徳川家康像/wikipediaより引用

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』はペース配分がヤバい?1983年の家康大河と徹底比較

幼少期をすっ飛ばし、桶狭間の戦いから始まった2023年の大河ドラマ『どうする家康』。

「今年は主要イベントに集中して、効率的に見せていく流れなのか?」

開始当初はそんな印象を抱いた方も少なくなかったでしょう。

しかし、第10回放送が終わった現在、その印象は急激に変わりつつあります。

おままごとやら瀬名の奪還やら側室選びやら、独特すぎるオリジナル物語が展開され、今では逆に「進みが遅くなってきてないかか?」と心配する声も多数。

織田信長明智光秀と違い、徳川家康本能寺の変を終えてからも、まだその歴史は長く30年以上も続きます。

果たして描ききれるのか?

もしかして大坂の陣はスッ飛ばされてしまうのでは?

ということで本稿では『どうする家康』のペース配分について、1983年大河『徳川家康』の進捗度とも比較しながら、考察してみたいと思います。

 


ペースが遅すぎない?

いくらなんでもオリジナル展開が多すぎる――『どうする家康』については、他のメディアでもペース配分が取り沙汰され、すでにこのような記事も出ています。

◆『どうする家康』の「完全フィクション回」に驚きと賛否 41話で家康の生涯「残り54年描き切れるか」の憂慮(→link

本記事では、家康の正妻である瀬名(築山殿)の奪還で2週間も使ったことに着目し、懸念の声があがっていました。

《家康って長生きして大坂の陣まであるのに、フィクションに2話も費やして大丈夫なんか?》

《肯定・否定とかではなく、単純に時間が足りるのかが心配 瀬名奪還に2週もかけていると、「家康が絡んだ有名な出来事なのに駆け足orそもそも描かない」みたいなことも出てきそうな気が》

と、心配する声が。

桶狭間の戦いに続き、三河一向一揆も描かれ、当面の出来事はクリアされていますが、確かに家康はこの先もイベント盛りだくさん。

吉田松陰の妹・文が主役ならばともかく、家康のラブストーリーが延々と続いたりするのですから、視聴者が戸惑うのも自然なことでしょう。

しかし、こうした懸念をよそに「ペースが速い」という意見もあります。

 


「若者ウケを狙ってテンポが速い」という意見

「速い」という意見を見てみましょう。

以下の記事が公開されてから、なかなか沸騰しているのですが、

◆NHK大河「どうする家康」がさえない最大の理由 TV業界と視聴者の“感覚のズレ”あらわ(→link

いささか不可思議な記述もあります。

「一つ一つの話を派手にスピーディーにしたところで、大河は1年の長丁場です。ジャニタレを起用したって、そもそも動画を倍速視聴したり、緊張感が10分と持たない若者向きのコンテンツではないでしょう」と、あるベテランプロデューサーはこう続ける。

「一つ一つの話を派手にスピーディー」という見立てなのですが、前述の通り、瀬名の奪還で放送2回分、踊りながらナンパもしていた三河一向一揆で3回分を費やしていました。

前年『鎌倉殿の13人』では、三河一向一揆にあたる第8回が「いざ、鎌倉」であり、主人公の北条義時らが、いよいよ鎌倉入りを果たす局面でした。

石橋山の戦いに敗れた頼朝が房総の武士を味方につけ、関東での足場を固める――いわば一区切りついていたわけです。

『どうする家康』の問題は、むしろ、家康の成長がまったく見られず、いつまで経っても誰かのせいにするような、ダラダラとした性格が問題なのかもしれません。

彼は大将にもかかわらず、いきなり戦場から逃げ出すようなタイプであり、それがずっと続いて区切りも何もない。

それでも記者が「スピーディー」と主張されるなら、今川義元の扱い辺りから連想されているのかもしれませんね。

野村萬斎さんという大河主演の経験者を、第1回【桶狭間の戦い】でアッサリ退場させていた。

それがスピーディーという印象に繋がったのではないでしょうか。

瀬名と家康のおままごとや、側室選びなんかより、ずっと大事なはずの義元があの扱いでは、そう感じたのも無理はないかもしれません。

結局、今川の重要人物である寿桂尼太原雪斎は登場せず、氏真の妻・早川殿についてもキャスティングの発表だけで画面には現れず。

この辺りのチグハグさも、戦国ファンから不可解に思われている要因の一つでしょう。

 

大河の流れはどうなのか?

そもそも大河ドラマはどんなフォーマット(お約束)があり、それに伴う例外が存在するのか。

前提について見ておきましょう。

◆主人公の子役時代があるとは限らない

三谷幸喜さんの大河ドラマは、主人公の子役時代がありません。

近年では『麒麟がくる』も、青年期から始まっておりますが、回想があるため“子役はいる”パターンとなりましょう。

◆主人公が亡くなるまで描くわけではない

晩年、穏やかな生き方をしているように終わることも多い。

むしろ死の瞬間まで描いた『鎌倉殿の13人』が少数派ですね。

◆主人公のライフイベントで重要なものを消化しないこともある

『秀吉』は、晩年の失敗とされる【朝鮮出兵】を描きませんでした。

国際関係からの配慮だという指摘も見かけますが、豊臣政権の流れを大きく変えた【豊臣秀次事件】もなく、最晩年における秀吉の暗黒な姿を描かないことは、当時から批判の対象となりました。

近年でも『麒麟がくる』は【本能寺の変】までがじっくりと描かれ、光秀が討ち死にする【山崎の戦い】は描かれていません。ただし、これは池端俊策さんの構想通り。

少し古くなりますが、不可解だったのが『天地人』でしょう。

直江兼続の戦績でも最も有名な【慶長出羽合戦】が描かれなかったのです。

前田慶次の朱槍と最上義光の兜は制作され、原作にはあったのですが、なぜか放送されず――当初はやる予定が何らかの理由で取り止めになったと推察されます。

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こうした過去の大河を踏まえると、松本潤さんがお人形遊びをしていたことも、制作サイドとしては「あり」なのかもしれませんね。

最終的には、家康の悪事を描きたくないという理由から、淀の方と秀頼を死に追いやる【大坂の陣】をカット!という大胆な展開も考えられる。

【関ヶ原の戦い】で「小早川秀秋に対してどうする?」と焦りながら最終回だぁ!という斬新な家康もあるかもしれませんよ。

問題は、それで視聴者が楽しめ、納得できるのかどうか。

そこでこの先は、過去のクラシカルな大河ドラマで家康がどう描かれたか、比較してみましょう。

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