細川晴元

細川晴元像/wikipediaより引用

細川家

信長の前の天下人・細川晴元はなぜ長慶に敗れたか 50年の生涯まとめ

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晴元政権は崩壊し、再興を果たすことはできなかった

長慶の反発に対し、晴元は徹底抗戦の構えを見せます。

ところが、長慶が反旗を翻した大義名分「池田家を横暴から守る!」という姿勢に共感したのか。

これまで氏綱方ではなかった武将たちまでもが長慶と共に寝返るという有様。加えて、軍事力という点でも長慶とその兄弟衆は強大でした。

天文18年(1549年)に勃発した【江口の戦い】によって政長および晴元の側近らが多数討ち死にし、晴元政権は事実上の崩壊へ追い込まれます。

晴元が義晴・義輝親子らと近江に逃れると、一方の長慶は氏綱を奉じて上洛して周辺勢力を完全に支配下へと収め、ここに三好長慶の時代が到来するのです。

晴元は将軍親子とともに再興の機会をうかがいました。

しかし、すでに権威の失墜した晴元に勢いは戻ってきません。

天文21年(1552年)、六角氏の家督を継いだ六角義賢が将軍家と長慶の和睦をあっせんしたことにより、足利義輝は京都へ戻り、細川晴元は息子である聡明丸を長慶に差しだすことで講和へと至るのです。

そして「もはやこれまで」と出家し、若狭へと落ち延びていきました。

ところが、です。
出家によって「もう抵抗はしません!」という姿勢をとりながら、依然として再上洛を諦められない晴元。丹波に潜伏して隙を見ては政権の転覆を狙い、そのたびに長慶によって撃退されます。

永禄元年(1558年)には、足利義輝・六角義賢と手を組み、大規模な反抗を試みます。

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結果、【白川口の戦い】が起き、晴元の属する義輝軍は敗北。義輝と長慶らで和睦案がまとめられ、晴元は反撃の糸口を失ってしまうのです。さすがに完敗と言ってもよいでしょう。

最後まで反撃を諦めなかった晴元は、永禄4年(1561年)に「摂津富田の普門寺へ入る」「富田庄を与える」という条件で長慶と和睦を結びます。

そして、この地で余生を過ごし、永禄6年(1563年)に50歳で波乱の生涯を終えました。

 

評価の分かれる晴元という人物

なんとも波乱に満ち満ちた晴元の生涯。

没落の末に阿波で生まれ、苦戦しながらも自身の時代を築き、そして長慶に政権を奪われる――成功も失敗も多々あり、同時代の人々にとっても、その評価は分かれます。

例えば、越前朝倉氏の有力者・朝倉宗滴は、晴元を「国持の不器用、人使ひ下手の手本」と酷評していたと伝わります。

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本当に宗滴がこう思っていたかは分かりませんが、確かに「人使ひ下手」な側面がないとはいえません。

特に、三好元長・長慶親子の処遇については、我々からすると随分「ヒドイなあ」と感じます。

過程はともかく、晴元が没落したことは事実であり、低評価を下されたとしても仕方のない側面があることは否定できません。

しかし、彼の父である細川澄元が三好之長を重用するあまり身を滅ぼしているように、衝突と同盟を繰り返す戦国時代において、付かず離れず距離のバランスをとることがいかに難しいことか。

その観点から考えれば、仏教徒や畿内の勢力とたくみに同盟・離反しながら第一線で権力を持ち続けた晴元の手腕は、むしろ「人使ひ上手」と評することもできるのではないでしょうか。

彼の息子である細川昭元は「京兆家の嫡流」として織田信長に保護され、その子孫は代々陸奥国三春藩で要職を務めたと伝わります。

「血を残す」ことが至上命題であった武家の習わしを考えれば、晴元も単なる敗者ではありませんでした。

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文:とーじん

【参考文献】
『国史大辞典』
歴史群像編集部『戦国時代人物事典(学研パブリッシング)』(→amazon
今谷明『戦国三好一族(新人物往来社)』(→amazon
天野忠幸『三好長慶(ミネルヴァ書房)』(→amazon
今谷明/天野忠幸『三好長慶:室町幕府に代わる中央政権を目指した織田信長の先駆者(宮帯出版社)』(→amazon

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