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【『光る君へ』感想あらすじレビュー第28回「一帝二后」】
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道長、彰子立后を進め、それを日記に書く
年が明けて長保2年(1000年)、道長は安倍晴明に対して、彰子を中宮とする正式な日取りを決めるよう求めています。
藤壺の后は2月25日とする――。
仕事のできる晴明は、そう言われると予期して、事前に決めていたそうです。
思わず道長が感心していると、「国家安寧の為、先を読むのが陰陽師の仕事にございますから」と返す。道長が晴明に操られているように思えなくもありませんね。
さて、日々の出来事を道長が日記に記しています。
『御堂関白記』です。
実はこの日記、タイトルからしてツッコミどころが多いものでして。
道長は関白になっておりません。後世の人間がうっかりして、それが定着したせいでこうなってしまった。
なんだかめんどくさい日記なのですが、それをさらにややこしくしているのが、そもそも道長の書くときの態度です。
それをこうして見られるとは感動的と言いましょうか。
雪が大いに降った。
一尺二〜三寸ほど積もった。
晴明を召して立后の雑事などを勘申させた。女院様に献上することとする。
晴明が申して言ったことには……
ここで手を止める道長。
「まだ詔は下りてはおらぬ」
そう気付いたようで、雑に線を引いて消します。
でた、道長の雑な削除!
これは解読できるので、まだマシなほうでしょう。
解読できずに困るのは、途中で書き忘れている場合です。脱落が多いうえに悪筆であり、しかも漢文の文法がおかしい。
ミスが多いのが道長の著作です。
ちなみに、実物よりもドラマの方が綺麗に見えます。道長の字を再現する根本先生もさぞかし大変なはず。
このドラマでは、ぼんやりしていてミスが多い道長が反映されています。日記から史実を辿るだけでなく、人物像も作り上げているのが本作です。
何も藤原道長だけでなく、実資や行成、そして紫式部もそうです。
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帝を説得する行成
行成がまたもや帝に呼ばれていました。
どうやら彰子立后のことで迷っているようで、定子が知って傷つくことに耐えられない様子。
行成は、苦悩する一条天皇の説得にかかります。
お上はお上ではないか。
一天万乗の君である帝は下々と同じように妻を思ことをを考えてはいられない。
大原野社の祭祀は代々、藤原の皇后が神事をつとめる。それが定子出家以来、なすべき皇后がいない。
なすべき神事を為しておらぬことが神への非礼であり、それが天変地異という神の祟りにつながっているのだ。
そう行成が滔滔と語るのは「天譴論」です。
そして、こう続けます。
だからこそ道長はそれを憂えて姫を奉ったのだ。
早く彰子を中宮とし、神事を為すべきだ。そうでなければますます世が荒れ果てますぞ。
最後に「何もかもわかっているはずだ」と決定打を放たれ、覚悟を決めるよう迫られる帝。
かくして、帝は「一帝二后」を認めました。
この異例の事態に対し、公卿は実資まで、誰も異を唱えませんでした。
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