徳川家康像/wikipediaより引用

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』はペース配分がヤバい?1983年の家康大河と徹底比較

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1983年『徳川家康』のペース配分は?

徳川家康が大河ドラマの主人公になるのは今年で3度目です。

過去2回は以下の通り、

1983年『徳川家康』
2001年『葵 徳川三代』

であり、後者の『葵 徳川三代』は文字通り三代を描くため、さすがにスピーディな展開でした。家康の時代は豊臣政権の手前から始まり、夏までには秀忠時代へ移っています。

ですので本稿では、1983年『徳川家康』の放送を見つつ、『どうする家康』の進捗度合いと比較しみましょう。

なお、当時の大河ドラマは全50回でした。現在は短くなり、2018年より、最長でも47話となっています。今年は47話の予定と推察できます。そこはご注意ください。

◆1983年大河『徳川家康』の進捗度

第1回 1月9日 竹千代誕生

第2回 1月16日 離別

第3回 1月23日 人質略奪

第4回 1月30日 忍従無限

第5回 2月6日 人質交換

第6回 2月13日 試練の時

第7回 2月20日 初陣

第8回 2月27日 桶狭間

なんと【桶狭間の戦い】を迎えたのは2月末、第8回放送でのことです。

これと比較すると、『どうする家康』は断然速い! しかし……。

第9回 3月6日 岡崎入城

第10回 3月13日 三河一向一揆

第11回 3月20日 興亡の城

第12回 3月27日 人生の岐路

3月になると、すでに『どうする家康』と同じところまで進んでいます。

むしろ途中から追い抜いているようにも見え、4月から5月にかけては、戦闘面での見せ場でもある対武田戦を迎えます。

第13回 4月3日 三方ヶ原合戦

第14回 4月10日 父と子

第15回 4月17日 陰謀

第16回 4月24日 無情の風

第17回 5月1日 無血の勝利

第18回 5月8日 謀叛発覚

第19回 5月15日 長篠の戦

『どうする家康』における武田信玄役は阿部寛さん、武田勝頼役は眞栄田郷敦さんですね。

西暦で見ますと、信玄とぶつかる【三方ヶ原の戦い】が1573年で、勝頼との対決となる【長篠の戦い】が1575年。

これに対し『どうする家康』の第13回は1570年で、京都見物を楽しむ様子です。

なんでも本多忠勝が浅井家の武士とケンカしてしまうとか。歴史的イベントには取り掛からず、お市の方の結婚にスポットが当たりそうです。

1983年版大河と比べて、やはり遅れが生じていますが、この先の描き方一つでペースが大幅に遅れてるとまでは言えませんね。

第20回 5月22日 難題

第21回 5月29日 信康追放

第22回 6月5日 落花有情

第23回 6月12日 安土への道

第24回 6月19日 本能寺の変

第25回 6月26日 伊賀越え

過去の大河にならうなら、5月後半か6月には、瀬名織田信長も退場しそうです。

今から心の準備をしましょう。

第26回 7月3日 次に吹く風

第27回 7月10日 小牧長久手の戦

第28回 7月17日 数正出奔

第29回 7月24日 三河の意地

第30回 7月31日 両雄対面

第31回 8月7日 妻ならぬ母

第32回 8月14日 家康江戸入り

第33回 8月21日 戦雲動く

第34回 8月28日 渦中の人

7月から8月は、秀吉との対決になりそうです。

松重豊さん演じる石川数正が人気ですが、それも7月には豊臣へ出奔してしまうんですね。

石川数正
家康の右腕・石川数正はなぜ豊臣へ出奔した?どうする家康松重豊

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家康と結婚する秀吉の妹・旭姫は、キャストがまだ発表されていません。

真田丸』の清水ミチコさんはなかなか印象的でしたが、今回は誰なのか、気になりますね。

第35回 9月4日 太閤死す

第36回 9月11日 分裂の芽

第37回 9月18日 窮鳥猛鳥

第38回 9月25日 機は熟す

第39回 10月2日 関ヶ原前夜

第40回 10月9日 関ヶ原

第41回 10月16日 将軍家康

第42回 10月23日 世界の風

第43回 10月30日 連判状の夢

9月から10月にかけて実りの秋では、家康も天下という大きな果実を求めて動きます。

関ヶ原がCG馬だらけではないことを願うばかり。

井伊直政島津義弘の攻防については、大きな見どころになって欲しいですが、さすがに注目しないわけはないですよね。

ともかく家康史のメインディッシュの一つだけに、BBC『ウォリアーズ』を超える、そんな意気込みを期待しています!

ウォリアーズ 歴史を動かした男たち
英国人から見た家康&関ヶ原!BBC版『ウォリアーズ』は一見の価値あり

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第44回 11月6日 騒動の根

第45回 11月13日 巨城の呼び声

第46回 11月20日 老いの決断

第47回 11月27日 大坂 冬の陣

第48回 12月4日 大坂 夏の陣

第49回 12月11日 落城

最終回 12月18日 泰平への祈り

思えば家康の人生は、最晩年まで戦が続いていました。

普通の大名でしたら【関ヶ原の戦い】がクライマックスで十分なのですが、家康はさらに【大坂の陣】でも中心にいるのです。

12月に大坂落城が描かれることをやはり期待してしまいますよね。

こうして過去大河と比較してみると、3月現在の展開速度はそこまで大きく遅れておらず、最終回が関ヶ原ということは流石になさそうではあります。

むしろ問題は「そうした指摘が出ていること」ではないでしょうか。

 


配分をどうする?

ペース配分が遅いにせよ速いにせよ、ドラマに何か違和感があるからこそ、記事や感想が出てくる。

要は「視聴者のニーズとマッチしていないのでは?」という問題が考えられます。

ではなぜ、そんな現状となっているのか、考察してみました。

◆テンポが遅いと感じるのはなぜ?

視聴者や語り手が望む見どころになかなか到達しない。つまり余計なシーンが多い。

主人公の人形遊び。

徳川家康と瀬名の馴れ初め。

「白兎」とねっとり語りかける織田信長。

こうした意味不明な要素はいらんから、もっと迫力のある合戦や、家康幼少期の逸話を見せくれ――そんなストレス感があるのではないでしょうか。

◆一方でテンポが速いと感じるのはなぜ?

こちらは必要な場面が無いからでしょう。

【桶狭間の戦い】ならば、あの名場面は欲しい。

真偽はさておき、信長が「敦盛」を舞うところは見たい!

荒唐無稽な忍者が出てくるのだから、定番のサービス映像があってもいいじゃないか――。

そんな感情を抱いている最中、いきなり今川義元の首を信長が槍投げしたら、何事か、と思っても仕方ないでしょう。

結論。

『どうする家康』は、誰も求めていないシーンばかり出てくる。視聴者のニーズに応じていないな……と思えるのです。

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