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左内は「ほっこりエピソード集」を作っただけで殺される?
処刑場にあまり見えない、妙に砂埃舞う中で斬首される橋本左内。
やっとフォローされた!
よかった、忘れてなかったんだね!
まあ、でも、なんで本作の橋本が処刑されるのか意味わかんないですよね。
「慶喜ほっこりエピソード集」という薄い本を作っていただけではないですか。
西郷どんとは、どのへんがバディだったのか?
今更ながらに確認しておきたいところです。
西郷どんは「おいを殺せー!」と絶叫。
雨の中で暴れて、道のど真ん中で倒れます。
本当に本作って、大雨や嵐の中で絶叫するのが好きですよねえ。
そんでもって、とぅまが見つけて、看病をするというLOVEフラグ。
とぅまは海の神様に災いあれと祈ったからだと反省します。
毎週のように西郷どんはじめ、誰かが死ぬだの生きるだの言っているわりに、何の重みもないんだなぁ。
看病から蘇生してLOVEの流れと時間帯
8時35分頃、とぅまが看病開始。
これは5分以内に蘇生してLOVEの流れだな?
と思ったら、案の定、時間稼ぎのために幻想的な場面が入ります。
「生きろ!」
とぅまに呼ばれ、【わっぜソウルフルなBGM】が流れます。
時間的にみて、これが今日の見せ場なんでしょうね。
「安政の大獄」はまさかあれだけで終わりませんよね?
西郷どん、回復。
夢の中でとぅまの声を聞いたと言います。
なんでも、とぅまの父親は薩摩代官の不正を訴えるため鹿児島に向かい、戻って来なかったそうです。
そんなふうにヤマトンチュを憎んでいるとぅまが、西郷どんにしがみついて叫んでいたんだとか。
えぇえ~と、よくわからん……。
これのどこがLOVE?
西郷どんが死んだら色々面倒くさいだけじゃないの?
西郷どんはとぅまの食事をひっくり返し、怒鳴りつけましたよね。
タケを助けたにせよ、印象的にはマイナスです。
それなのにとぅまはLOVEです。
って、恋愛描写があまりにふざけすぎじゃないですか?
モテがテーマというわりに、ちっとも西郷どんがモテる理由がわかりません。
湯水のように金を使っていたこと反省し……
時刻は午後8時40分。
【わっぜロマンチックな場面用BGM】流れています。
ツンデレっぽく、
「べっべつにあなたのあんごになりたいわけじゃないんだからね!」
と叫んでいるとぅま。
時間が来たからノルマをこなしているとしか思えない不自然な流れです。
「島妻=あんご」は差別的な制度で、泣く泣く差しだされる方が多いんですけれども。
アノ程度でそういう身分になりたがるようなこと言い出すの?
……どんだけチョロいのよ。
橋本左内も、月照も、とぅまも。
西郷どんに信頼を寄せるくだりも雑な描写だから、唐突感しかありません。
西郷どんは自分の態度を反省し、島民の生活を知らない、藩の金を湯水のように使って来たと反省します。
頭を下げて、島のことを教えてくれと言い出します。
とぅまは西郷どんの手を引っ張って歩き出します。
こういう描写を見ると、このあと西郷どんが島民を理解し、黒糖地獄解消に努力するように思えますが……。
実際は、そう単純にはいかないワケです。よろしければ以下の記事をご参照ください。
奄美大島で「狂人」と呼ばれた西郷~現地でどんな生活が待っていた?
続きを見る
MVP:奄美大島の海
とりあえず海が綺麗なのは確かですね。
眼福。ギャーギャー騒ぐ人がいなければもっと海を楽しめたのに。
総評
九度山編をスッキリと、わずか数回で終わらせた『真田丸』は偉かった。
龍雲丸との結婚生活を、引っ張らなかった『おんな城主 直虎』も偉かった。
本作はもちろんどちらに似ているわけもなく、どちらかというと『花燃ゆ』のグダグダジェネリック大奥編に近い気がします。
気合は入っているらしいです。
字幕入りで奄美方言を流すとか、豪華ロケをするとか。
でも、なんだか力を入れる方向がおかしくないですか?
まさか「安政の大獄」があの一瞬で終わった橋本左内処刑で終わりとか、言いませんよね?
まぁ何の期待もしていませんけど。
薩摩ホームドラマ編より、江戸編の方が若干盛り上がった気がしないでもない、本作。
島編はホームドラマ編以下の盛り上がりになりそうです。
今週でとぅまと結婚、来週で京都に戻るくらいのペースでちょうどいいのになぁ。
とにかく迷走しています。
最大の問題点は、史実と真逆であること。
西郷どんは島で暮らし妻子を得ても、島民を見下していましたし、明治維新以降も「黒糖地獄」を推進しています。
とにかく美化ありきでは、何の誠実さもありません。
蛇足:年表通りのドラマなの?
批判記事も出てきました。
◆大河ドラマ『西郷どん』に「なんで?」噴出! 中園ミホ脚本は「飛躍しすぎ」「関係が雑」?(→link)
まずは記事から引用させていただきますね。
「脚本の中園ミホが、歴史知識に乏しいことも理由として考えられます。彼女自身、今年初頭にアップされた『スポニチアネックス』のインタビューで『歴史に強くない』と明言していることからもわかります。ドラマの前半は、登場人物がそこまで多くなかったため、史実を飛び越え、空想の余地がいくらでもありましたが、人物が増えるにつれ、次第にその余白もなくなってきたのでしょう。今や日本史の年表を、そのままなぞって演じる『再現ドラマ』の様相になってきました」
これはねえ。
むしろまともに年表を参照していたらどれほどマシだったことか。
本作は変な方向のねじ曲げておいて、しかもつまらない。
整合性が無茶苦茶になっているからたちが悪いのです。
歴史をねじ曲げないという点では『花燃ゆ』の方がマシでした。
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著:武者震之助
絵:小久ヒロ
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【参考】
西郷どん感想あらすじ
NHK西郷どん公式サイト(→link)等