代。
「やられた……あの腐れ子狸がああああ!」
そこへ万福がおさえんで悪口を止めようとしますが、万千代は止まらず「ぶっ殺して寝首かいて血をすすってやる!」と無茶苦茶なことを叫びます。
あ、これは「あの女ぶっ殺してやる!」って懐剣を振り回していた(第8回)母・しのの血だ。
『おんな城主 直虎』感想レビュー第8回「赤ちゃんはまだか」 側室問題とがっぷり四つに組む
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後に「人斬り」と呼ばれる井伊直政の執念深さが出ています。
「寝首をかくならまず寝所ですね!」
万福がそう言うと、ならばまずは草履番スタートで小姓になって寝所にいってやる、と気持ちを切り替えます。
草履番ならば名札がいるな、と言い出す万千代。主従は名札を作り始めます。
こうしてのちの徳川四天王・井伊直政の出世道が始まったのです。それにしても万福の忠臣ぶりよ。
この知らせに、おとわとしのは驚くのでした。
MVP:井伊虎松改め万千代
いやあ、これはもう、菅田さんは本当に頑張りました。
万千代の中にある、各人の要素を演技に反映させるわけですから。
幼年期虎松の健気さ、チャラい直親スマイル、政次のじとっとした暗さ、おとわのしつこさ、しのの殺気。
何もかもが納得させられます。
「井伊の赤鬼」顔もすごいですね。
顔芸を頑張っています。あれだけのイケメンなのに、躊躇なく壊していくのが素晴らしい。
15才らしい若さや未熟さ、かわいらしさも出ていました。
小姓の部屋が大きくて喜んでだらーっと寝転ぶところなんか、こういう中学生いるよなあと微笑ましくなりました。
次点は亥之助です。
こちらも有無を言わせぬ主君抑制は伯父の政次、さわやかさは玄蕃、優しく見守る視線はなつと、これまた様々な要素を詰め込んだ癒やし系です。
今まで苦労してきたんでしょうね。
慈愛に満ちた目線にほっとさせられます。
総評
この新章からは視点が直政にうつり、おとわは脇役になるようです。これはよいことだと思います。
何が何でも主人公を目立たせようとして、今回をまるごと「虎松のために衣服を縫うおとわたち」なんてことにしたら面白くないでしょう。
そんなわけで、虎松改め万千代青春の嵐編、いいと思いますよ!
ここ数回は、生き方に迷うヒロインの姿がしっとりと描かれました。
そこへドカンとぶちこまれた、この、万千代。ありとあらゆる意味で期待を裏切ってきました。
こういう人物はよいところどりでもっとキラキラした王子様系だと思うのですが、彼の中ではむしろ個性が増幅されてぶつかりあい、すごいことになっています。
徳川陣営にしても、もっと理想の職場でもよいはずが、いきなりきついパンチを浴びせてきます。
もっとアッサリ&スクスク育つのかと思ったら、ものすごい速さで変化球を投げ込まれた気分です。
だがそれがいい。
なんでしょう、この振り回されたあとの心地よさは。すっきりとした爽快感があります。
これまた昨年とよい意味で対称的かもしれません。
真田信繁が放り込まれた豊臣家の世界は、今年の徳川家よりも洗練されて都会的であったものの、どこか微かな腐臭が漂うような、陰性の不吉さがありました。
今年はむしろからっとしていて陰湿さはなさそうです。
井伊直政は言うまでもなく徳川四天王で最年少、しかもかなり若いわけです。
この若く生意気な小童がどうやって頭角を現すかと想像するだけでも、今からワクワクしてきます!
セルフパロディタイトルの来週も楽しみにしています!
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【参考】
おんな城主直虎感想あらすじ
NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』公式サイト(→link)