たばこ歴史

絵・馬渕まり

食・暮らし

今も昔も不良のアイテム 戦国時代に始まったタバコの歴史を振り返る

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癌リスクが1.5倍に上昇 寿命は10年縮む

20世紀に入り、煙草が工場で安価に大量生産されるようになると喫煙人口は爆発的に増加。

それと共に様々な健康被害が指摘されるようになります。

1900年には喫煙による肺ガンの増加が指摘され、税金などの利権が色々絡むためなのか、紆余曲折を経ながら1960年代になってようやく、

「喫煙は、特に肺癌や心臓血管疾患に関して健康を脅かす」

という意見が主流となりました。

現在では、肺癌をはじめとする様々な癌のリスク上昇、動脈硬化による心血管疾患、肺機能の衰えによるCOPDの原因になるなど、多くの病気との関連が証明されています。

ざっくりですが煙草を吸う人は癌のリスクが1.5倍になり、寿命が10年縮みます。

10年というのは、テレビCMでもやっておりましたよね。

20世紀になると大量生産で急増の喫煙者/photo by d'n'c@flicker

20世紀になると大量生産で急増の喫煙者/photo by d'n'c@flicker

 


政宗さんは規則正しく薬として吸っていたが

さて話がガラッと変わります。

伊達政宗の死因をご存知でしょうか?

食欲不振や嚥下(えんげ・食物を飲み込む)時のつっかえ感にはじまり、約2年で腹水が出現したことから、『食道癌とそれに伴う癌性腹膜炎』ではないかと考えられています。

実は政宗はかなりの健康マニアで、医者も顔負けの知識があったと言われております。

そのため、当時は薬ともされていた煙草を【起床後・昼・睡眠前】規則正しく3回吸っていたご様子。

これって健康に良かれと思ってやったことがまさしく裏目に出ちゃったのでは!?

ただ、当時としてはかなりご長寿な68歳まで生きておられましたので、政宗さんには煙草の健康被害はあまり関係なかったのかもしれませんね。

というか、薬として服用されてるっていうのが、なんとも…。

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保険診療の『禁煙外来』がオススメです

喫煙は、ストレス解消などを考えれば、確かに良い一面もあります。

しかし、病気のリスクや経済負担を考慮するなら、できれば禁煙したほうがよいでしょう。

現在は条件を満たせば保険診療となる『禁煙外来』もありますので、自力でやめられない方は受診すればよいですし。

余談ですが「呼吸器専門医」は非喫煙者でなければ取れないという制約があります。

この点に関していえば「医者の不養生」ということは許されないんですね。

ちなみに私は「糖尿病専門医」です。

今のところ「お菓子を食べ過ぎる人は糖尿病専門医になれない」規約は無いのでダイジョブダイジョブ~♪


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文&イラスト・馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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戦国診察室表紙

【参考】
JT(→link
タバコ/wikipedia
喫煙/wikipedia
すぐ禁煙/ファイザー
国立がん研究センター(→link
ニコチン/wikipedia
ニコチン依存症/wikipedia
一般社団法人日本呼吸器学会(→link

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