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【細川政元】
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空を飛ぶ魔法を身につけたいので女人禁制!
上司である将軍をすげ替え、寺を焼く――。
変な言い方ですが、ここまでなら普通の悪人です。
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政元が興味深いのはここから。
実は彼には子供がおらず養子を迎えているのですが、その理由が凄まじい。
『修験道にはまっていて、空を飛ぶ魔法を身につけたいので、オイラは女人禁制だい!』
ん?
んんっ?
…………えっ?
30歳まで童貞だと魔法使いになれる――世の中にはそんな笑い話もありますが、実践してる人が室町時代にもいた。
史料上では40歳という年齢になっております。
↓
『京管領細川右京大夫政元ハ 四十歳ノ比マデ女人禁制ニテ 魔法 飯綱ノ法 アタコ(愛宕)ノ法ヲ行ヒ サナカラ出家ノ如ク山伏ノ如シ』
しかし、庶民ならまだしも、それが管領なんだから困ってしまうってもんで。
最期は暗殺されて……
政元は、怪しい修行を行ったり、突然、諸国放浪の旅に出たり。
配下の者たちも相当に困っていたようで、結局は暗殺されて終わります。
暗殺の理由は養子問題のこじれでした。
これがまた自業自得と言いましょうか。
九条家(藤原氏・摂関家から分派した一族)から跡継ぎを条件に養子をもらったものの、なぜか気が変わって細川一門から別の養子を迎えて跡継ぎにしてしまったのです。
そして、九条家の養子は嫡廃。
当然ながら両派の抗争が激化してしまい、何をトチ狂ったか更に他からも養子をもらい事態は大混乱になったのです。
ついにぶち切れた九条家派の家臣が魔法修行の準備で入浴中の政元を襲い、暗殺した――というのが定説ですね。
なんだか源頼家を思い出してしまいますな。
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どうせなら空を飛んで逃げればよかったのに……ということで今回は★3つ!
悪人度 ★★★☆☆
権力(影響力)★★★★☆
変人度 ★★★★★
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文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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◆拙著『戦後国診察室2』を皆様、何卒よろしくお願いします!
【参考】
国史大辞典
日本史史料研究会/平野明夫『室室町幕府全将軍・管領列伝 (星海社新書)』(→link)
渡部裕明の奇人礼讃(→link)
細川政元/wikipedia
永正の錯乱/wikipedia