和食の歴史

江戸時代の天ぷら屋台『近世職人尽絵巻』/wikipediaより引用

食・暮らし

紫式部は鰯好きを隠し 戦国武将は包丁を握った~和食の歴史を振り返ろう

こちらは3ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
和食の歴史
をクリックお願いします。

 


関東のうどんは真っ黒やわ~

例えば醤油は、関東は濃い口、関西は薄口で別れますね。

「関東のうどんは真っ黒けの汁やわ~!」

そんな関西人にはおなじみの話は、江戸時代以降の違いというわけです。

江戸料理、京料理だけでなく、この頃になると日本各地で様々な郷土料理が生まれました。

雑煮の歴史
お雑煮の歴史で納得!全国へ拡散したのは江戸幕府のアノ制度が影響か

続きを見る

現在も異なるお雑煮の味付けや餅の違い等も、江戸期に生まれたものです。

こうした郷土料理の差は、現在の都道府県ではなく、江戸時代の藩単位で異なることがほとんどです。

山梨県の郷土料理・ほうとう

各地で伝統野菜も栽培されるようになりました。伝統野菜はその地域の土壌や気候に根ざした品種です。

こうした伝統野菜は生産量が限られていたり、病害に弱かったりする欠点がありました。

大量生産大量消費の1970年代以降急速に廃れてゆきますが、現在では各地で見直す動きが出ています。

 


そもそも地域差が特徴の日本料理

江戸時代にほぼ、現在の形に完成された日本料理

明治時代以降は、洋食の伝播とともに、和製洋食という新たな時代を迎えます。

コロッケとんかつオムライス~明治時代に始まった「和製洋食」の歴史

続きを見る

現在の日本料理は海外でも割と普通に食べられるようになりました。

海を越えて、現地の人に愛されるかたちに変貌を遂げる料理もあるようです。

アメリカで定着したSUSHIカリフォルニアロール

そういったアレンジ日本料理に反発する声もあるようですが、そもそも日本料理には地域差のあるのがデフォルトです。

「あんな真っ黒い汁はウドンちゃうやろ」

そんなことを言っていたりするわけで。地域に根ざして変わるのも、また日本料理です。

世界という舞台で、どんなアレンジが行われるか。楽しみにするのも一興ではないでしょうか。


あわせて読みたい関連記事

遣唐使
命を懸けてまで渡海していた「遣唐使」は何が目的でなぜ廃止されたのか?

続きを見る

日本の狩猟文化
日本の狩猟文化が衰退したのは税金のため?奈良時代の法律で食肉が消える

続きを見る

紫式部
紫式部は道長とどんな関係を築いていた?日記から見る素顔と生涯とは

続きを見る

コメントはFacebookへ

織田信長
織田信長の天下統一はやはりケタ違い!生誕から本能寺までの生涯49年を振り返る

続きを見る

徳川家康
徳川家康はなぜ天下人になれたのか?人質時代から荒波に揉まれた生涯75年

続きを見る

信長御膳
信長が安土城で家康に振る舞った豪華な食事の中身とは?現代に蘇る信長御膳

続きを見る

文:小檜山青
※著者の関連noteはこちらから!(→link

【参考文献】
熊倉功夫『日本料理の歴史 (歴史文化ライブラリー)』(→amazon

TOPページへ


 



-食・暮らし

×