光る君へ感想あらすじ

『光る君へ』感想あらすじレビュー第4回「五節の舞姫」

ついに再会を果たせた、まひろと“三郎”。

正体を伏せたままの二人であったが、互いの素性を明かすことはできるのか?

 


偽りに偽りを重ねる女

永観2年(984年)、散楽でアキに扮する直秀に対し、まひろは謝るように迫ります。

誤認されて“三郎”は獄に入れられた。謝るべきであろう。

というわけですが、直秀は「悪いことはしていない、放免に追われるものは皆悪い奴なのか」と開き直ります。

”三郎“にせよ、すぐに出てこられたのだからよいと、その場を執り成す。また観に来るようにとだけ告げ、直秀その場を去っていくのでした。

まひろは納得できません。

なぜ、”三郎“が許されたことを知っているのか。なぜそれを直秀は知らせに来たのか。

いったい何のことか?と尋ねる”三郎“に対し、「屋根の上にあらわれて、無事を告げて消えていった」とまひろが説明します。

親切な人かと思っていたのに、”三郎“に謝らないのは腹が立つとイライラ。

「すぐ怒るんだな」

”三郎“は面白そうに話しています。彼の周りの人々は、貴公子に対して怒りすら見せないようにしているのでしょう。

「代筆は嘘だったのか?」

”三郎“がそう問いかけながら、絵師の家に行ったら、そんな者はいないと追い返されてしまったことを説明しています。

偽りだったのか?と問われ、謝るまひろ。また作り話をしてしまった。あそこの代筆は男がしていたのだと。

”三郎“は再び笑顔で、よく装い、よく偽るおなごだなと言いながら、彼女の嘘を見抜きます。

あの日、まひろは男の声で男と偽る仕事をしていたと。代筆仕事はまひろだと見抜いていて、さわやかに笑い飛ばす”三郎“です。

「偽りに偽りを重ねておる!」

まひろも、”三郎“だって偽りを言うと拗ねています。

何度でも行く、会えるまで行くと言っていたのに、そうしなかったじゃないか。しかし、なぜそれを知っているのかと逆に問われ、答えに詰まるまひろ。

俺はまひろのように怒らんと”三郎“は笑いとばし、からかうように「帝の落とし胤(だね)だという話はまことなのか」と問いかける。

と、まひろはようやく身分を明かします。六位で何年も官職につけていない、藤原為時の娘。藤原でもずーっと格下だから気にしないでと言うのです。

次に会ったとき正体を明かすと言ったことを覚えているか?と“三郎”がまひろに問いかけます。

彼女は覚えていました。

「俺は……」

そう口に出しかけたとき、藤原宣孝が二人を見つけました。

 


あの娘を弄ぶな

外出禁止されているまひろに対し、随分と大胆なことをしていると言う藤原宣孝。

「お前は誰だ?」

“三郎”を問い詰めようとする宣孝に、すかさず飛ばした履き物を拾ってくれたとまひろが割って入ります。

彼女に被衣をかぶせ、馬の後ろに乗せ、送っていく宣孝。まひろはその後ろで「次の散楽も見たい!」とわざとらしく、“三郎”に聞こえるように言う。

そんな大きな声で言わんでも聞こえると宣孝は呆れています。

この去っていく宣孝は、佐々木蔵之介さんの魅力と説得力が引き出されたシーンではないでしょうか。

野暮なおじさんになりそうなところを、軽妙で魅力的な男性を演じている。しかも、まひろとの年齢差もわかる。

彼以外になかなかできないと思えるほどのはまり役です。

“三郎”もとい道長が帰ろうとすると、屋根の上にいる直秀がこう告げる。

「もう散楽には来るな」

先ほどまた来いと言ったのはお前だろうと返されると、こうきました。

「気が変わった。娘の心を弄ぶのはよせ」

「娘とは誰だ?」

「とぼけるな。藤原為時の娘だ。手を引け。右大臣家の横暴は内裏の中だけにしろ」

「そういうことは散楽の中だけで言え」

道長も負けずに反論すると、隣で百舌彦が同意。

さらには、あんなところに座っておったら尻が痛かろうにと面白がっている道長です。

直秀の裏の顔が見えてきました。

屋根にホイホイ登れる。右大臣家の横暴に憤っている。道長のことを知っている。放免に追われている。

義賊の類でしょう。

社会格差を犯罪で埋めようとしていて、それに自分なりの正義感を覚えている。だから悪いことをしていないと開き直っているのです。

そうでもしなけりゃ、世直しができない――そんな社会の閉塞感も浮かび上がってきますね。

 

身分とは兎角難しいもの

宣孝がまひろを自邸へ送り届けると、使用人のいとが少し慌てた様子で出迎えました。

帰りが遅いので気にしていたとか。引き留めたんはわしじゃと、宣孝が咄嗟に嘘をついて誤魔化します。

その上で、父上に言わぬからあの男には近づくなと釘を刺す。

まひろは悩んでいます。

「身分とは兎角難しいものにございますね。貴族と民という身分があり。貴族の中にも差がある」

宣孝はそんな嘆きに、その効能を解きます。

身分があるから、諍いも争いもない。もしもそれがなくなれば、万民が争い、世が乱れるのだと。

身分秩序が壊れた結果、争いが起き、血が流れる様は『鎌倉殿の13人』で描かれてましたね。

これぞ日本史の宿命かもしれない。

隣の中国では、魏晋南北朝は貴族の時代。魏以来の「九品官人法」により、こんな状態が訪れます。

上品に寒門無く、下品に勢族なし。

上流貴族には貧しい家はなく、下級貴族には勢いのある家はない。

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生まれつきの血統だけで決まるなんて……そう嘆かれるような状態でした。

そのせいかルッキズム全盛期になり、アホなボンボンはコスメとファッションに夢中で、ろくに仕事もしない。

それではいかんと採用されたのが【科挙】です。

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日本でも導入されながら定着はせず、試験ではなく血統で地位が決まるやり方は幕末まで連綿と続き、福沢諭吉をして「門閥制度は親の敵(かたき)」とまで言わせることとなります。

で、現代の日本はどうか?

世襲がこうもアピールされる国って、日本以外はそうそうありません。

まひろの投げた問いかけを、見る側も考えねばならない。面倒で興味深いドラマですね。

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