地獄

『地獄絵 (ビジュアル選書)』/amazonより引用

飛鳥・奈良・平安

君は耐えられるか?地獄のキツさは八段階~最もユルくて釈放まで9125万年かかる

2025/03/01

罪もない人々が理不尽に殺害されるなど――世の中、老いも若きも凄惨な事件が多すぎる。

これは一体なんなのか?

独断と偏見だが「悪いことしたら地獄に落ちるぞ」という教育不足ではなかろうか。

そうしたわけで、一家に一台(一冊)備えておきたいのが、本物の地獄をビジュアルでガンガン見せてくれるこの本『地獄絵 (ビジュアル選書)』(→amazon)である。

『地獄絵 (ビジュアル選書)』(→amazon

 

そもそも8つの地獄とは?

この本にそって地獄に8つある地獄カテゴリーの中から4つの地獄を紹介したい。

まず知っておきたいのは、実は地獄には8つものカテゴリーがあることだ。

等活地獄(とうかつ)

黒縄地獄(こくじょう)

衆合地獄(しゅうごう)

叫喚地獄(きょうかん)

大叫喚地獄

焦熱地獄

大焦熱地獄

阿鼻地獄(あび)

下へ行くに従い内容もヤバくなっていくのだが、そもそも地獄なので最初から凄まじい。

早速、その内容を見てみよう!

 


等活地獄:もっともユルくて釈放まで9,125万年

一番浅いところにあるのが等活地獄だ。

浅いといっても地上からなんと1000由旬(ゆじゅん)もある。由旬といってもなんだか分からない距離の単位だから、まあ適当にキロとでも考えればよいのか……。

こんなになっても鬼が「活々」と唱えると復活

こんなになっても鬼が「活々」と唱えると復活

ここは殺人をおかした亡者が落ちる地獄。お仕置きは、拷問されてえらいことになる。

死んでも鬼(獄舎)が「活活」と唱えると、生き返ってしまい、またやり直し。それを延々と繰り返される。ゆえに等活地獄。

ただ、1番目の地獄だけあって、抜け道がある。

金棒をもった鬼から逃げ切ればOKなのだ!

もちろんそんな甘くはなく、地獄の門を抜け出しても、外にはさらに16の小地獄があるというトラップ。

ある意味で、この小地獄が本体よりきつい。

その1 煮え立ったうんこや尿を無理やりのまされる「屎泥処(しでいしょ)」。がんばって食べたら、その中には特殊なギョウ虫がいてはらわたから食われるというオプション付き

その2 刃になった葉が生い茂った山を駆け上らないといけない「刀輪処(とうりんしょ)」

その3 皮をはぎとられたあとに熱してとけた鉄のかまで煮られる「おう熟処」

その4 鬼から数千億種類のいじめをうける「多苦処」

って、もうおなかいっぱいだわ。

でも、殺人者のみなさん、安心してほしい。

ここは「無期刑」ではない。なんと有期刑だ、ありがたいではないか。

500年だけどね。

ただし、この地獄での1日は人間界で500年に相当し、たったの9125万年ですむのだ。

(500×365×500って計算だよね?約1億年って盛り過ぎですね)

まあ、がんばれば耐えられるさ。

次いってみよう!

 

黒縄地獄:のこぎりで千切りキャベツに……

第二階層の地獄は「黒縄地獄」。

地下1階は「殺し」だけだったけど、ここに落ちてくるのは「殺し+盗み」つまり強盗殺人犯だ。

黒縄(こくじょう)というのは、木材などに直線をひくための大工道具のことである。

熱した鉄板の上に乗せられた罪人が、黒縄で体中に何百、何千本もの線をひかれ、その線にそってのこぎりで……お察しください。

設計図どおりに細切れにされます

設計図どおりに細切れにされます

付属の小地獄には、別の「罪人」が送られる。

例えば「等喚受苦処」は、真面目に働かずにウソの教えを説いたものと投身自殺をしたものが送られる。

燃える黒縄でしばられたまま崖の下に落とされ、崖の下には無数の刀と炎が待ちかまえている。

真面目に働かずにウソの教えを説いたものって、今だとひきこもってネットの掲示板で中傷を繰り返している人は要注意だよ!!

畏鷲処(いじゅしょ)は、人の食べ物を奪い飢え死にさせた人が落ちるところ。鬼が時間をかけてなぶり殺しにするんだと。本当に困った人をきちんと話も聞かずに窓口で追い返した方、気をつけて~。

ここも有期刑です。

1,000年。

ただ、ここも時間がインフレしていて、100×365×100×365×1000×365×1000日が刑期です。

だれか計算してください。

はい、お次は「エッチなことしても地獄」で次ページへ。

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恵美嘉樹

作家・歴史旅コンサルタント。 「旅を通じて歴史研究の最前線を社会に還元する」を理念に、二人組ユニットとして活動している。 慶應義塾大学および明治大学の大学・大学院で日本史・世界史を専攻し、歴史書籍の編集者や航空会社の国際広報など、多分野での実務経験を積む。 その後、日本初の“歴史旅コンサルタント”として独立。「日本遺産」「ヤマト巡歴」「世界史街道」など、新たな知的旅行スタイルを提案し、古代史から世界史まで広い領域を対象に、旅と歴史を融合させた企画・執筆・講演を行っている。 ◆主な著書 『日本の神様と神社 ― 神話と歴史の謎を解く』(講談社、2009年) 『全国「一の宮」徹底ガイド』(PHP研究所、2007年) 『図説 最新日本古代史』(学習研究社、2008年) 『最新 日本古代史の謎』(学習研究社、2011年) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/01104329

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