徳川家康像/wikipediaより引用

どうする家康感想あらすじ

家康は中国で大人気!ならば大河『どうする家康』の評価はどうだ?

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中国でどうする家康の評価は?
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どうした家康……

中国語圏で日本のドラマがどう評価されるか?

その声を拾うには豆辮(doban)が欠かせません。視聴者数だけでなく、レビューの点数が評価の参考となります。

では、どんな評価なのか?

というとあまり点数が高くありません……。

まだ4回しか放送されていない段階でも、大河ドラマとしては相当低く、レビューのコメントを見てもどうにも荒れています。

脚本こそどうする?

ギャグ漫画版家康と考えれば面白い!

魔改造した感じか……。

困惑コメントが並ぶばかりか、別のSNSでは、こんなハッシュタグが中国へ輸入されていました。

#怎样反省家康

#怎樣反省家康

中国でのタイトル簡体字では『怎么办家康』、繁体字では『怎麼辦家康』となり、そこに日本で猛威を振るう「反省会」を組み合わせたものです。

例えば日本国内のメディアでもこんな記事が出ています。

◆『どうする家康』に早くも“反省会タグ”出現…CG、演出にツッコミ続出で懸念される“朝ドラの二の舞”(→link

以下の部分に注目です。

ところが、初回放送からTwitterでは「#どうする家康反省会」なるハッシュタグが出現しているのだ。

最近では22年度前期に放送されたNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』で、批判的な感想をツイートする“反省会タグ”が異例の盛り上がりを見せたことも記憶に新しい。

「どうする家康」の反省会タグでも、作品に対するツッコミが多く上がっている。

そんなところまで日本を追わなくてもよいでないか!

思わずそうツッコミながら震えてしまいました。

どうやらこうした投稿でワイワイとツッコミながら盛り上がっているようで、大河ファンとしては悲しいものがあります。

いや、今年に関しては駄作を送り出しているNHK側の責任でもあるし、実際、作品がつまらないですから反論もしようがないのですが……。

海の向こうでもネタ枠として鑑賞される層がいるのは確かなようです。

 


どうする炎上回避

ワイワイとネタ枠で楽しまれているうちはまだマシかもしれません。

本作は、赤壁の前で船を繋いだ曹操軍のように、危険な炎上要素が第4話で出てきました。

なんちゃって中国風宮殿ではありません。

前述の通り、2010年代、中国でブームとなった日本発の本は山岡荘八『徳川家康』でした。

では2020年代は?

上野千鶴子さんのフェミニズム本です。2019年の上野さんによる東大祝辞は中国でも大評判となり、ブームが到来しました。

◆ 上野千鶴子さんの「フェミニズム本」が中国でブーム 家父長制が根強い国で受け入れられる背景とは(→link

◆ いま中国の女性たちの間で「上野千鶴子の著書」が大ブームになっているこれだけの理由 | 急増する「恐婚族」たちの思想的背景(→link

◆ 「何回も泣いた」上野千鶴子・鈴木涼美の往復書簡本が中国でブックオブザイヤー1位に選ばれた理由|往復書簡 限界から始まる(→link

若い中国の方から「上野さんの本を読みました!」「本はまだだけど、あの祝辞めっちゃ感動した!」という意見は確かに聞こえてきます。

【白紙革命】(2022年末に起きた反政府デモ・1989年の【天安門事件】以来の運動とされる)の背景にも、中国政府上層部の男女比のいびつさに失望した声もあるとされます。

そんなジェンダー観の変貌は、ドラマ評価にも反映されます。

2022年、中国では武侠ドラマ『江湖英雄伝〜Heroes〜』(原題『説英雄誰是英雄』)が炎上しました。

ヒロインの一人が二度性的暴行をうけ、「闇落ち」してしまう展開に非難が殺到したのです。

女性が道を踏み外すきっかけを性的暴行にするってどうなの?

被害を深刻に扱うわけでもないし、そこを丁寧にじっくりと興味本位であるかのように描くし……あまりに配慮がないのでは?

そう思われ、評価は大幅下落しました。豆辮でも「失望した」「これはひどい」と酷評が大量についています。

性的被害の深刻さを描くのであれば、問題とされないでしょう。ゲスな覗き見根性のようなものを察知されて失敗したのです。

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この炎上騒動を踏まえると『どうする家康』は序盤の第4回で既に地雷を踏み抜いたのではないかと懸念しています。

今川氏真瀬名を「夜伽役」にすると迫る場面です。

瀬名が氏真を拒もうとする様子を見所とするデリカシーのない場面に「不用了(お断りです)」となるのではないかと思ってしまいます。

プロットに不要であるし、氏真が瀬名にあんなことをするというのは考えられません。

家康に捨てられた瀬名が氏真に「遊女」扱いされるなどあり得るのか?

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盛り上げるためだけにあんな場面を入れるなんてガッカリだよ、どうしたスタッフ、上野千鶴子先生の本を読んでくれ……そう嘆かれてもおかしくはないのです。

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