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【青木昆陽『蕃藷考』】
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庶民向けにした「甘藷之記」という書物も刊行
昆陽はその後『蕃薯考』を庶民向けにした『甘藷之記』という書物も刊行。
庶民の間でも「甘藷(かんしょ)先生」と親しまれていきました。
甘藷もサツマイモの別名です。
栽培実験を行った場所の一つ、千葉県幕張には彼を祀った昆陽神社という神社もあるのだとか。
「元フリーター(仮)の神様」って考えるとスゴイですね。
昆陽は千葉の方には行っていないみたいですが、彼がさつまいも栽培のきっかけになったことは間違いないですし。
飢饉対策で栽培が広まったため「さつまいもは痩せた土地でも育ちやすく、初心者でも比較的栽培しやすい」という点が強調されますが、同時に栄養価も優れています。
現代人に不足しがちなビタミンC・食物繊維を多く含むので、いろいろと助かる食べ物です。
ビタミンCは加熱すると破壊されてしまいますが、さつまいもやじゃがいもの場合はデンプンが守ってくれるので、加熱しても摂取できるんですね。すげぇ。
江戸時代にさつまいもをよく食べていた人は肌が綺麗でお通じも具合もよく、風邪をひきにくかったかもしれません。
甘藷先生に感謝しながら味わいたい
お年寄りの中には「戦時中にまずい品種をイヤというほど食わされたから、もう見たくない」という方もいらっしゃるようです。
しかし栄養価に優れていたからこそ、推奨されたんですよね。
確かに、保存性やたんぱく質が含まれているかどうか、調理方法の幅の広さという点まで加味すると、やはり大多数の日本人にとってはお米が一番ではあります。
しかし、サツマイモもオーブントースターでじっくり焼くと、いい感じに甘くてホックホクの感触を味わえます。
寒さが本格化するこれからの季節は、甘藷先生に感謝しながら安納芋でも味わいたいですなぁ。
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長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
朝日新聞社『朝日 日本歴史人物事典』(→amazon)
先人の歩みに思い馳せる/郷土史研究会 宮古毎日新聞
青木昆陽/wikipedia