確かにその通りかもしれないのですが、実際に目の前で繰り広げられると最悪の気分になると証明するドラマ。
それが本作です。
連戦連勝、疾風怒濤、義に生きるスターク家がいつの間にか窮地に陥る。
その一方で戦は負けっ放しなのに、奸悪な計略を打ち出すラニスター家が高笑いする。
シーズン3は、ラニスター家が血まみれの雄叫びをあげる展開です。
シーズン1~8や前史も含めて全部で14本の解説記事!
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王たちの破滅
「五王の戦い」は、あっと言う間に王が没落する姿を見ることになります。
◆鉄の王座:ジョフリー・バラシオン&外戚ラニスター家
ロバート王の後継者として正式指名された王。前王の嫡子ではなく王妃サーセイとジェイミーのラニスター姉弟の不義密通の子であるとして、他の王たちが蜂起しました。
王の手:タイウィン・ラニスター
長所:ラニスター家の智謀と政治力、ティレル家の潤沢な資金力
短所:ジョフリーは私生児というゴシップ、家族間の不和
◆北の王:ロブ・スターク
北部総督エダード・スターク非業の死を受け、叛旗を翻した若き王。まだ若いながらも無類の強さを誇り、ラニスター家随一の名将ジェイミーを捕縛。連戦連勝するものの、ロブの婚約破棄とカースターク家の離反で追い詰められます。
長所:戦争に強い、タリー家との強固な同盟関係
短所:姻戚関係の破棄、策略に弱い
◆正統なる王:スタニス・バラシオン
ロバート王最年長の弟であり、我こそは正統なる王として名乗りをあげたスタニス。正統性ならば彼が随一です。それにも関わらず、新興宗教を保護して反発をかっています。おまけに虎の子の艦隊が壊滅し、陸上戦を挑むしかない状況。
王の手:ダヴォス・シーワース
長所:正統性、凄腕の妖術使いがいる
短所:新興宗教を強要するため反発をかう、人望に薄い、強力な艦隊を失った
◆王弟:レンリー・バラシオン
滅亡。
◆塩の王座:ベイロン・グレイジョイ
9年前に鎮圧された反乱の夢よ再びと、混乱に乗じて挙兵。ただしさほど動きは活発ではありません。嫡男シオン・グレイジョイはボルトン家の捕虜に。
長所:圧倒的な艦隊の力
短所:陸にあがれば河童状態。正統性がまったくない
主要な事件&戦いリスト
◆レッド・ウェディング(赤い婚礼)
When(いつ):300
Where(どこで):リバーランズ、フレイ家本拠・双子城(ツインズ)
Who(誰が):ラニスター家・フレイ家・ボルトン家VSスターク家・タリー家・北部諸侯
What(何を):エドミュア・タリーとロズリン・フレイの婚礼
How(どのように):その場で参列者を謀殺
影響・結果:ロブ・スターク崩御、タリサ・スターク死亡、キャトリン・スターク死亡、その他犠牲者多数。スターク家は実質的に滅亡
エドミュア・タリーは捕縛(妊娠したロズリンは実家に保護される)
ボルトン家が北部総督に任じられる
ブリンデン・タリーは逃走に成功
【補足】婚礼の悲劇
日本の戦国時代でも、祝言はしばしば暗殺の現場になりました。『真田丸』でも真田信繁と梅の祝言が、室賀正武暗殺に利用されました。
本作にインスピレーションを与えた事件は、1440年の「ブラックディナー」と、1692年の「グレンコーの虐殺」という事件です。どちらもスコットランドで起こった騙し討ちのような虐殺事件でした。
スコットランドは氏族(クラン)同士の対立が激しい地域でした。グレンコーの虐殺では、対立している氏族を滅ぼすためにイングランドと手を結んだ氏族がいます。この行動はボルトン家やフレイ家がラニスター家と結んだものと似ています。
こうした騙し討ちは効率的に相手を滅ぼすことができるとはいえ、卑劣なものとして嫌われます。
「グレンコーの虐殺」は非難を浴びましたが、本作でのこの行動も北部諸侯はじめ、多くの人々の憤激を招きました。
「北部は覚えている」
この言葉が、合言葉になります。
◆アリア、危機一髪
ヨーレンが殺されたあと、アリアは危険極まりないウェスタロスを旅していました。
途中で脱走してきたハウンドことサンダー・クレゲインと合流を果たしたアリア。なんとか結婚式まで駆けつけるものの、危険なところでした。
もう少しタイミングがずれていたら、彼女も殺害されていたことでしょう。
◆政略結婚による同盟固め
ロブが政略結婚を拒否して突き進む一方で、ラニスター陣営は着々と政略結婚を勧めていました。
◆ジョフリーとマージェリー・ティレル
サーセイとロラス・ティレル
ティリオンとサンサ
サーセイとロラスの結婚は話だけに終わったものの、タイウィンは当事者の反対を押し切って進めていきます。このあたりがスターク家とラニスター家の違いです。
しかし政略結婚をすれば安泰というわけでもなく、この縁談によって壊れたティリオンと恋人シェイの関係は、二人の間に暗い影を落とします。
◆ティリオンの初恋
サンサとの縁談が出た際、ティリオンは前妻の話を持ち出します。彼にとってこれは初婚ではありませんでした。
多くの愛人や娼婦と関係を持ちながらも、どこか寂しげなティリオン。彼にはかつて、心から愛した女性がいました。
16才の時、ティリオンは路上で陵辱されそうになっている娘を見つけました。ジェイミーが犯人を追撃している間、ティリオンは彼女を助け、恋に落ちました。
彼らは酔っ払ったセプトン(司祭)に金を払い、結婚の誓いを立てさせました。彼らは二週間ほど幸せに暮らしたのです。
まさか弟が結婚すると思っていなかったジェイミーは、弟にこう言います。
「あれは、お前に初体験させるための芝居だった」
タイウィンは兵士たちにティシャを陵辱させ、それをティリオンに見るように強制しました。
兵士が陵辱するたびに、ティシャの掌に銀貨が押し込まれました。あまりに回数が多すぎて、銀貨は山を成しました。
それからティシャは姿を消し、ティリオンは二度とティシャに会うことも、噂を耳にすることもなかったのです。
ティシャが本当に娼婦であったのか、仕組んだことだったのかは、実のところ不明です。
◆パープルウェデイング(紫色の婚礼)
When(いつ):301
Where(どこで):キングスランディング、レッドキープ
Who(誰が):ジョフリー・バラシオンとマージェリー・ティレルの婚礼
What(何を):婚礼の席でジョフリー王が突然倒れ、顔色を紫に変色させて死亡
How(どのように):毒殺
影響・結果:ティリオン・ラニスターの逮捕
ティリオンの妻サンサ・ラニスター(スターク)の逃亡
ジョフリー崩御に伴うトメンの即位
◆ジョフリー王暗殺事件に関するティリオン・ラニスター裁判
When(いつ):301
Where(どこで):キングスランディング
Who(誰が):原告:摂政太后サーセイVS被告:ティリオン・ラニスター
What(何を):サーセイの闘士グレガー“マウンテン”・クレゲインVSティリオンの闘士:プリンス(公弟)・オベリン・マーテル
How(どのように):グレガーがオベリンの頭部を潰し殺害、原告の勝利
影響・結果:ティリオン・ラニスターの死刑確定
ラニスター家に対するマーテル家の怨恨が一段と深まる
グレガー・クレゲインが改造戦士にされる
◆南方の雄・マーテル家
ウェスタロスの有力貴族の中で、一番登場が遅いドーンのマーテル家。他の家とも血統・風習・文化が異なります。
彼らはバイセクシャルを好ましいこととし、性的な自由さを重んじます。
「多くの美しい男、女を抱いてきた」
というのは、ドーンの人々にとって賞賛すべき言葉です。
ロバートの反乱においては、ティレル家と並び、最後までターガリエン王朝に忠誠を誓っていました。
毒の扱いにも長けており、オベリンの槍にも強烈な毒が塗られていました。
◆ラニスター家VSマーテル家
この両家の不幸な因縁は、ロバートの反乱の時まで遡れます。
キングスランディングに一番乗りを果たしたラニスター家は、レッドキープにいたレイガー・ターガリエンの妃エリア(オベリンの姉)を見つけ出します。
グレガー・クレゲインはエリア妃の目の前で王子と王女を惨殺し、さらに妃を陵辱してから剣で両断し殺害。
オベリンが決闘中、エリアの名を叫び、「お前は我が姉を陵辱し殺した!」と言っていたのはそのことです。
決闘裁判で殺害されたとはいえ、マーテル家の恨みはより一層深まりました。両家の対立は続きます。
◆サーセイの苦い思い
サーセイ側もマーテル家には好感情がありません。しかしその理由は身勝手なものでした。
タイウィンやケヴァンといったラニスター家の人々は、美しく成長するサーセイをみて、王妃としてレイガーに嫁がせようと考えていました。
サーセイもハンサムなレイガーの妃になることを長いこと夢見ていたのです(とはいえ、同時進行でジェイミーとの関係を続けていますが)。
しかしレイガーの妃に選ばれたのは、マーテル家のエリアでした。
家柄でも容姿でも格下、しかも病弱なエリアに破れたサーセイは恨みをつのらせます。
レイガーはその後、エリアをさしおいてスターク家のリアナと恋に落ちます。
この禁断の愛は、ロバートの反乱とターガリエン家滅亡の一因となりました。
リアナはロバート・バラシオンの婚約者でした。サーセイはリアナに対しても敗北感を味わい、スターク家を嫌うことに。
サーセイは結局ロバート新王の王妃となるわけですが、ロバートは泥酔した状態で初夜の寝床に潜り込んできます。しかもサーセイの耳元で「リアナ」とささやいたのです。
両者の仲は険悪になりました。
美貌で知られたサーセイですが、彼女を女性として心から愛したのは、皮肉にも弟のジェイミーだけでした。挫折の多い女性なのです。
◆マウンテン改
オベリンの槍に塗られた毒で死んだかのように思えるマウンテンことグレガー・クレゲイン。しかし、サーセイのお気に入りのクァイバーンの手によって復活を遂げます。
クァイバーンはシタデル(知識の城)で学んだものの、マッドサイエンティスト的な実験を行ったため、学鎖を剥奪された男です。何かよからぬ手段を使ったことは確かでしょう。
なお、彼の復活術は「光の王」がらみの術とは異なるようです。
◆オースキーパー、「誓いを守るもの」
キャトリンによって解放され、キングスランディングまでブライエニーに護送されてきたジェイミー。
右手首を失うかわりに、純粋なブライエニーの影響もあるのか、人間らしさを得たかのような変化を視聴者に見せます。二人の奇妙な友情はシーズン3の見所です。
ジェイミーがキングスランディングから旅立つブライエニーに渡した剣は、「オースキーパー」。「誓いを守るもの」という意味の剣です。
これはスターク家に伝わるヴァリリア鋼の剣で、エダード・スタークが所有していました。シーズン1冒頭で処刑に用いているのがこの剣です。
エダードの手からラニスター家にわたったあと、鍛造し直して二振りの剣になりました。片方がジョフリーが手にした「ウィドウズウェイル(未亡人の嘆き)」。
そしてもう一方がこの「オースキーパー」です。
ヴァリリア鋼の剣といえば各家が欲しがるもの。ラニスター家にはかつて「ブライトロアー(輝く咆哮)」というヴァリリア鋼の剣がありましたが、紛失しました。
ジェイミーの叔父ジェリオンは、この剣を探しに旅に出て客死しています。
それほどの剣をブライエニーに託し、かつ仇であるスターク家を守るように頼むジェイミー。サーセイよりもはるかに人間らしいと言えるでしょう。
「熊と乙女」
ウェスタロスで有名な曲です。
ジェイミー右腕切断後、クレジットで流れた曲です。
不器量な熊と美しい乙女という組み合わせ。グレガー・クレゲインとサンサ、ジョラーとデナーリス、そしてジェイミーとブライエニーの組み合わせにも似ています。
そして熊と戦うことになったブライエニーの場面も象徴しています。
From there, to here. From here! To there!
All black and brown and covered in hair!
He smelled that girl on the summer air!
The bear! The bear!
The maiden fair!
Oh, I'm a maid, and I'm pure and fair!
I'll never dance with a hairy bear!
I called a knight, but you're a bear!
All black and brown and covered in hair!
He lifted her high in the air!
He sniffed and roared and he smelled her there!
She kicked and wailed, the maid so fair!
He licked the honey all up in her hair!
From there to here. From here! To there!
All black and brown and covered in hair!
He smelled that girl on the summer air!
The bear! The bear!
The maiden fair!
And the bear, the bear!
The maiden fair!
And the bear, the bear!
She sighed and she squealed and she kicked the air!
Then she sang: My bear! My bear so fair!
And off they went into the summer air!
The bear, the bear,
And the maiden fair!
From there to here. From here! To there!
All black and brown and covered in hair!
He smelled that girl on the summer air!
The bear! The bear!
The maiden fair!
And the bear, the bear!
The maiden fair!
And the bear, the bear!
The maiden fair!
And the bear, the bear!
あそこからここまで。ここから! あそこまで!
黒と茶色の毛で覆われている!
彼は夏の空気に包まれた乙女の香りを嗅いだ!
熊! 熊!
そして乙女!
ああ、私は乙女、純真で美しい!
私は毛むくじゃらの熊と踊ったことなんてないのに!
私は騎士を呼んだのに、あなたは熊だわ!
全身黒と茶色の毛で覆われた熊!
熊は乙女を空中高く掲げた!
彼女は蹴り嘆いた、美しい乙女!
彼は彼女の髪についた蜂蜜を舐めた!
あそこからここまで。ここから! あそこまで!
黒と茶色の毛で覆われている!
彼は夏の空気に包まれた乙女の香りを嗅いだ!
熊! 熊!
そして乙女!
そして熊、熊!
そして乙女!
そして熊、熊!
彼女はため息をついて悲鳴をあげて、空中を蹴る!
そして彼女は歌った「私の熊さん! 素敵な熊さん!」
彼らは夏の空気の中に飛び出す!
そして熊、熊!
そして乙女!
あそこからここまで。ここから! あそこまで!
黒と茶色の毛で覆われている!
彼は夏の空気に包まれた乙女の香りを嗅いだ!
熊! 熊!
そして乙女!
そして熊、熊!
そして乙女!
そして熊、熊
そして乙女!
そして熊、熊!
主要な事件&戦いList
◆タイウィン・ラニスター暗殺事件
When(いつ):301
Where(どこで):王の手の塔、キングスランディング
Who(誰が):タイウィン・ラニスターVSティリオン・ラニスター
What(何を):ジェイミー・ラニスターがティリオン・ラニスターを逃す。ティリオンはその後、元恋人のシェイとタイウィンを殺害
How(どのように):弩弓による射撃
影響・結果:ティリオン・ラニスターはヴァリスの手を借りて逃亡
「お前は私の息子ではない」(ネタバレ注意、気になる方は飛ばし読み推奨)
タイウィンはティリオンに対して、「お前は私の息子ではない」と言い残して亡くなりました。
生まれた瞬間に最愛の妻ジョアナを死なせ、醜く皮肉屋である我が子を嘆いてのように思えますが、それ以上の意味があるかもしれません。
タイウィンの亡妻は、従妹にあたるジョアナでした。タイウィンは妻をこよなく愛し、彼女を失ってからは笑うことすらなくなったと言われているほどです。
ブロンドの美女であったジョアナは、エイリス2世(デナーリスの父)の宮廷で女官をしていました。
エイリスはしつこくジョアナに誘いを掛けていました。ジョアナは拒んでいましたが、狂王と呼ばれたエイリスが何をしたかは当事者にしかわかりません。
ティリオンの父は、タイウィンではなく、ジョアナを陵辱したエイリスではないかという説が出てきます。
この説に従うと、ティリオンはデナーリスの異母兄ということになるのです。
もしそうであれば、タイウィンの異常なまでに冷淡な息子への態度もある程度腑に落ちます。
庶出であるため王位請求権はないとはいえ、ターガリエンの血を引く者も一人増えることになります。
いずれにせよ、当事者が全員死亡した以上、ティリオンの実父を特定することは極めて難しいでしょう。
◆キャッスルブラック(黒き城)の戦い
When(いつ):301
Where(どこで):壁、キャッスルブラック
Who(誰が):ナイツウォッチ、スタニス・バラシオン連合軍VSマンス・レイダー率いる自由の民(野人)、巨人等
What(何を):ホワイトウォーカーの脅威が迫る中、自由の民が壁を乗り越え侵入を果たそうとした
How(どのように):圧倒的な不利の中、防戦を強いられるナイツウォッチ。バラシオン軍の騎兵により逆転勝利
影響・結果:マンス・レイダーが捕虜となる(のちに処刑)
野人の軍勢はほぼ壊滅状態に。トアマンド他多数が捕虜となる
スタニス・バラシオンは北部に転戦することになる
ジョン・スノウ、新総帥に任命される
◆「壁の向こうの戦い」
ジョン・スノウの冒険は長いこと描かれて来ましたが、彼の活躍がウェスタロスの状況に影響を及ぼしたのはこのときからでしょう。
ホワイトウォーカーが迫る中、総帥ジオー・モーモントを失ったナイツウォッチ。まだ若いジョン・スノウは、持ち前のリーダーシップを見せて勇敢に戦い抜きます。
恋人イグリッテを失うものの、彼は城を守り抜きました。
ホワイトウォーカーらの脅威が迫るのはこれからです。
◆ホワイトウォーカー
青く輝く目、白い肌、白い髪をした謎の存在。数千年生きる魔術により作り出された存在。死体を操り、ワイトとすることができる。ウェスタロスの人々は伝説的な存在であり、実在を信じていません
◆ワイト
ホワイトウォーカーに操られる蘇った死体。ドラゴングラス(黒曜石)、炎が弱点
自由の民(野人):国に属せず、壁の向こうで暮らす人々。道徳観念や文化が異なることから、壁の内側で暮らす人々からは蔑まれ「野人」と呼ばれています。マンス・レイダー、オシャ、イグリッテ、トア
◆マンド、ジリら
巨人:壁の向こうで暮らしています。伝説上の存在とされていましたが、実在しています
◆スタニス・バラシオン、北へ
ブラックウォーター湾で惨敗したスタニスは、ナイツウォッチからの援軍要請受け、「王の手」ダヴォス・シーワースらとともに援軍に駆けつけました。このあと、スタニスは北部攻略をめざし進軍を続けます。目指すはボルトン家の本拠地となったウィンターフェルです。
◆スレイバーズベイ(奴隷港)解放
When(いつ):300-303
Where(どこで):エッソス、スレイバーズベイ
Who(誰が):デナーリス・ターガリエン、アンサリード(穢れなき軍団)、セカンドサンズ(次子たち)、ロラク家他VS奴隷商人
What(何を):奴隷解放とエッソス統治を求めたデナーリス・ターガリエンの戦い
How(どのように):ドラゴン、アンサリードらによる軍事制圧
影響・結果:ターガリエン王家の復活
◆「竜の母」の戦い
シーズン1で夫と我が子を失い、何もかも失ったデナーリス。エッソス征圧により頭角を現し、ウェスタロスの人々にとっても脅威とみなされるようになります。
◆「焼けずのデナーリス」
兄ヴィセーリスが焼け死ぬ様子を、微笑みながら見守ったデナーリス。
本物のターガリエンの人間ならば、熱と炎では死なない、兄は偽物のドラゴンであったと確信していたのです。
デナーリスは初登場時入浴していますが、あれはかなりの熱湯でした。あの時点で彼女は「焼けず」の、本物のドラゴンであることが示されています。
デナーリスはシーズン1で、夫を火葬にするための猛火に入り込んだにも関わらず、無傷でした。しかも長いこと絶滅していたドラゴンの卵が一気に三つも孵化しました。
魔術によるもので、ホワイトウォーカーの脅威とつながりがあるのかもしれません。
◆モーモント家
裏切りにより無念の死を遂げたジオー。デナーリスの側近として使えるジョラー。彼らは父子です。
ジョラーは勇敢な騎士として、「グレイジョイの反乱」で勇名を馳せました。若くして最初の妻を亡くしたジョラーは、リニーズ・ハイタワーという美女と再婚しました。
彼女は夫の領地であるベアアイランド(熊諸島)で退屈をもてましました。しかも浪費癖があったのです。
最愛の妻のためにジョラーは金銭を工面しますが、資源も少ない領地では限界が訪れます。ジョラーは人身売買に手を出し、北部総督エダード・スタークを激怒させたのでした。
ジョラーは地位を剥奪され、ウェスタロスから追放されます。
父のジオーは、我が子に譲るはずであったヴァリリア鋼の家宝・ロングクロウをジョン・スノウに譲ることになります。
残されたジョラーの妻は裕福な商人と再婚。モーモント家の家督は、妹のメイジが継承しました。
メイジは「五王の戦い」の間で戦死を遂げ、家督はまだ幼い娘のリアナが継ぐことになります。
◆狂王の血脈
デナーリスはがんばって奴隷解放に励んでいるのに、悪評ばかりが流れています。これにはターガリエンの血統も影響しています。
父王エイリス2世、ヴィセーリスをはじめ、ターガリエン家には凶暴な血と英雄的な血が両方流れています。
デナーリスが前者か後者か、人々は見極めようとしているのです。
「五王の戦い」後半名将伝
どこかのゲームで見覚えのあるパラメータ設定してみました。
【壁の戦士たち】
◆ジオー・モーモント
統率 88
武勇 78
知略 64
政治 78
カリスマ性、温厚さを備えた理想的リーダーだったはずですが。
◆ジョン・スノウ
統率 89
武勇 107(ダイアウルフ補正+20)
知略 58
政治 68
◆サムウェル・ターリー
統率 21
武勇 18
知略 91
政治 78
父は猛将系なのに、息子は知略系。彼の知略はのちのち役立つことでしょう!
【「竜の母」の宮廷】
◆デナーリス・ターガリエン
統率 72
武勇 45
知略 42
政治 39
特殊能力:竜の母(ドラゴンを操る)
本人の能力以上にドラゴンが強い。ドラゴンに頼らなければどこまで強いかは疑問。そろそろ知将が欲しいところ。
ジョラー・モーモント
統率 72
武勇 88
知略 32
政治 21
ウェスタロスでも名高い騎士。カリーシが好き過ぎて、愛に力でパワーアップしていると思われる節が。
バリスタン・セルミー
統率 95
武勇 91
知略 54
政治 32
全盛期は30年くらい前か。その頃と比べると落ちているとはいえ、強い。もっと活躍して欲しかった。
グレイワーム
統率 91
武勇 85
知略 52
政治 51
実力未知数の部分もあるけど、頼りがいがある。
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文:武者震之助
【参考】
『剣嵐の大地 (中)〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1877)』(→amazon)