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西南戦争での西郷って結構えげつない
密偵・中原が捕まるうだうだ感。
無駄としか思えない入浴シーンも入ります。
このへんも桐野利秋が可愛そうで、まーた桐野が悪いことになっちまったな感が満載です。
最近の研究だと西郷隆盛をかばうために、桐野が使われちまった感があるとされているわけですが、まあ、そんなことを本作スタッフが考えて描くわけがない。
明らかに西郷が悪い局面でも人任せにばかりしてきましたからね。
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西郷どんが、密偵の中原すら「かばいます」と描くのも白々しい。
だって西南戦争での西郷って結構えげつないですよ。
民家も被害甚大だし、奄美大島を脅して軍資金を調達するし。
政府軍の兵士が、拷問にあった挙句ズタボロに切り裂かれて死んでいた――なんて記録もあります。
そういうことは全部無視して、西郷どんはクリーン!
悪いのは周囲だ、大久保だ!とやりたいようです。
あーあ、もう、うんざりだな。
黙って戦場へ出向く その覚悟に胸打たれるんでしょ
「好みを犠牲にしてでも政府を軌道修正するんだもん!」
「先人たちの願いを背負ってまつりごとの誤りを正すんだもん!」
と、ピアノBGMを背負って言うのもアホくさです。
西郷どんが政府のトップだった頃だって、汚職ガンガン発生して止められなかったじゃないですか。
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西郷から大久保にトップが変わって悪くなったって?
いやいや、維新以来そんなものでしたよね。
西郷どんがうんざりすぎて、刺殺でもなんでもしてしまえよ、という気分になってしまってつらいです。大久保がんばれ、応援しているぞ!
こんな偽善アピールしている暇があるなら、もっと描く政治情勢あるでしょ。
西郷菊次郎の従軍しますアピールも鬱陶しい。
『八重の桜』における、八重、山本三郎あたりと比較すると笑えますよね。
八重なんて黙って軍服着て銃を担いで、颯爽と城に向かいました。
こんなしょうもない場面を見どころだと言い張る本作。意味がわかりません。
どうして、西郷どんとその家族が戦うのは「かわいそ〜〜」ってダラダラやるんですか?
戊辰戦争で降伏していた会津藩以下、戦いたくない国を無理に戦に引きずりこんだ「戦の鬼」のくせに今更何なんだ。
「戦う西郷どんかわいそーっ!」って、今更何を言ってんだこいつ?
ついでに言うならば、西郷は征韓論だって朝鮮半島で武力衝突やる気まんまんだったんですよ。
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こんなしょうもないことをやるくらいなら、いい加減政治事情やってくれよ!!
誰? 相も変わらず西郷どん仲間は全員モブ
この後、雪の中で桂久武がやって来ます。
誰でしたっけ?
なんか西郷どんの仲間が出てきますが、もう全く見分けがつきません。
全員モブだな。誰が退場してもどうでもエエわ。
今更ながらに、しょうもない犬アピールも急に入ります。
結局、最後まで犬と子役とホームドラマに頼るしかない、どうしようもないドラマです。
妹・琴子は「従軍する息子を無事返せ」というのですが、こういう時代ものを描くセンスが欠落しているとしか言いようがありません。
武家の女が、我が子を無事戻せなんて言うかっつの。
だいたい、戊辰戦争のときに琴子の息子、一人戦死していますよね?
それはスルーしたのにな。
急にどうしたんよ。
あの西郷さんも倒幕の重圧でメンタルはボロボロだった? 中間管理職は辛いよ
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菊草に島唄歌わせるセンスも最低です。
西郷隆盛が軍資金確保のために、奄美大島に対してどれだけ酷いことしたと思っているんですか。
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もうね。
とにかく最初から最後まで西郷どんを持ち上げるため、周囲を徹底しておとしめる――本当に胸くその悪い最低ドラマです。
はい、ついに西南戦争スタートし!
大久保利通がブチギレ、岩倉がまたヘタレ麻呂を披露。
どこまでもどうしようもないドラマです。
本作のよいところ?
あと数回で終わることくらいですかね。あーもううんざり!
総評
◆描かれた西郷どん展:関連イベント「餅のような人」脚本家・中園ミホさん語る 小倉北(→link)
餅?
それって、結局、どんな餅ですか?
その餅を柔らかくするために、周囲はとことん小馬鹿にされたのですか?
もうひとつ。
本作がらみで辛くてたまらなかったニュースがこちら。
◆【西郷どん】国父・久光のイメージアップに貢献 青木崇高の熱演に称賛の声(→link)
なんでしょう、この提灯記事は。
まぁオリコン相手にムキになるなよ、ってツッコミもあるかもしれませんが、本作の島津久光描写の酷さは、現島津家当主も苦言を呈したほどです。
しかし、そうやって意見を表明できたのも、子孫である殿だったから……。
地元民は、ただただ辛いだけかもしれません。
確かに青木崇高さんは頑張っていました。
それを、よりによってNHKが
「ひさみちゅ」
だの
「国父チャンネル」
だの、バカみたいなオモチャ扱いしてしまう。
一体どこが再評価なの?
『八重の桜』の松平容保が、そんな扱いされましたか?
青木さんの工夫と比較するつもりはありません。
が、あのときの綾野剛さんは重圧をひしひしと感じているとご本人も語っておられました。
容保役のオファーがきたとき、綾野さんは「殿様というと年配の方が演じるイメージがあったので驚きました」と笑うが、演じると決めたときは「どう演じようかとかは考えなかった」という。「書物やインターネットを通じて容保を知ることはできるが、実際の容保を知っている人は誰もいない。あるのは松平容保という人が生きていたという事実だけ。僕はその事実を曲げずに体を使ってきちんと容保を生きるしかない。どう演じようかとか“変化球”なんて考えられなかったです」と率直な思いを語る。
これは役者としての差というより、現場に漂う空気感や、脚本の質も大きいのでしょうね。
むしろあの容保像は、その美しさや健気さに、視聴者がこれぞ本物の殿であると感動したほどです。
そりゃ、松平家現当主も5年の時を越えて絶賛しますよ。
ラストに至るまで、ありとあらゆる人々に侮辱を投げつけ続けた本作。
西郷どんを庇うためなら、大久保も、桐野も、庄内の人々もどうでもいい。
そう言いたげなエッセンスが凝縮された、不愉快な回でした。
この作品が『八重の桜』のように何年経っても愛されていることなんてありません。
むしろさっさと忘れ去られたい作品となるでしょう。
八重と同じ放送局がナゼこんな酷いものをこしらえましたか?
きっちり反省してください。
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著:武者震之助
絵:小久ヒロ
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【参考】
西郷どん感想あらすじ
NHK西郷どん公式サイト(→link)等