周明はマージナル・マン

『清明上河図』/wikipediaより引用

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『光る君へ』周明のような人物は実在した?注目すべき歴史的背景はマージナル・マン

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宋人のファッションチェック

『光る君へ』の所作指導は京劇俳優の張春祥さんが担当されています。

しかし京劇が本格的に洗練されてゆくのは明清以降であり、そこに若干の違和感が生じます。

日本で例えると、歌舞伎俳優の所作は洗練されて素晴らしいけれど、平安時代鎌倉時代が舞台のドラマだとあまりに洗練され過ぎているのでは……といった現象です。

宋人にしてはちょっと新しすぎる所作になっている。そんな細かい差であり、時代劇のお約束ともいえる話ですので、もちろん不満は一切ありません。

衣装については『清明上河図』を参照にしているそうです。

役人の朝服は規定が残されているため現代でも再現しやすいけれど、民衆の服装となるとなかなか難しい。その点、絵画のある宋代ならば特徴を掴みやすくなります。

『清明上河図』は街の賑わいを描いた作品で、活き活きとした民衆の生活が見えてくる。

こうした絵画の世界観を参照し、中国で大ヒットを記録しているゲームに『江南百景図』があります。

日本語版は『水都百景録』と呼ばれるゲームであり、『光る君へ』と同じく『清明上河図』を元にしているという共通点があります。

確かに服装を見ていると、共通点があることがわかります。

周明についていえば、華流エンタメの許宣よりは真面目に思えることも確かです。

見た目の華やかさを重視するためか、許宣はどうも派手になりがち。特に髪型は医者なのにまとめていないこともあり、その点、周明はかなり真面目に思えます。

医者だけに、商人や漕ぎ手より文人の風格がある服装にしているそうです。

 

周明から医学を学ぶメリット

松下洸平さんが演じる周明は魅力的ですが、もしもまひろが彼と恋に落ちたら、あるメリットが挙げられます。

美容効果です。

今でも化粧品には、和漢の薬用植物の効果を掲げるものは珍しくありません。

代表格がドグダミ化粧水でしょう。

藤原宣孝は劇中でまひろのために化粧品を贈ります。

一方、史実の紫式部には、化粧水にまつわるこんな逸話があります。

9月9日【重陽の節句】の際、源倫子から「これでアンチエイジングしてね」と贈り物が届きました。

菊の被綿です。

この特別な日に綿を菊の花の上に置き、露を含ませる――いわば縁起ものといえるものですね。

倫子は紫式部より年上なのに、一体どういうことなのか。

純粋な善意?

それとも嫌味?

謎めいた話であり、紫式部は持ち前の塩対応を発揮します。

「私はそんなに若返らなくてもよいので、倫子様こそ必要なのでは?」

こんなことを上司の妻、ドラマ設定では元親友に返すとはどういうことなのか。

誰でもそう思うところでしょうが、実際に返す前に倫子の使者は姿を消していた。

もしも現代の著名人がこんな話をSNSに投下したら炎上必至ですよね。

しかしこの逸話に「縁起担ぎではなくて確たる薬効の化粧水がある」という理論補強を加えてドラマで描かれたら、盛り上がりそうな気がします。

なお、医者とつきあうメリットとして【房中術】に長けているということも挙げられます。

藤原実資ならば喜びそうなメリットですが、これは横においておきましょう。

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