こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【どうする家康のペース配分】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
お好きな項目に飛べる目次
1983年『徳川家康』のペース配分は?
徳川家康が大河ドラマの主人公になるのは今年で3度目です。
過去2回は以下の通り、
1983年『徳川家康』
2001年『葵 徳川三代』
であり、後者の『葵 徳川三代』は文字通り三代を描くため、さすがにスピーディな展開でした。家康の時代は豊臣政権の手前から始まり、夏までには秀忠時代へ移っています。
ですので本稿では、1983年『徳川家康』の放送を見つつ、『どうする家康』の進捗度合いと比較しみましょう。
なお、当時の大河ドラマは全50回でした。現在は短くなり、2018年より、最長でも47話となっています。今年は47話の予定と推察できます。そこはご注意ください。
◆1983年大河『徳川家康』の進捗度
第1回 1月9日 竹千代誕生
第2回 1月16日 離別
第3回 1月23日 人質略奪
第4回 1月30日 忍従無限
第5回 2月6日 人質交換
第6回 2月13日 試練の時
第7回 2月20日 初陣
第8回 2月27日 桶狭間
なんと【桶狭間の戦い】を迎えたのは2月末、第8回放送でのことです。
これと比較すると、『どうする家康』は断然速い! しかし……。
3月になると、すでに『どうする家康』と同じところまで進んでいます。
むしろ途中から追い抜いているようにも見え、4月から5月にかけては、戦闘面での見せ場でもある対武田戦を迎えます。
第13回 4月3日 三方ヶ原合戦
第14回 4月10日 父と子
第15回 4月17日 陰謀
第16回 4月24日 無情の風
第17回 5月1日 無血の勝利
第18回 5月8日 謀叛発覚
第19回 5月15日 長篠の戦
『どうする家康』における武田信玄役は阿部寛さん、武田勝頼役は眞栄田郷敦さんですね。
西暦で見ますと、信玄とぶつかる【三方ヶ原の戦い】が1573年で、勝頼との対決となる【長篠の戦い】が1575年。
これに対し『どうする家康』の第13回は1570年で、京都見物を楽しむ様子です。
なんでも本多忠勝が浅井家の武士とケンカしてしまうとか。歴史的イベントには取り掛からず、お市の方の結婚にスポットが当たりそうです。
1983年版大河と比べて、やはり遅れが生じていますが、この先の描き方一つでペースが大幅に遅れてるとまでは言えませんね。
過去の大河にならうなら、5月後半か6月には、瀬名も織田信長も退場しそうです。
今から心の準備をしましょう。
第26回 7月3日 次に吹く風
第27回 7月10日 小牧長久手の戦
第28回 7月17日 数正出奔
第29回 7月24日 三河の意地
第30回 7月31日 両雄対面
第31回 8月7日 妻ならぬ母
第32回 8月14日 家康江戸入り
第33回 8月21日 戦雲動く
第34回 8月28日 渦中の人
7月から8月は、秀吉との対決になりそうです。
松重豊さん演じる石川数正が人気ですが、それも7月には豊臣へ出奔してしまうんですね。
家康の右腕・石川数正はなぜ豊臣へ出奔した?どうする家康松重豊
続きを見る
家康と結婚する秀吉の妹・旭姫は、キャストがまだ発表されていません。
『真田丸』の清水ミチコさんはなかなか印象的でしたが、今回は誰なのか、気になりますね。
第35回 9月4日 太閤死す
第36回 9月11日 分裂の芽
第37回 9月18日 窮鳥猛鳥
第38回 9月25日 機は熟す
第39回 10月2日 関ヶ原前夜
第40回 10月9日 関ヶ原
第41回 10月16日 将軍家康
第42回 10月23日 世界の風
第43回 10月30日 連判状の夢
9月から10月にかけて実りの秋では、家康も天下という大きな果実を求めて動きます。
関ヶ原がCG馬だらけではないことを願うばかり。
井伊直政と島津義弘の攻防については、大きな見どころになって欲しいですが、さすがに注目しないわけはないですよね。
ともかく家康史のメインディッシュの一つだけに、BBC『ウォリアーズ』を超える、そんな意気込みを期待しています!
英国人から見た家康と関ヶ原の戦い!BBC版『ウォリアーズ』は一見の価値あり
続きを見る
第44回 11月6日 騒動の根
第45回 11月13日 巨城の呼び声
第46回 11月20日 老いの決断
第47回 11月27日 大坂 冬の陣
第48回 12月4日 大坂 夏の陣
第49回 12月11日 落城
最終回 12月18日 泰平への祈り
思えば家康の人生は、最晩年まで戦が続いていました。
普通の大名でしたら【関ヶ原の戦い】がクライマックスで十分なのですが、家康はさらに【大坂の陣】でも中心にいるのです。
12月に大坂落城が描かれることをやはり期待してしまいますよね。
こうして過去大河と比較してみると、3月現在の展開速度はそこまで大きく遅れておらず、最終回が関ヶ原ということは流石になさそうではあります。
むしろ問題は「そうした指摘が出ていること」ではないでしょうか。
配分をどうする?
ペース配分が遅いにせよ速いにせよ、ドラマに何か違和感があるからこそ、記事や感想が出てくる。
要は「視聴者のニーズとマッチしていないのでは?」という問題が考えられます。
ではなぜ、そんな現状となっているのか、考察してみました。
◆テンポが遅いと感じるのはなぜ?
視聴者や語り手が望む見どころになかなか到達しない。つまり余計なシーンが多い。
主人公の人形遊び。
徳川家康と瀬名の馴れ初め。
「白兎」とねっとり語りかける織田信長。
こうした意味不明な要素はいらんから、もっと迫力のある合戦や、家康幼少期の逸話を見せくれ――そんなストレス感があるのではないでしょうか。
◆一方でテンポが速いと感じるのはなぜ?
こちらは必要な場面が無いからでしょう。
【桶狭間の戦い】ならば、あの名場面は欲しい。
真偽はさておき、信長が「敦盛」を舞うところは見たい!
荒唐無稽な忍者が出てくるのだから、定番のサービス映像があってもいいじゃないか――。
そんな感情を抱いている最中、いきなり今川義元の首を信長が槍投げしたら、何事か、と思っても仕方ないでしょう。
結論。
『どうする家康』は、誰も求めていないシーンばかり出てくる。視聴者のニーズに応じていないな……と思えるのです。
※続きは【次のページへ】をclick!