混沌を極めるウィンターフェル。殺伐とした空気が流れています。
ついに生者と死者の最終決戦が始まるのか?
空からは、ドラゴンの声が響いて来ます。
余裕をこいた顔なのがサムです。
「やっと来たか、クソ野郎!」
おっ、毎回カッコいいぞ!
そう喜べる暇もないほどですが……。
シーズン1~8や前史も含めて全部で14本の解説記事!
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【赤い女】がやって来る
そこへあの女が来ます。【赤い女】ことメリサンドルです。
彼女も、ざっくりとウィンターフェルあたりに来そうという兆しはあったものの、何をしているのか不明でした。
兵士たちに剣をもちあげろと、指示を出すメリサンドル。
出迎えたダヴォスも、これには戸惑いを見せています。
ダヴォスの気持ちは、そりゃ複雑ですよね。
心を通わせたシリーン王女を焼き殺すという、悪逆非道の過去があります。
※閲覧注意
何かを祈祷を始めるメリサンドル。炎が燃え上がります。
メリサンドル――同じ信仰者ミアのソロスは死にました。
実は必ずしも万能ではない。
とはいえ、際立って有用なときもある。ジョン蘇生とか。
「ヴァラー・モルグリス(全ての者は死なねばならぬ)」
「ヴァラー・ドヘラス(全ての者は生きねばならぬ)」
そう言いながら、歩き回るメリサンドル。
この言葉をよく使う別の人物は、アリアです。
ここで、ウィンターフェルが開門です。
メリサンドルが探し求める救世主は?
その人物が持つ剣【ライトブリンガー】は?
結局、誰の、どの武器のことなのか?
ヴァリリア鋼は複数あるため、これもちょっとわかりにくくなっています。このことは後述。
そしてついに、ダヴォスとメリサンドルが再会します。
私は夜明け前には死ぬから処刑しなくていい。そう言い切るメリサンドル。
ダヴォスはまだいいとして、アリアもいる……こりゃ面白くなってきたな。
メリサンドルは、アリアを見て恐れるどころか、そうでもない。
気になりますよね。ヴァリリア語の似たようなことを喋る二人。メリサンドルとアリア。
アリアは、かつてジェンドリーを誘拐したメリサンドルを殺すリストに加えました。
ただ、前回そのことを茶化すように語っていたわけです。
怨恨があるかどうか、その余裕があるか、わからない。
はい、ここでおさらい。
ジェンドリーを誘拐した理由は、王の血をヒルに吸わせて、呪いに使うためでした。
この呪いの結果、スタニスと対立した王は崩御していきます。
北の王:ロブ・スターク
七王国の王:ジョフリー・バラシオン
鉄諸島の王:ベイロン・グレイジョイ
全員謀殺です。
呪いが成就したのか、ちょっとわかりません。
そんなメリサンドルが祈ると、武器に炎がついていきます。これぞ魔法剣風だね!
メリサンドルの炎つきの武器を掲げた一団が、死者に突撃してゆきます。
ちなみに先週まで、生きている人物でこの戦法を使えたのは、ベリック・ドンダリオンですね。
そして考えておきたいこと。
ベリックに、ハウンドはもう復活できないぞ、と言っていたことです。
赤い司祭であるミアのソロスが死んでしまい、蘇生術が使えなくなったから。
【赤い女】も、不死身ではありません。その魔法にも、限界はあります。
戦が始まる
戦闘開始――静かに始まります。
夜戦というのもあるのですが、未知の戦いです。歴戦の将であるジェイミーすら、なかなか読めないのです。
ジョンは「夜の王が来る」とデナーリスに言います。
「死者はもうここにいる」
突っぱねるデナーリス。そうきっぱり言い切ります。
ブライエニーはそんな中でも、列を守れと叫んでいます。
戦闘力は高くともほぼ初陣だろうに。頑張るなあ。
そしてここで、ドラゴンが参戦。
炎で焼き払います。
サンサとアリアも、見ているしかない。
しかし、ドラゴンは生者側だけのものではない。
アリアは、残りたいと言い切るサンサに、武器を差し出し地下へ行けと指示をします。
「使い方がわからない」
「尖った方で刺せ」
それはあんた……まぁ、アリアはそういうことなんですよ。
あんたもシリオ・フォレルに習ったというのは、この際置いておきましょう。あ、シリオは再登場の可能性はありません。
でも、地下って安全なのかな?
暗闇の中、激動が繰り広げられています。
エッドと呼ぶ声。ここでついに彼も……しかも厄介なのは、死んだら敵側につきかねないことでして。
感傷に浸っていてはいかんぞ、サム!
そんな中、サンサは地下に入ります。
ティリオンと向き合うサンサです。これまた複雑な再会ですね。
氷と炎の歌
そして、ついに生きる者は追い詰められていきます。
「退却だ!」
「門を開けろ!」
これは厳しい。
開けないと全滅する。とはいえ、開けたら敵も入ってくる。
「進んで!」
「持ち場へ!」
「進め!」
「進むんだ!」
「持ち場を守るんだ!」
指揮系統が完全に崩壊している。
このままじゃ総崩れだ。
たとえ守りきったとしても、北部はほぼ壊滅状態でしょう。北の王は消えてしまうのか……。
自らの死を予言しているメリサンドルは、ここまで読んでいたのか。
「武器を持て!」
「防柵を守れ!」
「引け、引くんだ!」
完全に混沌としてきました。
もはや退却しかないのか……。ちょっと真っ暗でわかりにくいので、画面明度を高くしていこうね。
「門を開けろ!」
「奴らが来る!」
「溝に火を!」
火刑で追い払おうと奮闘する防御側。
松明での着火を試みる防衛側。
しかし、間に合うとも思えない。
閉ざされた門と、背後から迫る敵に挟まれている。そんな最悪の状況です。
ここで、メリサンドルが何かを唱え始めました。
シリーンを焼き殺した憎きメリサンドルですが、何か逆転があれば免罪だ、頑張ってくれ!
そしてその呪文の最中、炎が燃え上がります。やったぜ! 火刑大成功か!!
興奮を隠せない様子で、炎を眺めるメリサンドル。
あっ、【氷(青い炎の死者)と炎(赤い炎の生者)の歌】って、これかな?
しかし、ハウンドにとっては炎はトラウマ。あの火傷は、兄であるマウンテンことグレガーにやられたものでした。
【ブラックウォーター湾の戦い】をきっかけに逃走したもの、そのせいです。
そんなハウンドはベリックを無視して、黙々と立ち去るのでした。
守るべきもの、守られるもの
ティリオンとサンサは、地下で話しています。
ここにいては、何か役立つことを見逃すかもしれない。そう焦るティリオンです。彼の性格としては、自分も何か役に立ちたいのでしょう。
しかし、どうにも軍師タイプは前線に不向きでして。
ティリオンは【ブラックウォーター湾の戦い】で、顔面を損傷した経験もあります。まぁ、ちょっと訳ありだったけど。
「あなたは死ぬ。いても役立つことはない」
サンサはここで冷静に言い切ります。
しかし、ティリオンは何かしたい。知略で活躍したい。そう言うのです。
サンサは、何もできない。
現実と向き合うしかない――そう言い切ります。
「結婚したままでいたかった」
ぼそっとそう言うティリオン。
結婚当時は、まあまあ素直だったからかな。
「一番マシな旦那だった……」
そう返すサンサ。
おいっ、比較対象が悪すぎるわ!
最初の婚約者:ジョフリー・バラシオン
二度目の結婚相手:ラムジー・ボルトン
ストーカー:リトルフィンガーことピーター・ベイリッシュ
サンサよ……作中でもワーストを競う極悪な相手と婚約、結婚だもんね。
しかもその背後には、母娘まとめてストーキングする陰謀家もいたし。
サンサは、初婚のティリオンがいかに素晴らしい人物か。理解できなかった。
それは仕方ない。
幼かったし、外見より中身だと理解することは、難しい。
それにスターク家とラニスター家は、宿敵です。
そんなサンサは、デナーリスと忠誠心が対立するぞ、とティリオンに警告します。
サンサは、デナーリスと和解するつもりはまったくない。
これを嫉妬と言うのは、正確ではないでしょう。
ただ、サンサからすればイライラするとは思いますよ。
最初の夫であるカール・ドロゴとは愛し合っていたデナーリス。
そしてジョンとも相思相愛。ドラゴンデートでうふふ。そして、サンサにとっては一番マシだったティリオンが忠誠心を見せている。
なんだこの格差は!
シオンの贖罪
地上は、炎でなんとか勝利が見えてきました。
しかし、地下は?
そして、ウィアウッド前にいるブランは?
彼を守るシオン。
シオンは、ブランに過去を謝罪します。
ウィンターフェルを急襲し、ブランとリコンを殺そうとした過去。
二人はかろうじて逃れたものの、その過程で、スターク家の家臣領民を虐殺しました。
兄弟の身代わりとして農家の少年二人を殺し、遺体を損壊しました。
これは、さらなるスターク家壊滅に繋がったと言えなくもない。
ブランとリコンが死んだと思い込まされたロブとキャトリンは、精神面で大打撃を受けました。
ロブの後先を考えない結婚。
それに対するフレイ家の激怒。
そして【レッドウェディング】。
判断ミスには、精神面での打撃がなかったとは言えない。
「だからこそ、あなたがいるべき場所、家にいるのだ」と、ブランは悟りきった声で言います。
ブランはもう人間ではありません。
ジェイミーにも、あなたが突き落としたからこそ【三つ目の鴉】になれたと語ったブラン。
あの罪があればこそ、命がけでシオンは自分を守るのだ。
そう悟っているのか……彼はこう言います。
「僕はもう行くよ」
「どこへ?」
そこへ、不気味な音が聞こえてくるのです。
自軍士気低下! 戦線崩壊しております!
炎は燃えています。
それでも、死者は進軍してくる。両軍ともに、見つめるしかない。
ダヴォスもアリアも、言葉がありません。
「壁につけ!」
そう叫び出す生者たち。
なんと、死者は炎を突破してくるのです。メリサンドル、もっと頑張ってくれよ〜!
しかも、ナイツキングまでも姿を見せます。
火矢を打ち込み増援を要請する生者たち。
弓兵こそが、支援すべき要員です。
この場合、弩ではなく、長弓です。
ただ、それも長くは持たない。
完全にまた、近距離戦闘に突入します。騎兵も戦車も使えないしな……歩兵戦か。辛いわ。
こりゃ勝ち目がない!
メリサンドルがドカーンと何かやるとか。
ドラゴンとか。
ティリオンが何もできないというサンサの意見は、ごもっともです。
彼の知略でも、これを巻き返せるはずがない。
そんな中、使える戦士はアリアです。
ドラゴングラスの長柄武器で、まさしく無双をしています。
ベリックとハウンドも、奮闘中。
言いたくないけど……何人が生き延びるんだろう?
そこへ死者と化した巨人までもが参戦です。
さしものアリアの顔にも、絶望が見えています。
しかも、ここでのハウンドは役に立たない、という。
「死相手に勝てねえし!」
アリアと真逆で、完全に諦めています。
そんな中、リアナ・モーモントが巨人に掴まれています。
ヒィー、これは辛い!
激戦の最中、ハウンドは人形を手にして、何か思うところがあるようです。
竜の舞踏
二頭のドラゴンが飛んでいます。
これぞ【竜の舞踏】。
ドラゴン同士の戦いです。
ターガリエン王家同士がしばしばこれをやらかし、巻き添え多数の惨劇を生んできたものです。
よいことか。悪いことか。
ドラゴンがいればそりゃ強いでしょうけれども。敵を足止めできるだけでもいいのか。
アリアは、一人息をついています。
そこは地下。このままでは、死者が避難民だらけの地下へなだれこんでしまう!
一人、アリアは戦い、正面戦闘ではなく奇襲での勝利を目指していきます。
多勢に無勢の中、絶望的な戦いを続けるアリア。
下手な逃げ方をすれば、誤った方向へと導いてしまう。かといって、戦ったところでどうにもなりません。
「開けてくれ!」
「頼むから!」
悲痛な叫びと死者の声が響く中、サンサが思いつめた表情を浮かべています。
そのころ、ハウンドとベリックも地下を移動中。
見つけたのが、襲われているアリアでした。合流できたのはよいにせよ、どうなってしまうのか。
身を呈して、アリアを救うハウンド……あぁ、もう嫌だ。
ベリックとアリアは逃れていきます。ベリックもこのあと……ついに終焉を迎えるのでした。
そろそろメインキャラクターが退場するとは思っていたけれど。辛いぞぉぉ!
光の王よ、私は見つけました……
メリサンドルが、アリアと短い会話を交わします。
「【光の王】(ロード・オブ・ライト)は照らされた。その目的は果たされた」
「あんたを知っている」
「私もあなたを知っている」
「私たちはまた会う、と言った」
「それが今。世界が終わるとき」
「私は大勢を殺すと言った。それは当たった」
「茶色の目。緑の目。そして青い目を殺す……死神にいう言葉は何?」
「まだ死なぬ」
メリサンドルが、ついにこの時が来たと感無量の顔をしています。
彼女の目的――それは、世界を救う剣士を見つけること。
それが果たされた。
まさかアリアが、そうだったのか!
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