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『光る君へ』感想あらすじレビュー第20回「望みの先に」

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第20回「望みの先に」
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宋にあこがれていた父の血は、今も娘に流れる

為時がスヤスヤ眠る横で、まひろと藤原宣孝が話しています。

宣孝は、為時の国司就任と、まひろの反抗期終了を祝っている。

学問一筋で淡々と生きてきたけれど、淡路守が肌に合えば良いと気遣う宣孝に対し、父は真面目な人だからきちんと務めると答えるまひろ。

すると藤原宣孝が、興味深いエピソードを話し始めます。

為時は真面目なだけではなく、大学に通っていたころ、一ヶ月ほど行方知らずとなり、大騒ぎになったとか。

ボロボロになって戻ってきたので詳細を尋ねたところ、なんでも宋の国に行こうと船に乗り込み、船頭に見ぐるみ剥がされて海に捨てられたとか。別の船が拾って戻ってきたそうです。

そのような話は初めて聞いたと驚くまひろ。人には意外な面があり、そういう型破りなところをお前が引き継いでいるのではないか、船に乗って宋へ渡りそうな危うさがあると宣孝が笑っています。

「宋に行きたい」

「危うい、危うい」

二人の距離もすっかり縮まっていますね。そしてまひろの無鉄砲なところは為時に似たのかと思うと、興味深いものがありますね。

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越前守はどんな人か、と聞けば、任ぜられた源国盛はまだ若く心許ないようで。

身分が低くて望むべくもないけれど、父が越前守であれば、宋の言葉も解するしお役に立つのに……とまひろが少し悔しがっています。

宣孝もそれを認め、帝が為時の学識を知っておればと惜しんでいます。

すると、帰り際、宣孝はまだ機会があるかもしれないと言い始めます。除目の後に任地が変更されることもたまにはあるのだとか。

そうして宣孝が去ると、まひろは墨を擦り、何かを書き出します。

いやらしい話ですが、この辺りで私はニヤニヤしてしまいました。筋書きが見えてきたのです。

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まひろの文が歴史を変える

藤原行成藤原道長のもとへ、申し文を運んできます。

「多い!」

思わず道長が泣き言のように言うと、行成はおずおずと切り出します。

「お許しいただければ、私が読んで、重要なものを伝えます」

「いや、いい」と返す道長に対し、行成は「ご無礼仕りました」と返す。

かつてのF4も、出世街道の歩み方が変わってきました。

人脈重視の策士である斉信。

出世から距離を置きつつ、参謀役をかってでる公任。

そして行成は誠意と書道です。

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お勉強はあまり得意でないものの、道長は頑張って申し文に目を通す。サッと書を振って開く所作が綺麗ですね。時代劇ならではの見応えがあります。

道長は一通の申し文をみて、衝撃を受けます。

苦学寒夜、紅涙沾袖 苦学の寒夜、紅涙袖を沾(うる)おす

除目春朝、蒼天在眼 除目(じもく)の春朝、蒼天眼(まなこ)に在り

私は寒い夜でも、血の涙で袖を濡らしつつ、勉学に励んできました

待望の除目を迎えた春の朝、そこで目にしたのは、青空だけだなんて(名前がないことを嘆いているという意味)

そしてあわてて文箱を開け、かつてまひろから受け取った文と見比べる。

「為」

筆跡が一致しました。なんということでしょう……これは愛情だけか?というと、そうではないかもしれません。

道長は、漢文が苦手です。結構いい歳になっても日記の文法がおかしく、実は源国盛のことをどうこう言える立場ではない。

しかし、人の上に立つ立場なら、自分でそこを頑張らなくてもよい。人事を適切に捌けばよいのです。

この文を書ける娘の父ならば、漢文力はバッチリだ!

そうやって頭をフル回転させれば、領袖としては理想的でしょう。中国史ならば、秀でた部下に色々と任せていく劉邦タイプですね。

すると、かつてこの文を発見して悩んでいた倫子が、夫の道長に声をかけます。

用件は文のことではなく、女院様こと詮子の気分が悪いということでした。

思わず驚く道長。

詮子の元へ行くと、寝込んでいました。

道長に伝えるなと言ったと、倫子を叱りつける道長。

倫子が謝りながら、女院様が心配だったと返すと、詮子も体調は若干回復したようですが、我が世の春なのに体が利かぬとぼやいています。

そんな姉に、まだ若く、お美しいと道長が励ますと、詮子は心配かけたと言いながら、よくできた妻だが口が軽いと倫子のことをたしなめます。頭を下げる道長と倫子でした。

そのころ帝は、あの申し文を読み、恥じていました。

あの対句にあった「蒼天」とは天子、つまりは「帝に見る目がないということか?」と言い、その上で「右大臣である道長はなぜこれを見せたのか」と問いかけます。

道長は、為時は漢籍に詳しく、宋の言葉もできると言います。源盛国では心許ないと。

どうにも謎めいてきました。まひろはどうやって申し文を届けたのか。宣孝経由でしょうか。

そしてその申し文が道長を、そして帝を動かしてしまったのです。

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