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【長谷川与次・市橋長利・長谷川宗仁】
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「その素晴らしさは、とても言葉には表せない」
この茶会は、六畳の間で行われたそうです。
当然、信長もその場にいたはずですから、計14人が一部屋に集まっていたことになります。
当時の日本人は現代よりは小柄とはいえ、信長は170cm前後あったとされているので、この中には似たような身長の人もいたでしょう。
想像してみると、ちょっと狭苦しい感じがしますね。
『信長公記』には、この茶会で飾られていた品や使われた茶道具などについても詳しく記されています。
・玉澗の岸の絵
・西に「三日月」の茶壺、東に「松島」の茶壺
・四方盆に「万歳大海」の茶入
・水指(みずさし)「帰花(かえりばな)」
・珠光の茶碗
・囲炉裏に姥口(うばぐち)の釜を吊った
・花入れは筒型
水指というのは、茶釜に足す水や茶道具を洗うための水を入れておく容器です。
また「姥口の釜」というのは老女の口のように、すぼまった口をした釜のこと。
茶会が終わった後に他の武将たちも出仕し、三献の作法で盃を振る舞われたようです。
酌は矢部家定・大津長治・大塚又一郎・青山忠元。その後、皆に御殿の見物が許されました。
障壁画は狩野永徳の手による濃絵(だみえ)で、三国の名所が描かれていたといいます。
信長の御用絵師・狩野永徳が命を懸けた天下一絵師への道 48年の生涯を振り返る
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名物道具もたくさん飾られており、太田牛一は
「その素晴らしさは、とても言葉には表せない」
と感嘆の念を記しています。
見物の後は、座敷に召された全員に、雑煮と舶来の菓子が与えられたとか。
どのような菓子だったのかという記載は残念ながらありませんが、以下に三英傑(信長・秀吉・家康)に関する菓子の記事があります。
信長・秀吉・家康~天下人に愛された和菓子の歴史 そして甘美は全国へ広まった
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後に、信長が家康を安土城に招いて接待したときに出された菓子が
・羊羹
・薄皮饅頭
・羊皮餅(詳細は不明)
・まめあめ(大豆をいり飴で固めたもの)
・おこし米(餅米を入り飴で練ったもの)
でした。
舶来の菓子となると、上記のラインナップとは異なりそうですが、いずれにせよ甘いお菓子は凄まじく貴重な品であり、信長が天下人として君臨していく様子が浮かび上がってきますね。
万見重元の屋敷でも茶会
4日には、万見重元(まんみしげもと)の屋敷でも茶会が開かれました。
前年末に信長から信忠へ贈られた茶器を披露するのが目的。
このとき招かれたのは、
・武井夕庵
・松井友閑
・林秀貞
・滝川一益
・長谷川与次
・市橋長利
・丹羽長秀
・羽柴秀吉
・長谷川宗仁
以上の9名ですので、メンツはほとんど同じですね。
主催や茶頭については記載されていません。
この後、信長から長利に「芙蓉の絵」が下賜されたとあるので、信長と信忠の主催でしょうか。
和やかな年明けは安土だけでなく、京都でも同じでした。
次回はこの年の京都の様子が語られます。
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信長公記をはじめから読みたい方は→◆信長公記
長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
太田 牛一・中川 太古『現代語訳 信長公記 (新人物文庫)』(→amazon)
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