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勝家以上に激しい信孝の死に様
敗戦後、信孝には呆気なく自害の命が下されました。
死に場所は、その昔、源義朝(源頼朝のお父ちゃん)が部下に裏切られて殺されたお寺。いわくつきの場所で腹を切った信孝は、そのとき思わぬ行動に出ます。
なんと、掴みとった自分の内臓を床の間の掛け軸に投げつけたというのです。
勝家以上に激しいエピソードですね。というか、もしかしたら知人が見たという漫画は、信孝と勝家をミックスしてアレンジしたのかもしれません。
ともかく信孝の辞世の句は、真偽の程は不明ながら(後世の創作か?)その死に様を表すかのように激しいものでした。
昔より 主を討つ身の 野間なれば 報いを待てや 羽柴筑前
【意訳】源義朝が部下に襲われて命を落としたようにここは主君が死ぬ場所。次はお前がそうなるのを待っているんだぞ、秀吉
実際、ハラワタを掴んで投げるなんてのは、相当な怒りを持ったツワモノにしかできません。
そもそも内臓を掴める程に大きく腹を切れば、痛みや出血などでショックを起こすことがあり、内臓を支配している迷走神経が刺激されると「血管迷走神経反射」を起こし、血管の拡張により脳血流が保てなくなって失神する可能性があります(採血した後に倒れるあれです)。
ただし、副交感神経である迷走神経と逆の作用をもつ『交感神経』が興奮しまくっていれば、これをしのげる可能性もあり、信孝のケースもそうだったのかもしれません。
いずれにしても私は内科医ですので、切腹した人を見たことがございません。ビールと一緒に食するホルモンは大好きなんですけどね……。
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