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【『光る君へ』感想あらすじレビュー第18回「岐路」】
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さわとの別れ
さわがまひろのもとを訪れ、「これでお別れだ」と告げています。
肥前守を拝命した父と一緒に行かねばならないのだとか。せっかくまひろ様と仲直りできたのに……と嘆いています。
父上が国司になるのはめでたいとまひろが言っても、肥前は遠い国であり、もう会えないかもしれないとさわは残念がっています。
国司の任期は四年だから、そんなことはない。
まひろがそう励ましていると、惟規がひょこっとやってきて、何を泣いているのかと尋ねてきます。
さわが肥前に行くと聞き、俺に当分会えないから悲しんでいるのかと言い出す惟規。
さわはあっさりと、昔は慕っていたけど今はもうやめた、よき思い出だとあっけらかんと返します。
「は?」
思わずキョトンとする惟規。
紫式部の弟・藤原惟規は実際どれほど出世できたのか モテる男だったのか?
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人の心はうつろうものだとあっさり言ってのけるまひろ。お別れは寂しいと惜しむさわに対しては、また会えると励ますのでした。
このドラマは意識的に男女間と同性間の関係性を、偏見なく再構築しているように思えます。
女同士はドロドロだとか、薄っぺらいとか、そういう偏見込みで描くフィクションはまだまだ多いものです。
それは結局、書き手に男性が多いとか。そういう偏見に迎合するのが賢いと錯覚するとか。そういう古臭い感性でしょう。
紫式部は同性との友情に篤いことがわかります。
彼女が主人公ならば女同士のシスターフッド礼賛はむしろ偏見をとりのぞき、あるべき姿を見せるだけなのだといえます。
去り行くまひろ
一月後、藤原道長が右大臣となりました。
伊周の内大臣を超え、公卿の頂についたことになります。
藤原穆子が、女院様(詮子)の提案を受け入れて道長を倫子の夫としたことは大当たりだったと娘の倫子に語っています。
あえて関白を指名しないのは、それぞれに気遣った結果であろうと二人は考えていました。
そのうえで内覧と右大臣がセットなのだから、これで政治トップに立ったも同然と穆子は喜んでいる。
倫子は、道長が上に立つことが苦手だと心配しつつも、父上(源雅信)もあの世から喜んでいるだろうと微笑んでいます。
そして、それでもまだ「不承知、不承知」と言うかもと笑い合う母と娘でした。
今回の人事に驚いたのは、源明子の邸でも同様でした。
兄の源俊賢が興奮しながら、明子に話しかけています。
これでもう実質トップなのに、関白にならないからむしろ自由度が高い。これからは道長推しだ!と宣言する兄に、明子は情けないと呆れ気味です。
妹に、道長に自分を売り込め、褒めておけと言う俊賢。
褒めるところがないと返す明子。
源明子は道長の子を6人も産んでいた~高貴な血を引く子供たちは順調に出世できた?
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道長は、まひろとの約束を果たせる位置に立ちました。
かつて彼女は訴えました。直秀のような理不尽な死に方をする人のいない政をして欲しい。その姿を死ぬまで見続ける。
何かに呼ばれたように、二人が愛を交わした廃屋に向かう道長。
そこには月光を浴びたまひろがいました。
昔の己に会いにきたのね。でも、今語る言葉は何もない――そう思い去ってゆくまひろでした。
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