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【『どうする家康』感想あらすじレビュー最終回「神の君へ」】
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史上最低の合戦シーンだった
その後の合戦シーンも最低でした。
誤魔化すためのスモークがもうもうと立ち込めていますが、本作スタッフは、現実世界の物理を思い出していただきたい。
剥き出しの刀身で切り掛かる連中。鎧に当たったら折れます。
甲冑の重さを意識しないで駆け巡る兵士。関節の動きもおかしい。ナンバ走りなんてできるわけもない。
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もちろん戦闘シーンを大袈裟に誇張して、派手に見せるのは問題ありませんよ。
しかし、本作はその逆をいってしまうからバカバカしい。
信繁が下馬して戦うとは何事ですか。機動力が落ちて自殺行為ですから、武将はそうそう下馬しないでしょ。
なのに馬から落ちて叫ぶってなんなのか……知略の底が完全に抜けている。
だが、家康もどうかしていた
徳川家康がぬぼーっと座っている。
すぐ側で激闘が行われている気配はあるはずなのに、大丈夫なのか。メイクとは関係なく、うっすらむくんだ顔。二日酔い?
年老いた総大将が一人で座っているのに、チンタラとしている真田信繁はなんなのか。
馬上疾走して切り掛かればいいのに、信繁役は乗馬ができないのでしょうか?
ちなみに秀忠は、大坂の陣で奇襲に遭い、危うく討ち取られかけています。柳生宗矩が敵を即座に斬り捨てた。
そして家康は、信繁に向かってトンチンカンなことを言う。
「家康はここじゃあ! さあこい! 共に行こうぞ!」
敵に囲まれても動じず、むしろ乱世の亡霊たちと一緒に死のうではないか!とカッコつけているわけですね。
ここでようやく家康の周囲に護衛がやってきて銃を構える。
しかし、そこへ突入していく信繁。
馬も乗らずに歩いて向かってくるなら、何か信繁に決めゼリフでもあると、まだ画面がピリッとしそうなものですが、そうはならない。
この家康は、何より若いイケメンが目立つことを嫌いますからね。
そういやダリ髭の井伊直政は最終回欠席でしたね。別に見たいワケではないですが、なぜいなかったのか?という点は気になる。徳川四天王が不在な方が不自然でしょう。
それよりスタンド能力でも発揮しそうな家康のポーズはなんなのでしょう。
直後に乱世の亡霊どもの回想シーンへ。
岡田信長が、しょうもないボーイズラブ要員で史上最低ならば、もこもこ衣装の阿部信玄も、単なるチンピラ風情にしか見えなかったムロ秀吉も、できれば思い出したくなかった。
彼らが『首』で上書きされたことは不幸中の幸いであり、勝頼と信繁は来年に配信が再開される『真田丸』があります。
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どうするマザーセナ直伝の供養儀式
それにしても、家康の奇妙な手の動き、ポーズは何なのか?
NHKプラスでトップ画像に持ってきていることから(→link)、お気に入りのカットではありそうです。ジョジョ辺りでも意識しているんですかね?
いや、乱世の亡霊たちとチャネリングして、あの世に送るための儀式かな。
全てはマザーセナの教え……儀式の後、六文銭マスコットが落ちて、死体がゴロゴロで、スピリチュアルパワーは永遠に不滅です。
家康と正信は座り込んでいる。
相も変わらぬムカつく口調で「生き延びちゃった〜」と舐め腐ったことを言う正信。松山ケンイチさんご本人が考えた口調のようですが、制作陣の皆さんも納得されていたんですかね?
理論立てて戦略や戦術を語れるならば、言葉で知謀を見せられるなら、下手な小細工は不要だと思うのです。今更ながら、彼らの首が取られなかったことが不思議です。
そして気がつけば、大坂城が一気に燃え盛っとる!
あんだけ燃えるには相当な時間がかかりそうですけど!
正信が変な呪文を唱えていて、もはや合戦というより、カルトの教義対決。
城内では凄まじいまでの説明セリフが続きますし、何より秀頼さん、結局あなたは出陣しないんですか!!
あれだけ戦いを煽っておいて、結局、自分はメイクを濃くして、ダイナミック拡大自殺宣言をしただけじゃないですか。
どうかしている千姫
千姫もどうかしていると思います。
茶々と共に鉢金つきの鉢巻を巻いていますが、いかにも銀紙を貼り付けたようで格好よろしくない。
そんな千姫まで洗脳宣言じみたことを言い出しました。
秀頼は棒読みで何かしゃべっている。大坂城が落ちる場面で、ここまで空虚なセリフと演出とは……。
ここで千姫が秀頼の手を取る。
マザーセナ&家康といい、何度このポーズを使い回すつもりなのでしょう。ロマンチックなポーズはいつも同じ。
そしてお初が千姫をなんだかんだで連れ出した、と。これだけ派手に火が回っているのに随分と余裕を感じさせます。
坂崎直盛もいないのに、千姫があっさり家康のもとへ。
必死な命乞いを始めますが、あれだけ啖呵切っておいて、全てが遅い、遅すぎる。もう死んでいるのでは?
できることなら、まだ若い千姫の女優に発声指導をして欲しかった。まぁ、発声がおかしいのは彼女だけではありませんが。
どうしようもない命乞い
家康が千姫を助け起こすセリフも演出も、祖父と孫娘というより、イケメンと美少女なんですよね。
しかも、千姫が助命を頼む理由が「秀頼まじイケメン! 推してる人多いし、ファンがいるから貶さないで!」というような趣旨のようで、彼女の必死さが無駄になっている。
もっと他に言葉はなかったのか……。
それに対して家康がボソボソと意味がわからないことをいうと、秀忠が泥を被ると言い出す。
その際、父の言葉を遮るのが見ていられません。あまりに無礼ではありませんか。まぁ、今回に限ったことではなく、本作の脚本家って、人の言葉をぶった斬るのが本当に好きですよね。
秀忠の理由にしても、ただカッコつけたいからのようで、千姫は「父上もおじじ様も鬼!」とか言い出す。そして豊臣の天下を盗み取った化け物だとキンキン喚いています。
お初からも雑なフォローが入り、いつものしょーもないピアノが流れ、家康がカッコつけて手を合わせる。マザーセナの位牌の前で祈る場面もなかったのに、急にどうしたのでしょう。
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