ある時は己の生命を預ける武器への愛着を込めて、またある時は伝説から誰ともなく名づけられ――。
小説やマンガなどフィクションの世界でも特別な刀剣には様々な願いの込められたカッコいい名前が付けられていますよね。
さしずめ近年の白眉ではマンガ『BLEACH』に登場する、本当の名前を呼ぶことで能力を解放する刀の数々でしょうか。
ここでは刀の作者の名前で表す、いわゆるブランドとしての「銘(めい)」と、前述のように意図的に、あるいは自然発生的に付けられた通り名としての「号(ごう)」とをふまえ、あまりにもカッコよすぎる刀のネーミングをご紹介したいと思います。
なお、すべてが実在する(あるいは過去に実在した)刀ですので、とくとごろうぜよ!
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其の一 獅子王(ししおう)
初っ端はコレしかない!と思うほどインパクトのある名前のこの刀。
鵺退治で有名な「源頼政」の愛刀として知られています。
あまりにカッコよすぎて思わず「卍解!」と叫んでしまいそう。
この刀で鵺に止めを刺していたらたぶん「鵺斬り」とかになったんだろうなあ。
獅子王でよかった!
其の二 小烏丸(こがらすまる)
平氏一門に代々伝えられた宝剣「小烏丸」。
桓武天皇の時代に伊勢神宮より遣わされた大烏の羽にしまわれていたという伝説をもっています。
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日本刀の造りながら、刀身の上半部は諸刃の「剣」になっているという「鋒両刃造り」の珍しい刀剣です。
これは歴史的に朝敵征討に赴く将軍に対して天皇が授けるということから、旧軍時代の「元帥刀」は小烏丸と同じ造りになっていたそうです。
其の三 布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)
神話上の初代天皇である「神武天皇」がヤマトの地を目指す途中、熊野の山中で土着の神の毒気に当てられてしまい、彼の軍勢は眠りこけて前に進むことができなくなりました。
そこで助太刀のために天上界から遣わされたのが神剣・「布都御魂剣」です。
この剣の霊力によって蘇生した神武一行はやがて無事にヤマトの地へとたどり着きます。
奈良県天理市の「石上神宮(いそのかみじんぐう)」ではこの剣を御神体として祀っているといわれ、武神を祀る茨城県の「鹿島神宮」には「二代目・布都御魂剣」とされる3m近い直刀が国宝として伝わっています。
神として祀られたふつのみたまのつるぎに擬して鹿島の大神の佩力(はいとう)として鍛えられたのが当宮に伝わる直刀であります。
奈良時代に鍛造(たんぞう)されたと推定される直刀のとっての長さは271センチの長大なものであり、鍛錬(たんれん)の完成度、高い技術力には驚嘆させられます。(鹿島神宮HPより)
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