本多忠勝や立花宗茂は、あくまで【最強武将】であって乱暴ではないイメージだし、若き日の前田利家が茶坊主をぶった斬った!ってのも、まぁ、事情があっての話だし。
かな~り危険な一面のある細川忠興は、どちらかというと妻への異常愛で、乱暴者ではないですよね。むしろお坊ちゃん。
では、答えは?
ズバリ、森長可さんではないでしょうか。
水野勝成というチョイスも捨てきれませんが、今回の日本史ワル査定では、戦場で絶対に会いたくない鬼武蔵こと森長可サンとさせていただきます!
織田信長に寵愛されたという森蘭丸の兄貴であり、大河ドラマ『どうする家康』では城田優さんが演じられましたね。
天正12年(1584年)4月9日はその命日。
本記事で、森長可の生涯を振り返ってみたいと思います。
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信長さんから「長」の字貰った鬼武蔵
森長可は永禄元年(1558年)、織田家家臣・森可成の次男として生まれました。
※以下は森可成の生涯まとめ記事となります
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13歳の時に父と兄(可隆)が戦死。
家督を継いで織田信長に仕えております。
名前の「長」の字は信長サンから貰ったもので、いわゆるエラい人から部下などへ一文字プレゼントする偏諱(へんき)授与ってやつですね。
長可は槍の名手として知られ、初陣の翌年となる【第三次長島一向一揆攻め】では27人を討つなど凄まじい武功を挙げています。
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そして付いたあだ名が「鬼武蔵」。
更にはヤバいのは愛用の槍です。
なんせ【人間無骨】という凄まじい銘が掘られているんですから恐ろしい。
どんな意味か?
「人間なんて骨が無いようにズバズバ殺れちゃうぜ!」ですからね。
クラゲじゃないんだから(´・ω・`)
もちろん合戦で敵を倒すのは武士のシゴトでもあり、それを現代の我々が咎めることはできません。
ただ、長可にはいささか残酷な一面がありまして。
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注意した関所の役人をたたっ斬る
例えば【甲州征伐】のときのこと。
武田勝頼を攻め滅ぼすために出向いた中で森長可は高遠城攻めに加わります。
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このとき三の丸の屋根に登り、板を剥がしてそこから一斉射撃をするという凄まじい攻撃を繰り出します。
武田の屈強な城兵も、上から撃たれてはひとたまりもありません。
かように好戦的な性質でありますから、気が逸るあまりの軍規違反も度々。
しかし、弟の森蘭丸と共に信長さんのお気に入りですから、文書でたしなめられる程度で済んでおります。
そんなこんなで私生活でも暴れん坊は治らない。
関所の役人が「馬を降りて家名を名乗って下さい」と言えば「急いでるんだ!信長さまの前ならともかくこんなことで俺に馬を降ろとかあり得ない」と殺害、さらに門を開けないと街を焼くと脅しちゃったりしてます。
危なすぎるでしょ……。
でも、これを聞いた信長さん、激怒するどころか笑って許すんだから、武家ってマジわからん。さらに……。
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