どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第3回「三河平定戦」

こちらは3ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
『どうする家康』感想あらすじレビュー第3回「三河平定戦」
をクリックお願いします。

 

どうする命の尊厳

本作は、遺体の扱いも無茶苦茶です。

◆「どうする家康」義元の首を槍投げ 重量なんの一発決め!演出も感動 ネット反響“岡田信長”初登場の裏側(→link

『麒麟がくる』でも、織田信長は遺体損壊をしていました。

生首を箱に詰めていた場面は衝撃的。

あの場面では信長の両親が驚き、怒り、嫌悪感を見せていたものです。

遺体損壊が悪いのではなく、それをクールだと演出して喜んでいることが悪辣なのです。

一体何を考えているのでしょうか。

こういうことをするから合戦にはリアリティが無い。

今週は最後にとってつけたような残虐描写がありましたが、どうせ作り物だと何の衝撃もありませんでした。

生きるか死ぬか、そんな状況を笑いにするセンスも決定的に痛い。

そりゃネットで笑う人はいるでしょう。

しかし、だから何ですか?

◆「どうする家康」元康が自害決意→覚醒!も…まさかの“干支詐称”ネット爆笑「オチが完璧」於大の方が提案(→link

 

どうする火縄銃

本作は、火縄銃の扱いにおいても「時代考証が雑じゃないか?」と突っ込まれています。

確かに当時の日本は火縄銃の普及が急速に進みました。国衆クラスで持っていてもおかしくないかもしれません。

とはいえ、物流、資産、そして才能もそこには加味されます。

雑魚っぽい国衆が火縄銃をバンバン撃っていたら、なにやら引っかかる視聴者がいても不思議ではないでしょう。

『麒麟がくる』でもは初回冒頭で火縄銃が出てきました。

たしかに、山賊ですら火縄銃を持っていた。しかし、実際にはまだまだ珍しいからこそ、斎藤道三明智光秀に現地調達を依頼する。

この過程で、足利家に仕える三淵藤英は火縄銃に懐疑的でした。

雨天では使えない。連射ができない。そんな弱点に目がいくというところで、保守的な人物像だという表現かもしれません。

彼はのちに弟の細川藤孝とは異なり、足利を裏切ることができず、織田信長に処断されています。そういう伏線ともいえた。

とにかく火縄銃の普及にしてもゲームのように簡単には回らないということ。

にもかかわらず本作のように国衆同士の小競り合いでバンバン撃ちまくるとなると、そりゃあ違和感を覚える視聴者が出てきても不思議はないでしょう。

そして今回――織田信長が水野信元を脅すために火縄銃を撃ちました。

しかも再装填の手間など無かったかのような連射。

現代の銃器とは扱いが異なりますし、そうだとしてもあんなふうに安っぽく銃器は使うものではありません。

『麒麟がくる』では、足利義輝殺害に怒った明智光秀が、松永久秀に火縄銃を向ける場面がありました。

あのシーンを思い出すと、本作はなんという薄っぺらさなのか。

 

どうするウケ狙いの時間稼ぎとペース配分

今川義元が生きているとか。

瀬名と我が子と再会するとか。

そんなしょうもないドリームを入れるほど余裕はあるのですか?

このドラマは家康の決断でいちいち盛り上げたいようですが、ペース配分がおかしい。

【大坂の陣】など、寺島しのぶさんのナレーションだけでクリアするかもしれません。予算にもやる気にも限界はありますからね。

 

どうするトレンド1位と視聴数

私は昨年からTwitterのトレンド1位などどうでもいいと主張してきました。

日刊ゲンダイさんではズバリこう言い切っております。

◆大河「どうする家康」世界トレンド1位は本当にスゴイ? 救いは本編後の松重豊ナレーション(→link

たしかに“叩き記事”が日刊ゲンダイの基本スタイルではありますが、以下の部分には同意せざるを得ない。

そもそも疑問なのがこの「世界トレンド1位」というワード。これがどれだけすごいのか、「モンドセレクション金賞」とどちらがすごいのか、誰か教えて欲しい。

その一方で、動画配信サービス「NHKプラス」の視聴数は歴代1位だということにも触れています。

確かに素晴らしい数字でした。

今後の基準としても有用であり、問題は今後も続くかどうか、でしょう。

初回は好条件が揃い過ぎていた。

・昨年で動画配信サービスNHKプラスの視聴数が劇的に伸びた

徳川家康の知名度

今後も『鎌倉殿13人』のように数字を保てるかどうか、注視したいと思います。

 

どうするファンダム

「有毒ファンダム」という概念があります。

ファンは、歓迎すべき存在のようでありながら、自分の思い通りにならない展開となると過激化して攻撃するようになる。批評サイトにマイナスを投稿し続ける。

そんな問題であり、些末なこととバカにはできません。

ファンダムの過激化を恐れ、敢えて作品から遠ざかる層も出てきて深刻な問題になっています。

NHKの看板である朝の連続テレビ小説は、この弊害が出ています。

2022年『ちむどんどん』のアンチが過激化し、出演者に執拗な攻撃をすることになりました。しかもPV稼ぎのメディアやライターも乗っかり、非常に悪質だった。

大河もこの危険はつきまといます。

ファンダムが過激化する要因として、こんな要素があげられます。

・結束:ハッシュタグを用いたり、相互フォロワー同士で監視しあい結束する

・優越感:自分たちは他の集団より優れているという意識で大河では特に発生しやすい

・被害者意識:「自分たちと自分たちの好きな作品は優れているのに、なぜか批判されている! これは不当な攻撃だ!」こんな意識が生じると危険です

・空ぶかし:心底楽しめているわけでもない、そんなファンが忖度して誉めているて、こういう状況になると互いが疑心暗鬼になって危険

『鎌倉殿の13人』は穏やかなファンダムを形成できていました。

三谷幸喜さんは毀誉褒貶が激しいので、ファンダムが慣れているせいもあるのでしょう。

しかし、どうにも本作はおかしい。

成功する要素が多く、かつ前作からの熱気もあり、事前予想も高評価でした。

それなのに初回から視聴率と評価が低く、そうなるとこんな動きが出てくる。

『どうする家康』はこんなに素晴らしい作品なのに、なぜか迫害されている!

そんな被害者意識が生じると何処かに不満がぶつけられがちで、SNSではすでに支離滅裂な文章が散見され、危険な兆候を示しています。

彼らは「『鎌倉殿の13人』だっておかしいところはあった!」などと些細なことを言い募り、前作のファンをコケにするような言動も繰り返しています。

こうなると作品にとっては非常に逆効果となる。

「悪質なファンが目立つなぁ……近寄らんとこ」となって逆効果。序盤からこれではろくなことがありません。

今後ますます泥沼に突っ込んでいく可能性も否めません。

出来の悪い大河は、夏以降の追加キャストが断られることが増えてゆきます。

どうしても先細りになり、巻き返しが難しくなる。

ご祝儀で見ていたファンも抜けます。

ゆえに本作は今後厳しくなる道しかありませんね。

※続きは【次のページへ】をclick!

次のページへ >



-どうする家康感想あらすじ

×