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【島左近】
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関ヶ原で奮戦の末に散る
石田家に仕えてから、三成と共に各地の戦場を駆け抜けた島左近。
しかし、その名に比して武功が目立たないのも、最前線で槍を振り回すタイプではない主君・三成の立場からして仕方ないのかもしれません。
島左近の名が最も輝くのは慶長5年(1600年)、そのまんま【関ヶ原の戦い】です。
西軍は、前哨戦となる【杭瀬川の戦い】で快勝するのですが、
実は西軍の勝利だった関ヶ原前哨戦「杭瀬川の戦い」家康も三成もガクブルの連続だ
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この戦いで堂々と不意打ちをかけ、勝利に導く左近の姿は爽快感にあふれています。
ただし、その直後に提案した渾身の「夜襲案」は退けられてしまい、どこかチグハグなまま迎えた関ヶ原本戦――正午過ぎ、小早川秀秋の寝返りで西軍内に動揺が走る中、島左近は三成の陣で奮戦を続けます。
しかし、裏切りは小早川で終わらず、そもそも、その小早川を食い止めるために配置されていたとも考えられる
・朽木元綱
・赤座直保
・小川祐忠
・脇坂安治
の四人までもが東軍についてしまいました。
さすがの島左近もこれには落胆を隠せなかったでしょう。
最期は、その身を銃弾に貫かれたとか、戸川達安に討たれたとか、諸説伝わります。享年61。
島左近の激闘ぶりを見た東軍は、こう振り返ったといいます。
「思いだすだけでまことに身の毛もよだつ……汗がにじんでしまう」
島左近とは何者か?
そう語り合うと、みなそれぞれ特徴が一致しない。
恐怖のあまりマトモに見ることすらできなかったのだろう、と結論づけられたとか。
奈良県を代表する戦国時代の人物に
豊臣を守るために立ち上がった石田三成。
その三成と共に戦う大谷刑部。
そして島左近――。
この西軍を代表する三人組は、忠義の象徴として、今なお高い人気を誇っています。
関ヶ原という舞台に欠かせぬ人物であるため、大河ドラマはじめ多くのフィクションに登場。
「名場面に欠かせない」という意味では、森蘭丸と似た立ち位置ともいえるかもしれません。
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興味深いことに、島左近は奈良県の戦国時代を代表する人物といえるかもしれません。
筒井順慶は「洞ヶ峠の日和見」の印象が強く、どうにもイマイチ。
松永久秀は、見直しが進んでいるとはいえ、未だに「戦国一の梟雄」だの「平蜘蛛抱えたボンバーマン」といった印象がつきまとう。
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柳生宗矩は、将軍指南役であり、大河ドラマ『春の坂道』の主役でもありますが、どうにも『柳生一族の陰謀』や『魔界転生』の印象が強く、妖しくて狡猾な印象が強く漂っている。
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こうして考えてくると、忠義にあつく、強い島左近は、実に押しやすい――。
今後も石田三成の横で、大和代表の英雄として活躍してくれるでしょう。
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文:小檜山青
※著者の関連noteはこちらから!(→link)
【参考文献】
歴史群像編集部『戦国時代人物事典』(→amazon)
大石泰史『全国国衆ガイド』(→amazon)
笠谷和比古『関ヶ原合戦と大坂の陣』(→amazon)
他