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【青天を衝け第12回感想あらすじレビュー】
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華流ドラマに学ぶ【吹き替え】の効能
GW明けの5/7に佐藤信弥先生の新著『戦乱中国の英雄たち-三国志、『キングダム』、宮廷美女の中国時代劇』(→amazon)が発売されます。
何かと話題の『三国志 Secret of Three Kingdoms』も扱うとか。
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いいから大河の話をしろ――それはそうですが、ちょっと華流に学びたい知恵がありまして。
華流ドラマでは当然のように吹き替えが使われます。
これには当然事情があります。
香港出身者は広東語で大陸は普通語。発音が異なりますので、出演者が多いときにはいっそのこと「吹き替えをつけちゃえ!」となったと。
結果、宦官役が去勢された男性特有の声にできたりして、なかなか興味深い。
このシステムを『青天を衝け』でも適用したらどうでしょう?
いくらなんでも本作は発声がキツすぎる。聞いているだけで気分がちょっと不安定になってしまう。いっそ音声を消して字幕で見ようかと思うほどです。
筆頭に上げて申し訳ありませんが、まずは美賀君の京都ことば。せめて関西出身の方にできなかったのかと胸が痛みます。
時代劇経験が浅いうえに、関東出身で京ことばを使う。手一杯だと伝わってきて心苦しい。
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栄一も辛い。まだ幼い娘を抱いて、かなり近い位置で大声で喋る。娘の安眠や安静を無視していて、どこまで酷い父なのかと困惑するばかりだ。
大声を出さないと聞き取ってもらえないと不安ならば、やはり吹き替えは機能するのではないでしょうか。
千代もですね。
今日は頑張って『論語』を出してきました。
過ちて改めざる是を過ちという。
昨年の長谷川博己さんは理解して読んでいるとわかったのですが、今年は中学生が漢文の授業で読んでみた感がすごい。
古典を理解せず、ただ読んでいるだけ。そう伝わって辛いものがあります。
テスト前の一夜漬け感ですね。やはり吹き替えが必要だ……。
そして、一番辛かったのが彼です。
長七郎の説明セリフ!
熱くこれみよがしに泣かれても、あまりに発声が無茶苦茶で頭に入ってこない。
幕末の状況を精一杯説明しますけど、こんな場面でこそ必要となるのが家康ではないでしょうか?
「家康が説明するから、このドラマは説明セリフが少なくできているんだって! すごい発明だね!」
そんな意見を見かけたこともありますが、えぇと……何かの間違いですよね。すでに家康のことを持て余し始めた感が滲み出ています。
本作は「攘夷の狂気」が描かれているとかなんとか言います。長七郎の血走った目と説明セリフなどもそうなるんですかね。
しかし、やたらとウオウオ叫んで泣いたりするイコール狂気じゃないでしょ。
結果、取りやめになった【横濱焼き討ち計画】ですが、なぜ、こんなしょうもない計画失敗に尺を割くのか?
こんな雑テロ計画、なんの学びもなく、役にも立たない。渋沢栄一の良さを見せるなら、さっさと明治へ入るべきでは?
これはもう役者のキャリアや演技力ではカバーしきれないと思えます。
円四郎の江戸弁。わざとらしく、鼻にモゴモゴかかっている。説明セリフ満載のうえに発声がこれだから、全く頭に入ってこない。
妻もハキハキしたわざとらしい喋り方で、円四郎夫婦は一体何なのか?と疑念が募るほどです。
人間の声って大事ですね。
英語圏だとベネディクト・カンバーバッチ、そして「ミルクチョコレート・ヴォイス」や「ベルベット・ヴォイス」と評されたアラン・リックマンが有名です。
『麒麟がくる』の十兵衛光秀は、発声が抜群に綺麗だったとふと思い出してしまったり……そう、それはまるで美濃名物・栗きんとんヴォイスでした。そりゃ信長も夢中になるわ。
8ビットRPGのような出会い方
「昔の暮らし」などの展示にファミコンがあると、ドキッしちゃったりしませんか?
ファミコンは古くなったのか。そうかそうか……と、思ったら、本作ではそうでもない。
なんなんでしょう。円四郎と栄一&喜作コンビの出会い方は。
まるでファミコン時代、8ビットRPGのようでした。
そして大した説明もなく謎な演出のまま面接試験へ。照明効果、演出、脚本まで、RPGイベントムービーのようです。
驚きの安っぽさ。RPGはRPGでも、KOTY作品だ。KOTYの意味は各自お調べください。
「俺の家 に パーティメンバー として参加しねえか?」
「俺たちは 田舎に パーティメンバー が いるんだ」
「一橋家 に 戻るぞ」
「なんと! 一橋家 だったのか!」
説明セリフだらけだわ。ぎこちない動きだわ。ちょっとこのRPG、ライターやスタッフのギャラをケチりすぎてません?
しかし8ビットRPGリスペクトだと思えば納得です。
まぁ、誰が喜ぶんだ?という疑問は残りますけどね。
青だらけな衣装
本作は藍色の衣装が多い。
血洗島名産だからにしても、それ以外も青が多い。
新選組が浅葱色の羽織だったことは有名です。
しかしあまりにダサい色であるため、隊士、特にアパレル店員出身でファッションリーダーの土方歳三は絶望したそうです。
着ようとしない隊士も多かったとか。
結果、かなり早い段階から、隠密にも有利な「黒」が定番になりました。浅葱羽織も一応廃止ではないので、長く着る隊士もいたそうですけどね。
そんなわけで浅葱羽織はフィクションでは定番です。本作も着ています。黒に切り替えたのは、2021年の『燃えよ剣』あたりからですね。
話がズレましたが、要するに栄一と喜作はダサいってことです。
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