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【『光る君へ』感想あらすじレビュー第28回「一帝二后」】
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姫は賢子と名付けられる
宣孝が久々にまひろのもとを訪れます。
笑顔で姫に語りかける宣孝。まひろと姫にお土産もたくさん買ってきたとか。
姫を抱く宣孝は、乳飲み子の扱いに慣れています。
「かわいくてずっと見ておれる」
そう満面の笑みを浮かべながら、まひろが機嫌のいい時の顔に似ていると付け加える。
そんな宣孝にまひろが命名を頼むと、すでに決めていました。
賢い子と書いて「かたこ」。まひろの子ならば賢いことに間違いないと断言します。
これにはまひろも納得。こうして姫は賢子となりました。
宣孝はさっそく、道長のもとへ挨拶に向かいます。
同時に馬を二疋献上しているところが宣孝の如才のないところでして、道長は馬が好きなのです。
そして馬の献上に礼を言う道長に対し、宣孝は「子が生まれた」とうれしそうに語ります。なんでも初めての女子なのだとか。
道長はどこまで気付いているのでしょう。
まひろの子の実父である道長に対し、名目上の父である宣孝は「育てるから引き立ててね!」という笑みを浮かべています。生々しいなぁ。
しかし道長はますます疲労が蓄積しているようで……。
帝と后の愛は永遠に
彰子が立后のため内裏を退出すると、帝はなんと定子と皇子を呼び寄せました。
女房たちが「最低だ、恥知らずだ、どのツラ下げて」と陰口を叩く。
それでも帝は、敦康を抱いて無邪気に喜んでいます。
まるで何もなかったような穏やかな光景です。
帝はその夜、后を二人にすることを詫びると、定子は「私こそおわびせねばならない」と切り出しました。
父と母の死。
兄と弟の失脚。
そんな中で自分の家と苦しみのことばかり考えて、帝に思い至らなかった――。
確かにあそこで発作的に出家をしたことは過ちだったのでしょうが、それで定子を責めるのは酷にも思えます。
定子はそのうえで、自分は気にせず、彰子を中宮にして、帝の立場を盤石にするよう訴えます。
「そなたは朕をいとおしく思うておらなかったのか」
「お慕いしております。ですがそもそも私は家のために入内した身にございます。彰子様と変わりませぬ」
「これまでのことは全て偽りであったのか?」
定子は黙っています。
帝はさらに続けます。
「偽りでも構わぬ。朕はそなたを離さぬ」
「お上……人の思いと行いは裏腹にございます。彰子様とて……見えておるものだけが全てではございませぬ」
定子はそう答えます。
もう自分は長くはないと悟っていたのでしょうか。
そうなってから絶望せぬよう、彰子を愛するように導いているのでしょうか。だとすれば、どこまで優しいのか。
「どうか彰子様とご一緒の時は、私のことはお考えになられませぬよう、どうか……」
帝は定子の愛に感極まって、相手を抱きしめるのでした。
そして、内裏では彰子立后の儀が始まりました。
実資が厳粛に詔を読み上げ、儀式は進んでゆく。
儀式の最中、どこか疲れた道長の横で源倫子が満足げに微笑んでおります。
道長はもう一人の妻である源明子の元へ向かいました。
明子は腕に抱く娘を役立てたいというと、道長は穏やかに生きれば良いと彼女の思いを遮ります。
明子がめげずに、息子三人はもう『蒙求』を誦じることができると言い、三人が読み上げますが、道長は感心したようで、今度ゆっくり聞かせてくれと立ち上がります。
相当疲れているようで、虚な顔の道長……ついに倒れてしまうのでした。
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