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【大村純忠】
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純忠の孫も熾烈に弾圧
純忠の政治に対し、領民や家臣の反発は強く、たびたび内乱が勃発しました。
そうこうしているうちに隣国の龍造寺に押され、一時期はその配下になりますがが、龍造寺隆信が亡くなると、替わって侵攻してきた豊臣秀吉に従い、首尾よく本領を安堵されます。
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しかし、すでに身体は病に蝕まれていて、間もなく死去。
伴天連追放令が出されたのは死の1カ月後だったため、信者だった息子はアッサリ棄教し、その後、猛烈にキリシタンを弾圧いたします。
さらには純忠の孫も熾烈に弾圧……と、ホントにここの領民は振り回されっぱなしでした。
「小鳥には愛情を持って接してほしいんじゃ」
そんな純忠ですが、死の前日には「それまで飼っていた小鳥を逃してやった」という優しげな逸話がありまして。
体力がなかった純忠は侍女にそれを頼んでいたのですが、侍女が小鳥を粗末に扱ったため腹を立てます。
しかし、怒ることはデウスの教えに反すると思い直し、侍女に高価な帯を与え
「小鳥はデウス様がお創りになったもの。だから愛情を持って接して欲しい」
と諭したそうです。
改宗しない領民を殺し、更には奴隷貿易で売り飛ばしておきながら、最期には小鳥に愛情を……って、なんじゃ、それ。もしかして天国へ行きたかったのかなぁ!?
中世を現代人の感覚で見るのは間違いとはいえ、やはり純忠の天国行きは納得がいかない。
悪人度は、鳥の分を換算せずに★3としておきましょう。
【日本史ワル査定】
悪人度 ★★★☆☆
影響力(権力)★★☆☆☆
キリシタン度 ★★★★★
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【参考】
峰岸純夫/片桐昭彦『戦国武将合戦事典(吉川弘文館)』(→amazon)
歴史群像編集部『戦国時代人物事典(学習研究社)』(→amazon)
『国史大辞典』
大村純忠/wikipedia