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【イグノーベル賞を取った日本人】
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皮肉を込めて水爆の開発者にも送られている
イグノーベル平和賞については欧米圏特有のどぎついブラックジョークで選ばれている節が強く、日本人にとっては「それ言うか?」な感じのものもあります。
例えば水爆を開発したエドワード・テラーなど。
日本人の場合、画期的な商品やサービスを開発したことで与えられている事が多いですね。
バウリンガルやカラオケの開発者に送られています。
問題を平和的に解決したことによる受賞としては、2003年にとあるインドの方が作った「死人の会」というものがあります。
インドではお金持ちの間で「法律上の死」という詐欺がたびたび起こっているらしく、それに対する問題解決のために作られたものです。
インド人の発想は加害者も被害者もぶっ飛んでますね。
ダメ映画に送られるのはゴールデンラズベリー賞
イグノーベル賞と似たベクトルの賞としては、ゴールデンラズベリー賞も有名ですね。
イグノーベル賞が人によっては名誉に感じる(かもしれない)のとは対称的に、こちらは「最低の映画」を決めるという、受賞者にとっては確実に不名誉な賞です。
アカデミー賞の前日にひっそり(?)表彰されています。
英語で「ラズベリー」がブーイングの声を意味することから、こういう名前になったのだそうで。
「ゴールデン」は、おそらくアカデミー賞のトロフィー(オスカー像)が金色であることから、それをもじっているのでしょうね。
こちらを受賞した有名作品では、ブッシュ大統領をコテンパンにする目的で撮られた「華氏911」ですかね。
当時のアメリカ政府を批判する内容だったので、むしろこの賞の受賞は名誉とすら映っていそうです。
ちなみに、受賞したのはマイケル・ムーア監督ではなく、ブッシュ大統領やラムズフェルド国防長官たちでした。監督だったら喜んで受け取りに来たでしょう。
ゴールデンラズベリー賞は、一風変わった伝説が生まれる場でもあります。
ポール・バーホーベンというオランダの映画監督は「蝶からさなぎになった気分だ」というなかなか洒落のきいたコメントを残しました。退化して喜ぶとはなかなかの被虐趣味ですね。
アカデミー賞とゴールデンラズベリー賞を両方取ったスゴイ女優もいます。しかも二人。
一人はハル・ベリーという人で、アカデミー賞のほうが数年前だったためか、ゴールデンラズベリー賞を受賞した際に「自分の記者会見のパロディを演じてみせる」という離れ業を披露しました。
彼女いわく「子供の頃、母に”胸を張って負けられない者は、勝者にもなれない”と言われたから」だそうです。めちゃめちゃカッコエエですね。
もう一人はサンドラ・ブロックで、史上初めてアカデミー賞とゴールデンラズベリー賞の二つを同じ年に受賞しました。
歴史はドコでどう動くかわかりません。
イグノーベル賞が世界を変えるかもしれませんぞ。
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長月 七紀・記
【参考】
Improbable Research(公式サイト)
受賞者リスト(公式サイト)
イグノーベル賞/Wikipedia
イグノーベル賞日本人受賞者の一覧/Wikipedia
ゴールデンラズベリー賞/Wikipedia