どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー最終回「神の君へ」

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どういう炎なの?

大坂城が燃えています。

一体どういう世界観なのか、炎が都合よく燃え、熱も感じさせないようだ。

豊臣秀頼はカッコつけて自害。

今まで見てきた切腹シーンの中でも、これほど“お芝居”に見えるものはなかった。刀を刺した瞬間の「ぶしゃ!」というサウンドエフェクトがあまりにも安っぽい。

ここで近づく茶々も意味がわかりません。

最愛の我が子の介錯を邪魔して、彼女も十分鬼です。血を浴びて変な顔をする様子が、しみじみとくだらない。

そして一斉の切腹タイム!

酷いサウンドエフェクトと斬首三昧。

わけのわからんセリフを吐く大野治長

本作脚本家のモットーは「歴史なんて、どうせ史実かわからない」ですから、自己流アレンジが蔓延する。はっきり言うと、アレンジしない方が秀逸だから、批判が起こるのではないでしょうか。

そして切腹タイムの最後は、ピロピロしたストリングスと酷いサウンドエフェクトで、茶々と治長の自害を彩ります。

 


またかよ、死ぬ死ぬ詐欺!

茶々はなかなか死にません。

『西郷どん』のラストで、無駄にタイトルロールのヒットポイントが高かった演出を思い出します。

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茶々が不貞腐れたように吐く台詞も酷い。

「日ノ本はつまらぬ国になる! 人目ばかりを気にし、陰でのみ妬み嘲る」

とかなんとか、このドラマの何が嫌かって、脚本家が、批判者に対してあてつけるようなセリフを入れることですね。

劇中のセリフに乗せて「なんでこんなにがんばった私を叩くの!」と愚痴るようなことを言う。

まずは、長すぎるから端的にまとめてください。これだけ炎が燃え盛っている中で延々と喋れないでしょ? 煙で喉をやられる可能性もありそうですし、酸欠にもなりそうだ。

それでも翌日のスポーツ紙系メディアには「北川景子さんの最期が神々しい」だのなんだの、しょうもない記事が出るんでしょうね。

そして茶々も、マザーセナと同じく頸動脈を切って終わる。

BGMはくだらないストリングス。

家康が手を合わせる……いや、もう、しつこいって!

 


日本史知識がないなら、なぜ、大河を書いた?

それにしても、無駄に長い茶々の台詞はなんだったのでしょう。

ネットのエコーチェンバー現象と重ね、海禁政策といった家光時代以降の政策まで批判しているように見受けられました。

明治以降、家康を貶めるためにこうした物言いは往々にしてありましたが、今時、こういうスタンスはいかがなものか。

「ねぇ、家康って大奥作ったんでしょ、きもーい」(大奥は家光以降)

雑談でこういうことを言う人がいれば、まだ良いでしょう。その程度は仕方ない。

しかしこれは大河ドラマです。そこで間違える弊害をNHKでもわかっているのか。

NHKスペシャルでは海禁政策強化前、家康はむしろ海外交易を推進していたとする「家康の世界地図」を放送しました。

番宣というよりも、大河で汚染された知識のリカバリ対策に思えます。NHKスペシャル内ドラマの家康描写は真っ当でした。この路線で一年描くだけで十分でしたね。

『青天を衝け』でも、オープニングでしばしば家康が、自分の世代以降の政策を自分のもののように語っていました。劇中では徳川慶喜も、徳川家茂やその他別人の功績を掠め取っていました。

どこまで徳川幕府が嫌いなのか。まぁ『大奥』では持ち直されていますが。

まるで「悪いことはアンチのせい。よいことは推しと私のおかげ」のような思考回路ですが、脚本家は「歴史はフィクション」「興味がない」とか明言してしまう前に、今からでも勉強をおすすめしたい。

日本史ではありませんが、例えば本年ベストセラーの一冊などいかがでしょう。

小野寺拓也先生と田野大輔先生による『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(→amazon)です。

なぜ、この一冊なのか?

と申しますと、同書に出てくるプロパガンダと似た手法が用いられるドラマがあるからです。作り手にそんな意識など無くても結果そうなってしまうことがある。

大河ドラマで使用されるとNHKの影響力の大きさから社会悪化のリスクがありますので、ぜひとも酔いから醒めて欲しい。

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そしてここであの酷いナレーションが神の君を褒める

「かくして戦なき安寧の世が訪れました」と富士山と江戸の町のようなアニメーションが流れます。

何が嫌か?って「全ては神の君のおかげ」とキンキンナレーションで何やら押し付けてくところ。

肝心のアニメにしても、その安っぽさときたら、無料で入手できる画像素材から引っ張ってきたような色合いで、精巧さのカケラも感じられません。

日本画の技法や効果なども意識されてないのでしょう。歴史や伝統に敬意を払わない様子が伝わってきて嘆かわしいばかりです。

茶店の老婆も鬱陶しいだけ。

その老婆に対して、雑な関西弁で絡み、家康の悪口を喋る連中も見てられない。

このドラマは陰口を叩く場面が本当に多かった。

光秀が討たれた後、レーシックお愛がいやらしい顔をして、光秀の容姿を揶揄していました。登場人物の根性が悪く見えて仕方ない。真っ当な人格者っていました?

 


もう麒麟には近寄らないでください

小栗旬さんの南光坊天海が出てきました。

無駄使いとはまさにこのこと。

それは小栗旬さん自身も感じていたようで、こちらのインタビュー(→link)に滲み出ています。

以下の部分です。

ただ実を言うと、天海がこの時代にはかなりの高齢だということを、僕がいまいちわかってなくて。

かつらやメークを合わせていくうちに「果たしてこれは、私であるべき役なんだろか?」っていうクエスチョンが浮かんだまま、撮影当日にたどり着きました(笑)。

(笑)で誤魔化していますけど、要は、これ「俺でなきゃダメなの?誰でもよくない?」と思っていた証であり、よくぞ公式サイトに掲載したなぁ、と思います。

最後の最後で話題作りのためだけに小栗さんを登場させるなんて失礼極まりない話であり、今年の制作陣には真っ当に作品を仕上げる矜持がないのかと問いたくもなる。

そもそも本作は小栗さんを引っ張り出して良かったのですかね。

家康と比較すると加齢演技の差があまりに開きすぎで……。

ここはもう長谷川博己さんが泥舟に乗らずに済んだだけでよしとすべきかもしれません。

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