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【青天を衝け第2回感想あらすじ】
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レジェンドが出ることは吉なのか?
過去大河出演者の話が出てくる。それ自体は何ら悪くありません。昨年前半は、大河主演経験者の本木雅弘さんが引っ張っていました。
ただ……。
◆ 大河ドラマの「ポロリ事件」 竹中直人が明かす秀吉のふんどし秘話(→link)
今年の場合は、どうにも癖が残っていると言いましょうか。
ワイルドすぎて、幕末の大名というよりも別の何かに見えてしまいます。
レジェンド級大河主演を出して、成功しなかった例もあります。
薩摩式ロシアンルーレットをやらかした、2018年『西郷どん』の島津斉彬です。どうしたものやら……。
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聖人は微を見て以って萌を知り、端を見て以って末を知る
『麒麟がくる』では、光秀が朝倉義景の城下町を見ただけで「これはダメだな」と見抜きました。
そういう手は他ならぬ大河ドラマそのものに対しても通用します。
【アブダクション】という呼び方ができ、本作についても、何かがおかしい。
2週目になり、明らかにおかしいことが増えている。
所作や指導。車を引く動作、剣術の動き、和服の所作。老若男女、どうにも雑です。重心が低くなっていなかったり、煩わしい動きをしていたり。役者ではなく指導がおかしいと思います。
一番酷い箇所は、防具もつけずに木剣で殴り合う剣術稽古。死にますよ! イケメンの顔を見せたい気持ちはわかりますが、ウケ狙い以外考えていないとわかってしまってつらい。
夜間のライティング、そしてカメラワーク。
時代ものの照明は夜間を見るべし!
これは大河の弱点だとは思っていた。
海外の時代劇ですと、陰影が濃い照明の当て方をする。ろうそくで照らす灯りを再現することに重点を置いています。
メイクや衣装も、暗い照明前提で映えるものを考える。テレビの性能が上がったぶん、むしろ暗くすることが主流となりつつあります。
暗すぎて何をしているかわからんぞ! そうぼやきたくなることもあるほどです。
それが大河はペカペカしていて、安っぽいことが多い。見やすさ重視だとは思うのですが、それも作品や場面次第でしょう。
『麒麟がくる』ではもっと明度が低かったと思い、公式サイトの麒麟Fileを見直してみました。
やはり暗い……そして美しい。
じゃあ今年は?
カメラワークも単調でのっぺらとしていて、やっぱり何かがおかしい。
神聖なるものを無造作に扱うこと
本作で獅子舞をこんなにクローズアップする意味もわかりません。
『八重の桜』の場合は彼岸獅子入場の伏線になりましたが、本作ではどう繋がっていくのでしょうか。
それよりも気になったのは
・神聖なるものへの敬意がない
ところでした。
神事の道具を子どもがホイホイ持ち出せる時点でおかしい。神秘性というのはもっと厳重に管理しなくちゃいけない。権威が下がる。
宗教や信仰への理解も根本的におかしいとしかいいようがありません。
それこそコレだ。
「ガキの使いやあらへんで!」
やっていることが破壊的か、そうでないかの違いはありますが、こんなものは『麒麟がくる』で仏像をぶち壊していた信長みたいなものにも思えます。
廃仏毀釈の伏線だったらナイス!ですね。
そして半端なミュージカル演出も……。
ディズニーを目指している気持ちはわかった。
そういう演出面でなく『アナと雪の女王』シリーズや『モアナと伝説の海』レベルの考証を期待してはいけませんか?
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