『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』/wikipediaより引用

西郷どん感想あらすじ

『西郷どん』感想あらすじ視聴率 第45回「西郷立つ」

はい、皆さんお元気ですか。
この苦行も最終コーナーを曲がりました。

まずは先週放送のニュースから。

西郷隆盛大久保利通という英雄の対立が激化していく最中にあった、どうでもエエ場面について、こんな記事を見かけました。

西郷どん』第44回で、愛妾役・内田有紀と、本妻役・美村里江が対面し反響(→link

覚えてらっしゃいます?
大久保の正妻と妾が正面切ってプチバトル。

ロクに政治も描かない割に、こんなしょーもないヤリトリ。
同記事では、こんな風に書いています。

また、美村演じる大久保の本妻・満寿と、内田演じる愛妾・おゆうとの穏やかながら緊迫の対面のシーンには「こ、怖いー」「火花バチバチやないか」と恐怖を感じる視聴者も多かった。

【感じる視聴者も多かった】って、誰がドコでどう言ってたんですかね。

こういうごく少数派と思われる反響を拾って、そびえ立つ酷評、伸び悩む視聴率を無視して、それとなく盛り上がっている雰囲気でも偽装したいんでしょうか。

あのですね。
そんなもん求められてないから!

泉ピン子さんを本寿院にキャスティングして、

「どうです? 篤姫をいじめる鬼姑ですよ!」
と、言わせた辺りでも絶望的でしたけど、センスが圧倒的にダサい。最後までしょーもない。

妻と妾の対立ならば、盛り上がった作品もあるにはあります。

八重の桜』における山本覚馬の妻・うらの、夫の妾となった時栄への複雑な思いに、視聴者は涙したものです。

しかし、そんなことで盛り上げようだなんて、あの制作スタッフは考えていませんでした。あくまでキャラクターの描写として丁寧に描いたら、想像以上に反響があった――そういう流れを感じました。

本作が『八重の桜』に勝てた要素は皆無です。

新島八重『八重の桜』
最強の女スナイパー新島八重を知れば幕末&会津がわかる!86年の生涯

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『花燃ゆ』になら、もしかしたら勝る部分があるかもしれませんが、それって主人公の知名度を考えれば当然ですよね。
かたや吉田松陰の妹、かたや維新三傑ですからね。

しかも番宣も盛んになされて、この始末。
本作は名実ともに史上最低最悪の幕末大河ドラマとなったでしょう。

ご愁傷様でした。

 

【20秒あらすじ】西郷どんはエエ人アピールだけ

西郷どんがロハスライフを満喫しつつ、税金を投じて創立した私学校。
ここに、チンピラみたいな若者が集まってギャーギャー騒ぎ出します。

まあ、私学校というけど軍事教練がカリキュラムにあるなら、大久保利通(瑛太)と川路利良(泉澤祐希)が警戒するのも当然では?

案の定、薩摩に密偵を送り込まれますが、これを西郷どんの取り巻きチンピラどもが捕らえてフルボッコ。
そりゃ怪しまれるだろうと納得しかありません。

このチンピラは、政府の火薬庫を襲い、銃や弾薬を運び出します。
こりゃもう駄目だわ。はい、西南戦争スタートですよ。

 

庄内藩をコケにすんなや

今週のアバンは、庄内出身者がやってきた案件。

これまた山形県民を怒らせたいのか?
芋煮鍋でコトコト煮込まれてしまえ、本作のスタッフ!

西郷どんと庄内の関係なんて、すっ飛ばしたでしょうがーッ!
詳しくは以下の記事をご覧ください。

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戊辰戦争で鬼玄蕃と恐れられた酒井了恒は敵も驚くイケメン武将だった

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庄内藩がここでいきなり出てきても、意味不明なんですよ。

最新の武器を備え、戊辰戦争でも抜群の戦いっぷり。
東日本では最強だったと思われる庄内藩の強さをガン無視されて、ただの西郷どんファン要員にするとかもう、もう……。

そしてまたも入浴ホームドラマが入ってきます。要らんわっ!

こういうホームドラマをやる代わりに、庄内のことも描くべきだったしか言いようがありません。しかも、アバンのラストには大久保のドヤ顔。あーあ、またかよー!

 

「反乱側にも理由がー!」

アバンの後は、菊次郎目線です。

原作では菊次郎目線のナレーションがそれなりに悪くなかったのですが、ドラマでは逆効果。
菊次郎の妹・菊草が引き取られてくる描写なんていらんっつうの!

ったく、子役にしか頼れない哀れなドラマよ。

このあと明治9年の廃刀令が描かれます。
って、廃刀令なんか真面目にやるわけないですよね。知ってた。

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この廃刀令とその反発も、ヤンキーがギャースカ騒いでいるだけでなんだか意味不明です。

福沢諭吉を呼び出して来て、こう言って欲しいです。
「なんで刀いるのw 文明開化の時代じゃねw 意味わかんねえ。それで誰殺すつもり? 笑わせんなよwww」

そして士族反乱がすごーくざっくり描かれます。

「反乱側にも理由がー!」
「力でねじ伏せられたー!」
ってうっさいわ!

戊辰戦争の会津藩、庄内藩、その他佐幕藩にも、戦う理由があったんですよ。
それが急に、とってつけたように何なのでしょう。
とことん雑で、不愉快なドラマです。

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だいたい、士族反乱を潰した政府に参加して、武力倒幕を「戦の鬼(ドヤァ)」と進めたのは誰でした?

西郷どんでしょうが!

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それなのに、政府が悪くなった理由はろくに描かず、いいひと全開。
とにかく無責任野郎にとことん都合よく、見ていて白けるしかありません。

西郷どん、最初から最後まで偽善野郎だったなぁ。

 

「シサツセヨ」にも新説が

密偵がいたという話も、わけがわからないんですよ。

密偵潜入がどういう理由かすらまともに描かず、ガラの悪いチンピラがフードコートでギャースカ騒ぎ、それを笑って見守る西郷どんというどうしようもない構図。

やっせんぼという単語も、島津斉彬以来使いすぎてうんざりです。
はいはい、斉彬と同じって言いたいんでしょ。もうええわ。

さて、その密偵の電信が大久保に川路経由で届きます。

役者さんについて語るのはもうウンザリですが、やっぱり川路役あたりは若すぎるんですよね。言いたくないけど、重みも何もない。

『新選組!』のような、若さを強調するドラマなら若手中心でもありっちゃありですよ。
こんな高校生が頑張っているような大警視・川路って、もうがっかり感が半端ない。ま、それを言うならば明治新政府全員薄くてペラペラですけどねえ。

ここで「ボウズシサツセヨ」の、例の電信文が出てきました。

うーん、このあたりもねえ。

近年の研究では、この電信文原因説にもいろいろ出てきておりまして。
意欲的な脚本家ならば、そのへんの最新説を踏まえてきたと思います。

『八重の桜』における川崎尚之助

真田丸』における豊臣秀次切腹

『おんな城主 直虎』の小野政次

彼らは新しい姿を見せることに成功していました。

しかし、本作にそんなこと望んでも無駄無駄。
知ってた(´・ω・`)

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